柏レイソル、劇的ACL出場権獲得の裏側:久保藤次郎の海外移籍とリカルド体制の未来
ニュース要約: 柏レイソルはリカルド監督の下、昨季の残留争いから劇的なV字回復を遂げ、J1リーグ2位で悲願のACL出場権を獲得した。若手育成と戦術刷新が実を結んだ形だが、ストーブリーグでは主力MF久保藤次郎にスコットランド名門レンジャーズへの海外移籍の可能性が浮上。クラブは久保の去就と補強戦略という大きな課題に直面している。
柏レイソル、劇的なV字回復の裏側:ACL出場権獲得と久保藤次郎の海外移籍動向
――リカルド体制がもたらした「FEEL THE ENERGY」の真価
【柏】2025年11月30日現在、J1リーグは全日程を終了し、柏レイソルは劇的な躍進を遂げたシーズンを終えた。一昨年のネルシーニョ監督退任、昨季の残留争い(17位)という苦難を経て、今季はリカルド・ロドリゲス新監督の下、リーグ2位(69ポイント)という輝かしい成績を収めた。この結果、クラブは悲願のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権を獲得。クラブの組織的な改革が実を結んだ形だが、早くも来季に向けたストーブリーグでは、主力MF久保藤次郎選手に海外移籍の可能性が浮上しており、クラブの動向に注目が集まっている。(共同通信社 運動部)
わずか1年で成し遂げた「再生」:リカルド監督の手腕
柏レイソルが今季達成した2位という成績は、単なる順位以上の意味を持つ。前年の残留争いから一転、首位鹿島アントラーズにわずか1ポイント差まで肉薄した事実は、リカルド監督が短期間でチームに戦術的な安定性と勝利への執着を植え付けたことを証明している。
リカルド監督は、シーズンを通じて「FEEL THE ENERGY」というスローガンを体現する、柔軟な戦術と若手の積極的な起用を推進した。特にシーズン後半戦における勝点の積み重ねが顕著で、11月の名古屋グランパス戦での重要な勝利などが2位確定に直結した。監督自身も6月度の「明治安田J1リーグ月間優秀監督賞」を受賞するなど、その手腕は高く評価されている。
この成功の背景には、2023年5月のネルシーニョ監督退任以降、井原正巳前監督時代を経て進められてきた組織の「刷新」がある。若手育成と戦術の多様化を軸に据えたクラブの長期戦略が、リカルド体制という形で結実したと言える。2026年シーズンに向け、クラブはすでに明治大のMF島野怜や東洋大のDF山之内佑成といった有望な大学生の入団内定を発表しており、引き続き若手の層の厚みを増す方針だ。
焦点となるストーブリーグ:久保藤次郎の海外挑戦
ACL出場権を獲得し、新たなステージへ進む柏レイソルにとって、最大の懸念材料は主力選手の流出だ。特に、今季リーグ戦29試合に出場し7ゴール3アシストを記録したMF久保藤次郎選手(26)の動向は、国内外のメディアで大きく報じられている。
海外メディア『レンジャーズジャーナル』は、スコットランド1部の名門レンジャーズが久保選手の獲得に関心を示していると報じた。久保選手は右サイドを主戦場とする万能型で、市場価値は80万ユーロ(約1億4,400万円)と目されている。契約は2029年まで残っているものの、「安価な移籍金で獲得可能」との評価もあり、クラブは移籍オファーの有無を含め、慎重な判断を迫られる。
柏レイソルは、2024年シーズン終了後にマテウス・サヴィオ選手が浦和レッズへ移籍した経緯もあり、主力流出を防ぎつつ、チーム力を維持する補強戦略が求められる。来季、ACLという過密日程を戦い抜くためには、久保選手の残留が理想的だが、選手のキャリアアップを尊重する姿勢も重要となる。
地域と歩むクラブの基盤強化
劇的な成績向上に加え、柏レイソルはホームタウンにおける社会貢献活動(CSR)も強化している。これは、クラブが強固な基盤を持つために不可欠な要素だ。
今季は、こころ福祉会との公式スポンサー提携を通じて地域社会との連携を深め、環境保護を目的とした「サステナカップ2025」への参加や、小児がんサポートマッチ「アフラックデー2025」の開催など、多岐にわたる活動を展開した。
また、苦しい時期からチームを支え続けたサポーターの存在も、躍進の大きな原動力となった。ホーム最終戦セレモニーや、12月に予定されているファン感謝デーなど、クラブはサポーターとの交流を重視しており、地域との一体感を高めている。
2026年シーズン、柏レイソルはJ1リーグでのさらなるタイトル争いと、ACLでのアジア制覇という二つの大きな目標に挑む。久保選手の去就や、それに伴う補強戦略が、クラブの未来を左右する鍵となるだろう。ACLという新たな戦いの舞台で、リカルド体制がどこまで通用するのか、期待は高まる一方だ。