【第67回日本レコード大賞】ミセス「ダーリン」が歴史的偉業へ 新人賞は国際色豊かな4組が激戦

第67回日本レコード大賞、大賞候補「ダーリン」の三連覇なるか 新人賞は国際色豊かに激戦へ

大賞と新人賞、音楽シーンの現在地を映す二極構造

2025年11月22日（金）

年末の音楽界最大の注目イベントである「第67回日本レコード大賞」の各賞が発表され、その行方に大きな関心が集まっている。特に、優秀作品賞に選出されたMrs. GREEN APPLEの「ダーリン」が、史上稀に見る大賞三連覇を達成するのか、そして、将来の音楽シーンを担う日本レコード大賞 新人賞の最優秀賞をどの新鋭が獲得するのかが焦点となっている。

今年のレコード大賞は、長年にわたり実績を積み重ねてきたトップアーティストの「成熟」と、ストリーミング時代に突如として現れた新星たちの「可能性」という、音楽界の二つの潮流が鮮明に対比される構造となっている。

Mrs. GREEN APPLE「ダーリン」：大賞三連覇への重圧

優秀作品賞に選ばれたMrs. GREEN APPLEの「ダーリン」は、2025年の音楽シーンにおいて圧倒的な存在感を示した。彼らはすでに過去2年間にわたり大賞を受賞しており、今回の「ダーリン」での受賞が実現すれば、前人未踏の3連覇という金字塔を打ち立てることになる。

「ダーリン」は、単なるヒット曲という枠を超え、深遠なテーマと卓越した音楽性が評価されており、長年のキャリアと大衆からの揺るぎない支持が、大賞選考における「確実性」と「成熟した芸術性」の基準を完全に満たしている。

報道機関の取材によると、Mrs. GREEN APPLEは新人賞の対象ではなく、すでにトップランナーとして実績を評価される段階にあり、「ダーリン」の受賞は、日本のバンドシーンにおける彼らの地位を決定づけるものとなる。そのパフォーマンスは、12月30日にTBSで生放送される授賞式で最も注目される瞬間の一つとなるだろう。

激化する新人賞戦線：多様性と国際化の波

一方、将来性が評価基準となる日本レコード大賞 新人賞には、音楽シーンの多様化を象徴する4組の有力候補が名を連ねた。

候補として確定したのは、アイドルグループのCUTIE STREET、和風ポップを融合させたSHOW-WA & MATSURI、個性的な歌声で注目を集めるHANA、そして韓国大手レーベル傘下で国際的な注目度が高いBOYNEXTDOORの4組だ。

特に、BOYNEXTDOORのノミネートは、日本の音楽市場におけるK-POPやグローバルスタンダードの影響力の高まりを示している。彼らは日本国内での活動を活発化させ、SNSやストリーミング指標で高い数値を記録しており、従来の新人賞の評価基準に加え、国際的なファン層の拡大という「可能性」が強く評価された形だ。

CUTIE STREETは若年層からの支持を背景に、SNSでの話題性を武器に躍進。SHOW-WA & MATSURIは伝統と現代性を融合させた独自のスタイルで、ライブやフェスを通じてファン層を広げている。HANAは、独特のボーカルスタイルが一部音楽評論家からも高い評価を得ている。

新人賞と大賞の対比が示す音楽界の潮流

今回のレコード大賞の構図は、審査基準の変遷を明確に示している。大賞候補としての「ダーリン」は、長年の活動で培われた実績と音楽的完成度を評価する伝統的な基準を体現しているのに対し、日本レコード大賞 新人賞候補たちは、ストリーミング再生数やSNS、そして国際市場での活躍といった、新しい時代の評価指標を強く反映している。

この新旧アーティストの対比構造は、日本レコード大賞が、成熟したトップアーティストの功績を称える一方で、デジタル化とグローバル化が進む音楽シーンの多様な変化を積極的に取り込もうとする審査姿勢の現れと解釈できる。

最優秀新人賞の座を争う4組の快進撃は、今後のJ-POPの方向性を占う上で重要な指標となる。そして、Mrs. GREEN APPLEが「ダーリン」で大賞三連覇を達成し、歴史を塗り替えるのか。全ての答えは、12月30日の生放送で明らかになる。音楽ファンにとって、今年の年末は例年以上に熱い展開となりそうだ。