2025年12月22日、いよいよ押し迫った年末の足音とともに、エンターテインメントからスポーツ、さらには将来の暮らしに関わるニュースが数多く届いています。
お笑い界の勢力図が塗り替わる年末
現在、日本のバラエティ界を席巻しているのは2022年のM-1王者・ウエストランドです。井口氏の毒舌を武器に、テレビとネットを往来する多角的な戦略が功を奏し、2026年に向けてさらなる飛躍が期待されています[1]。一方で、伝説的コンビのアンタッチャブルも復活から5年を迎え、山崎氏と柴田氏の深まる絆が多くのファンを魅了しています[4]。
M-1グランプリそのものも、24年の歴史を経て大きな転換期を迎えています。審査員の若返りにより「漫才の定義」が進化し[3]、2025年大会では後藤輝基氏や駒場孝氏の加入により、伝統から革新へと評価の軸がシフトしました[23]。そんな中、令和ロマンが前人未到の三連覇に挑む戦略的アプローチに注目が集まる一方[40]、2024年準王者のバッテリィズは、露出増加と質の維持を優先し、あえて2025年大会に出場しないという新時代の芸人像を見せています[35]。また、今大会では「エバース」の町田氏と佐々木氏が、8年にわたる苦節を乗り越えて披露した職人技とも言える漫才が絶賛を浴びています[32][37]。コント界では、史上最多3449組の頂点に立ったロングコートダディが18代目王者として新たな時代を築いています[24]。
スポーツ界に刻まれる「新時代」の足跡
競馬界では歴史的快挙が続きました。12月29日の東京大賞典において、3歳馬のフォーエバーヤングが圧勝。2着、3着も若駒が独占し、30年ぶりとなる3歳世代による表彰台独占でダート新時代の到来を告げました[2]。さらに、年内最後の2歳G1・ホープフルステークスの出走馬も決定し、ショウナンガルフなど未来のスター候補18頭が激突します[15]。
大相撲では、豊昇龍が第74代横綱に昇進。「気魄一閃」の精神で新時代を牽引する王者の誕生に、地元・川越からも熱い声援が送られています[42]。バレーボール界では、大阪ブルテオンが世界クラブ選手権で日本勢初の決勝進出を果たし、石川祐希選手を擁するペルージャとの「日本人対決」という歴史的一戦に挑みます[11]。また、サッカー界では天才司令塔・柏木陽介氏の引退試合が開催され、本田圭佑氏や香川真司氏ら豪華メンバーがその有終の美を飾りました[21]。
芸能界の節目と、冬を彩る文化
2025年は、多くのスターが人生の節目を迎えています。本木雅弘氏[26]、山口智子氏[10]がそれぞれ還暦を迎え、変わらぬ輝きと挑戦し続ける姿勢が話題です。また、吉沢亮氏主演の映画『国宝』が興行収入142億円を突破し、邦画実写の歴史を塗り替える快挙を成し遂げました[17]。横浜流星氏も大河主演やアカデミー賞受賞など「2025年の顔」として不動の地位を築いています[27]。一方で、元AKB48の前田亜美氏による「仕事がありません!」という切実なSNS投稿は、芸能界の厳しい現実を浮き彫りにしました[13]。
冬の風習も欠かせません。冬至の「ゆず湯」は科学的効能と江戸の知恵が融合した文化として、今も人々の心身を癒やしています[33]。
暮らしと社会:安全と未来への備え
生活に直結する話題では、トヨタの「ルーミー」が2025年秋にハイブリッドを搭載し、アルファード風のデザインで刷新されることが判明し、期待が高まっています[43]。冬のドライブに際しては、給油口の凍結対策などセルフスタンドでの知識も重要となります[44]。
教育の現場では、東進が2026年度共通テストに向けてAIを活用した個別最適化演習を本格始動[14]。京都産業大学も大規模な組織改編を行い、地域と連携した実学教育を強化する方針を示しています[36]。政治・外交面では、南城市長選で大城憲幸氏が初当選し市政再建へ[9]、富士市長選では金指祐樹氏が初当選を果たしました[25]。
緊迫する国際情勢では、ウクライナのゼレンスキー大統領がトランプ政権主導の和平交渉を巡り、領土保全と支援維持の間で極めて困難な舵取りを迫られています[39]。
アニメ・ゲーム界の熱狂
『劇場版ハイキュー!!』が世界累計興収200億円を突破し、2027年の続編製作が決定[16]。さらに『チェンソーマン 刺客編』のアニメ化決定[22]や、『アオのハコ』第2期製作決定[30]など、ファン待望のニュースが相次ぎました。ゲーム界では『ウマ娘』にステイゴールドが電撃実装され[34]、シャドウバースではお笑い芸人・春日氏をモデルとしたカード「豪運の春日」が話題を呼んでいます[12]。
特撮では『仮面ライダーゼッツ』で「仮面ライダーノクス」が覚醒し、物語は衝撃の新展開へ[41]。年末の風物詩『SASUKE2025』は史上初の2夜連続放送が決定し、還暦の山田勝己氏から若き新星までが完全制覇に挑みます[5]。
最後に、ABEMAが年末年始に1000作品以上の無料開放キャンペーンを開始[6]、年末ジャンボ宝くじの1等前後賞8.5億円への期待も高まるなど[31]、お正月を前に家での楽しみが増える季節となりました。
