難病闘病の原口一博、「台湾有事」で首相を追及:異端の政治哲学が国会を揺るがす
ニュース要約: 立憲民主党の原口一博議員は、悪性リンパ腫や骨折の重傷と闘いながら、国会で岸田政権への追及を続けている。特に衆院外務委員会での「台湾有事」を巡る激論では、与党への厳しい姿勢だけでなく、党内の生ぬるい姿勢にも対峙。消費税廃止や「ディープステート」を公言するその異端の政治哲学は、今後の予算審議でも注目される。
闘病、そして「激論」の最前線へ:原口一博議員が貫く異端の政治哲学
【東京】 立憲民主党の重鎮であり、元総務大臣を務めた原口一博衆議院議員(10期)は、難病との壮絶な闘いを続けながらも、国会の最前線で岸田政権に対する厳しい追及を続けている。特に2025年11月28日の衆議院外務委員会における「台湾有事」を巡る激しい論戦は、その不屈の精神と、既存政治体制への批判的な姿勢を改めて浮き彫りにした。
難病と公務の狭間で:不屈の闘い
原口議員は2023年4月に悪性リンパ腫(びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)と診断されたことを公表して以来、抗がん剤治療と公務の両立という困難な道を歩んできた。病との闘いは過酷を極め、治療の過程で脱毛なども経験したが、2024年10月の第50回衆議院議員総選挙では、病を乗り越えて10選を果たし、強い政治的基盤を示した。
しかし、試練は続く。2025年6月15日には、自宅での転倒事故によりあばら骨を8本骨折するという重傷を負った。この転倒の背景には、先天性の難病である骨形成不全症が関係していると見られている。悪性リンパ腫の治療による体力低下と難病が複合的に作用し、事故を引き起こした可能性が高い。全治3ヶ月と見込まれる深刻な負傷にもかかわらず、原口議員は公務を継続する強い意志を崩していない。
2025年11月現在、複数の難病と向き合いながら国会に立つその姿は、病公表前よりも一層鋭気に満ちていると評されており、その政治的エネルギーの源泉に注目が集まっている。
台湾有事を巡る「国益」論争
原口議員の政治的な情熱は、11月28日の衆院外務委員会で爆発した。焦点となったのは、高市早苗首相(当時)の台湾有事に対する答弁だ。
原口議員は、中国の「脅威」を定義する際、「意思プラス能力」という国際政治学の基本概念を持ち出し、首相が武力行使の「意思」について明確に言及していない点を激しく批判した。さらに、高市首相が答弁の中で「旧敵国条項」に言及したことに対し、「とんでもない」「やりすぎでしょ」と怒りをあらわにし、「これね、国益を賭けてるわけですよ」と強く訴えた。
この激論は、単に政府への批判に留まらなかった。議場では、立憲民主党の同僚議員から異論が出た際、原口議員は後ろを振り返り「"いやいや"ってどういうことだよ?」と睨みつける場面も見られた。これは、彼の政治哲学が、与党のみならず、自らが所属する党内の生ぬるい姿勢にも容赦なく対峙するものであることを示している。
異端の主張と野党再編への提言
原口議員の政治的発言は、常に論議を呼ぶ。
彼は一貫して、消費税を「日本弱体化装置」と呼び、衆議院議員選挙ではその廃止を公約に掲げてきた。また、原子力発電への依存度を下げるべきとの立場も明確にしている。
さらに、近年、彼の発言の中で特に際立っているのが、国際的な陰謀論とされる「ディープステート(闇の政府)」の存在を公言し、日本がアメリカの軍産複合体に隷属していると主張する点だ。この特異な政治的主張は、既存の政治家像とは一線を画しており、党内外から「過激すぎる」との声が上がる要因となっている。
実際、原口議員は「自民も立憲もオワコン」と発言し、既存政党体制に対する批判的な立場を鮮明にしている。この発言は、野党再編を求める強いメッセージであると同時に、彼自身の党内での立ち位置の難しさをも示唆している。
令和7年度予算審議を控えて
現在、国会は令和7年度(2025年度)予算案審議を控え、与野党の攻防が激化する時期に入っている。
原口一博議員は、その健康状態や政治的発言のすべてが注目される中で、立憲民主党のベテラン議員として、この予算審議の場でどのような質問戦略を展開するのか、そして「ディープステート」や「消費税廃止」といった自身の政治信条を、どのように国政の場で反映させていくのか。難病と闘いながらも、政治の最前線で異彩を放つ彼の動向は、今後も日本の政治情勢を測る上で重要な試金石となるだろう。