ISU GPファイナル2025開幕:中井亜美ら日本勢が挑む、五輪選考を占う名古屋の大舞台
ニュース要約: 8年ぶりに名古屋で開幕したISUグランプリファイナル2025は、ミラノ・コルティナ五輪選考を占う大一番。特に注目はシニア初出場の17歳、中井亜美選手。トリプルアクセル成功で、浅田・紀平に次ぐ快挙と五輪切符獲得を狙う。坂本花織、千葉百音ら日本勢の熱戦に注目だ。
【名古屋発】「世界一決定戦」開幕、五輪選考を占う大一番:中井亜美ら日本勢が挑む新時代のフィギュアスケート
ISUグランプリファイナル2025、8年ぶり日本開催で熱狂
【名古屋】2025年12月4日、フィギュアスケートのシーズン前半戦を締めくくる「ISUグランプリファイナル2025」が、日本の名古屋市にあるIGアリーナで開幕した。8年ぶりの日本開催となった今大会は、来年2月に控えるミラノ・コルティナオリンピックの代表選考において極めて重要な位置づけであり、世界のトップスケーターたちが集結する「世界一決定戦」として、初日から会場は熱気に包まれている。
大会初日となる4日は、ペアSP、男子SPなどが実施され、熾烈な戦いが繰り広げられた。そして、最も注目が集まる女子シングル・ショートプログラム(SP)は、翌5日夜に行われる予定だ。日本からは、ポイントランキング上位の坂本花織、千葉百音に加え、シニア1年目で快進撃を続ける中井亜美、渡辺倫果の4選手が出場。特に、日本の未来を担う若手スケーターたちの活躍に大きな期待が寄せられている。
17歳・中井亜美、初舞台で狙う「浅田・紀平に次ぐ快挙」
今大会で最も脚光を浴びているのが、17歳の新星、中井亜美選手である。シニアデビューを果たした今季、10月のフランス大会でGPデビュー優勝を飾り、トータルスコア227.08点という自己ベストを記録。その勢いのまま、グランプリファイナルという大舞台に初出場を果たした。
中井選手の最大の武器は、トリプルアクセル(3A)の成功率の高さだ。情報によると、彼女は今大会でも3Aの着氷を重視しており、これを成功させれば、日本女子では浅田真央、紀平梨花に次ぐ、シニア初年度でのフィギュアスケートグランプリファイナル制覇、さらには五輪切符獲得へ大きく前進する。
五輪代表争いの渦中にある中井選手だが、精神面での強さも際立つ。「順位よりも自分の求める演技、特にトリプルアクセルの着氷を重視する」と語る姿勢は、強豪ひしめく日本女子の中で、失うもののない挑戦者としての強い意志を感じさせる。彼女のコーチも「失うものはない」と背中を押しており、この大舞台での飛躍が、今後のスケート人生を大きく左右するだろう。
経験と挑戦:坂本・千葉の戦略と五輪へのプレッシャー
日本女子の布陣は、中井選手だけでなく、ベテランの坂本花織選手と、成長著しい千葉百音選手の存在も欠かせない。
安定した演技力と表現力を持つ坂本選手は、SPに「Time To Say Goodbye」を選曲し、技術構成(3Lz FCSp 2A 3F-3T CCoSp StSq LSp)の正確性で高得点を狙う。一方、千葉選手はSP「Last Dance」で、3Aや高難度ジャンプを積極的に組み込み、オリンピックシーズンに向けた挑戦的な構成を披露する。
今大会は、来年の五輪を控え、選手たちがシーズン前半戦を通じて練り上げてきた戦略の集大成となる。特に、日本開催という地の利は得られるものの、オリンピック選考対象大会としての重圧は計り知れない。
厳格化する採点基準:技術と芸術性の両立が鍵
今季のフィギュアスケート界は、2025-26シーズンの採点基準変更により、技術的な正確性と芸術性の両立がより厳しく求められている。採点ガイドラインでは、スピン時のフライング評価の厳格化や、コレオグラフィック・シークエンスの「質的評価」が導入された。
これは、単に難度の高いジャンプを跳ぶだけでなく、音楽との融合や表現力の高さ、そしてすべての要素における技術的な正確性が、成績に直結することを意味する。坂本選手や千葉選手が表現力の向上に注力している背景には、こうした採点トレンドへの適応が不可欠となっているためだ。
中井亜美選手をはじめとする若手選手たちが、この新しい基準の下で、どこまで技術的な正確性と芸術性を高められるか。それが、世界のトップスケーターたちと競い合う上での大きな鍵となる。
展望:金曜夜の女子SPに注視
大会はまだ進行中であり、女子SPは5日夜、FS最終結果は6日に判明する見込みだ。テレビ朝日では、5日夜にシニア女子SPの模様が放送される予定であり、日本中のスケートファンがその行方を固唾をのんで見守ることになる。
グランプリファイナルという最高の舞台で、日本女子がどのような演技を見せ、五輪への切符を掴むのか。若き才能の躍動と、ベテランの意地が交錯する名古屋の氷上から、目が離せない。(2025年12月4日 専門記者団)