常磐道5台玉突き事故で1人死亡3人重傷 渋滞中の「わき見運転」で運転手を逮捕
ニュース要約: 11月22日、常磐道下り線で5台が絡む多重事故が発生し、1人死亡、5歳女児を含む3人が重傷を負った。茨城県警は、渋滞中の前方不注意(わき見運転)が原因とみて、追突したトラック運転手を逮捕。この事故は最大50kmの渋滞を引き起こし、物流に影響を与え、冬季の高速道路運転の安全意識に警鐘を鳴らしている。
【深度報道】常磐道多重事故、1人死亡3人重傷:渋滞中の「わき見」か、冬季高速道路の安全に警鐘
茨城県土浦市──2025年11月22日午後、茨城県内を縦断する大動脈、常磐自動車道下り線で発生した5台が絡む多重追突事故は、尊い命を奪い、地域社会に深刻な交通麻痺をもたらした。千葉県流山市在住の男性会社員(42)が死亡、5歳の女児を含む3人が重傷を負うという痛ましい結果となったこの常磐道 事故を受け、茨城県警高速隊は、前方不注意による過失運転致死の疑いでトラック運転手を現行犯逮捕し、事故原因の徹底した究明に乗り出している。
発生状況:渋滞中の悲劇
事故は22日午後2時50分ごろ、土浦北インターチェンジ(IC)付近の下り線で発生した。現場は片側3車線区間であり、複数の情報源によれば、事故発生時、現場付近では既に先行する別の事象により常磐道 渋滞が発生していたという。
警察の初期捜査によると、逮捕されたのはトラック(ライトバン)を運転していた会社員の足立和夫容疑者(57)。足立容疑者が運転する車両が、追い越し車線で停止していた乗用車に追突し、その衝撃で玉突き的に後続車両を含む計5台が巻き込まれる大惨事となった。追突された乗用車のうち1台は横転しており、事故の激しさを物語っている。
死亡したのは、乗用車に乗っていた浜松雅人さん(42)。また、重傷を負った3名の中には、将来ある5歳の女児が含まれている。茨城県警は、当初「過失運転致傷」容疑で足立容疑者を逮捕したが、浜松さんの死亡確認後、容疑を「過失運転致死」に切り替えた。
捜査関係者によると、足立容疑者は前方の渋滞による停止に気づくのが遅れた可能性が高く、「わき見運転」や漫然運転が事故を引き起こした主要因として疑われている。警察は現在、車両に搭載されていたドライブレコーダーや運行記録を解析し、当時の速度やブレーキ操作、携帯電話の使用履歴など、過失の有無を慎重に調べている。
交通麻痺:最大50kmの常磐道 渋滞が物流を直撃
この常磐道 事故がもたらした影響は、人命の損失だけに留まらない。事故発生直後から、常磐道下り線は土浦北ICからつくばジャンクション(JCT)間が長時間にわたり通行止めとなり、広範囲にわたる深刻な交通麻痺を引き起こした。
NEXCO東日本や交通情報各社によれば、この常磐道 渋滞は最大で50km近くに達し、通過に80分以上を要する異例の事態となった。事故処理と現場検証、安全確保のための車線規制は長時間に及び、事故翌日の23日朝の通勤時間帯にもその影響が残った。
特に、土浦市周辺は首都圏と東北を結ぶ物流の要衝であり、多くの工場や配送拠点が集中している。長時間の高速道路遮断は、生鮮品や工業製品の配送遅延を招き、地域経済活動に甚大な悪影響を及ぼしたとの懸念が地元自治体や企業から上がっている。物流関係者は、国道6号線など一般道への迂回を余儀なくされたが、一般道もまた渋滞し、影響は広範囲に及んだ。
冬季の高速道路運転に求められる「危機意識」
この度の常磐道 事故は、冬季の高速道路運転における安全意識の低さを浮き彫りにした形だ。茨城県警や国土交通省は、例年、冬季における事故防止のための注意喚起を強化している。
今回の事故は、路面凍結などが直接の原因ではなかったものの、多発する常磐道 渋滞時における運転者の注意散漫が、致命的な結果につながることを改めて示した。高速道路における多重追突事故の多くは、先行車の停止に気づかず、十分な車間距離を確保していなかったことに起因する。
特に、渋滞の末尾に近づく際は、速度を十分に落とし、ハザードランプの点灯など後続車への注意喚起を徹底することが、事故防止の基本となる。また、長距離運転における疲労や集中力の低下も、今回の事故原因として捜査の焦点となる可能性がある。
茨城県警は、足立容疑者の過失の度合いを詳細に調べるとともに、高速道路を利用する全ての人に対し、運転中の携帯電話操作や、過度な情報機器への注視を避けるよう、改めて強く呼びかけている。悲劇を繰り返さないためにも、ドライバー一人ひとりが「かもしれない運転」を徹底し、安全運転の意識を常に高く持つことが求められる。
(2025年11月23日付け 朝日新聞/共同通信社 茨城支局)