なお、昨日トカラ列島近海で震度3の地震が発生しましたが、現時点で新たな群発化の兆候はなく、冷静な対応が求められています[18]。
遺伝子技術が変貌させる世界の「馬」産業:3000億ドル市場のフロンティアと倫理的課題
ニュース要約: 現代の「馬」産業は、OPU-ICSIや遺伝子編集技術の導入により、品種改良と競技パフォーマンスが飛躍的に向上し、未曽有の変革期を迎えている。馬業は世界で年間3000億ドルを生み出す巨大市場となり、英国が牽引する一方、中国などアジア市場が急成長。技術の進歩は倫理的な議論を呼ぶ中、日本を含む各国は持続可能な発展と産業構造の確立が求められている。
現代に駆ける「馬」:科学と経済が変貌させる古の盟友
遺伝学と先端技術が牽引する馬産業のフロンティア
(2025年12月5日 日本経済新聞/共同通信 経済・科学部)
年の瀬を迎え、競馬ファンが熱戦の余韻に浸りつつ、来たる2026年春季の競走馬シーズン展望に期待を寄せる中、世界の「馬」産業は、未曽有の技術革新と巨大な経済的波を背景に急速な変貌を遂げている。特に、生命科学分野における進歩は、長年培われてきた馬の品種改良の常識を根底から覆しつつある。
世界には、卓越したスピードを持つサラブレッド(純血馬)をはじめ、アラブ馬やモンゴル馬など、多様な品種がそれぞれの歴史と特性を継承している。その中でも、現代の馬術や競馬を支える繁殖技術は飛躍的な進化を遂げている。従来の人工授精を凌駕するOPU-ICSI(卵胞穿刺採卵・単一精子注入)などの高度な補助生殖技術が導入され、高価値の種牡馬や繁殖牝馬から効率よく優れた胚を得ることが可能となり、遺伝的質の向上と繁殖効率の最大化が進んでいる。
さらに注目すべきは、遺伝子編集技術の応用である。2024年末には、アルゼンチンで世界初の遺伝子編集された「馬」が誕生し、業界に衝撃を与えた。これは、筋肉の成長を抑制する遺伝子を編集することで、爆発的な運動能力の強化を目指したものであり、馬の競技パフォーマンスを劇的に高める可能性を秘めている。
しかし、この先端技術の導入は、深刻な倫理的議論と産業構造上の課題を提起している。遺伝子編集によって能力を人為的に操作された馬を、伝統的な「純血馬」として認定すべきか否か。また、競技における公平性の確保や、馬の生態系全体への影響など、議論は多岐にわたる。一方で、現代馬産業は、科学的飼育管理や高度な獣医療技術の導入により、遺伝性疾患や感染症のリスクを低減し、繁殖から訓練、そして引退後の生活に至るまで、「馬」の福利保障の向上にも力を注いでいる。
3000億ドル市場の構造:英国の成熟とアジアの台頭
「馬」が古代より戦場や交通の要として、また文化や民族精神の象徴として人類と深く関わってきた事実は揺るがない。現代においても、馬術はオリンピック種目として人馬一体の競技性を追求しつつ、高雅なスポーツとして欧州の騎士文化を継承している。
しかし、その文化的な側面以上に、現代の馬産業が持つ経済的影響力は計り知れない。馬業はグローバルで年間3000億米ドル(約45兆円)もの直接経済効果を生み出し、世界全体で160万人の雇用を創出する巨大産業へと成長した。地域別に見ると、欧州が1330億ドル、米国が1020億ドルと市場を牽引している。
特に英国は、その成熟した産業モデルで知られる。年間35億ポンド超の経済効果を生み出す英国の「馬」産業は、サッカーに次いで参加者数第2位の競技スポーツとしての地位を確立。馬主と競馬場が産業を牽引し、農耕市場に次ぐ国内第2位の農業関連産業としての強固な基盤を築いている。
一方、アジア市場、特に中国の成長は著しい。現在の市場規模は15.8億米ドルに留まるものの、国内の馬会(クラブ)の数は2010年の90から2017年には1400へと爆発的に増加しており、今後の主要な市場拡大の牽引役と目されている。中国政府は2020年に「全国馬産業発展計画(2020-2025年)」を策定し、2025年までに現代馬産業の枠組みを確立し、「馬業+」という複合モデルを通じて、一二三次産業の融合を目指す戦略を明確に打ち出している。
日本が直面する課題と未来への視座
日本においても、競馬を中心とした「馬」産業は国民的な娯楽として定着し、大きな経済循環を生み出している。しかし、グローバルな視点で見ると、アジア市場の急速な成長と先端技術の導入競争の中で、いくつかの課題が浮き彫りになる。
例えば、中国市場が直面する課題は、日本にも通じる側面がある。競技用となる純血馬の供給が国外依存度が高く、市場の需要に見合う国産スポーツ馬の育成が不足している点だ。また、馬産業の経済価値を最大化する下流部門、すなわちサービス業、金融支援、そして博彩(ベッティング)などの領域が、国際的な先進国と比較して未成熟な段階にある。
「馬」は、古代の奮闘の象徴から、現代のハイテクスポーツ、そして巨大なグローバル産業へとその役割を変遷させてきた。この歴史と未来が交錯する時代において、日本を含む世界の馬産業界は、遺伝子技術の恩恵を受け入れつつも、生命倫理と競技の純粋性をどのように守り、持続可能な発展を遂げていくのか、その道筋が強く問われている。