【衝撃】フェイエノールトがNECに2-4逆転負け 首位陥落の危機 上田・渡辺フルも塩貝健人が劇的2ゴール

【欧州サッカー】フェイエノールト、NECに痛恨の逆転負け 首位陥落の危機 上田・渡辺フル出場も及ばず

エールディヴィジ第13節、日本人対決に沸いた一戦の衝撃

2025年11月23日、オランダ・エールディヴィジは、リーグ首位を走るフェイエノールトが本拠地デ・カイプにNECナイメーヘンを迎えた第13節で、今季屈指の波乱に見舞われた。日本代表FW上田綺世とDF渡辺剛を擁し、優勝戦線を牽引してきたフェイエノールトだったが、壮絶なシーソーゲームの末、2対4でNECに逆転負けを喫した。この結果、フェイエノールトは首位の座から陥落する可能性が高まり、エールディヴィジのタイトル争いは一気に激化の様相を呈している。

この「フェイエノールト 対 nec」の一戦は、両チームの攻撃的な姿勢がぶつかり合い、予測不能な展開となった。試合は前半37分、NECのブライアン・リンセンのゴールで均衡が破れる。しかし、フェイエノールトも前半アディショナルタイムにレオ・ザウアーが同点弾を叩き込み、1-1でハーフタイムを迎えた。

後半に入ると、フェイエノールトがエースの意地を見せる。56分、バルト・ニューコープがゴールを決め、ついに逆転に成功。デ・カイプのサポーターは勝利を確信したかのように沸き上がった。この時点で、フェイエノールトのアドバンテージは確立されたかに見えた。

NEC塩貝、劇的な2ゴールで試合を決定づける

しかし、今日のNECは粘り強かった。69分、再びバルト・ニューコープがNECの同点ゴールを挙げ、試合は振り出しに戻る。そして、この試合のヒーローとなったのが、NECの日本人選手、塩貝健人だった。

試合終盤の84分、塩貝が値千金のゴールを決め、NECが3-2と再逆転。そして、アディショナルタイム（90+1分）、塩貝は勝利を決定づけるロングシュートを突き刺し、フェイエノールトの反撃の芽を完全に摘み取った。塩貝は後半だけで2ゴールを挙げるという、目覚ましい活躍を見せ、この「フェイエノールト 対 nec」の対戦において、最も輝いた選手となった。

最終スコアは2-4。攻撃力に定評のあるフェイエノールトが、ホームで4失点を喫するという、まさかの結果となった。

上田綺世、渡辺剛の奮闘とチームの守備課題

フェイエノールトにとって、この敗戦はリーグ戦の行方を大きく左右する可能性がある。チームの中核を担う日本人選手たちは、この日もフル出場で奮闘を見せた。

FW上田綺世は、今シーズンここまでエールディヴィジで13ゴールを挙げ、得点ランキングのトップを走るチームのエースだ。彼はもともとベルギーのセルクル・ブルッヘから移籍後、当初は結果が出ずに批判も浴びたが、現在はチーム攻撃の柱として不可欠な存在となっている。この試合でも、彼は常に前線で体を張り、チャンスメイクに貢献したが、結果としてチームを勝利に導くことはできなかった。

一方、DF渡辺剛は、今夏にヘントから加入して以来、守備の要としてセンターバックのポジションに定着し、チームの連勝を支えてきた。日本代表でも活躍する渡辺は、この日も守備組織を統率しようと試みたが、NECのカウンターアタックと終盤の集中力の低下を前に、4失点を防ぎきることはできなかった。

フェイエノールトは、1試合平均2.42ゴールというリーグ屈指の攻撃力を誇る一方で、1試合平均1.67失点という守備の不安定さが課題として指摘されてきた。この「フェイエノールト 対 nec」戦は、まさにその弱点を突かれた形だ。NECの戦術はシンプルながらも有効で、フェイエノールトのハイラインを突くカウンターと、終盤の集中力の高さが勝利の鍵となった。

首位争い激化、立て直しが急務

この敗戦により、フェイエノールトは、リーグ首位の座を明け渡す可能性が高まり、ライバルチームとの差が詰まることとなった。上田、渡辺ら日本人選手が複数在籍し、日本国内でも高い注目度を誇るフェイエノールトにとって、この痛手は大きい。

今後の過密日程を乗り切るためには、まず守備の組織力を早急に立て直す必要がある。特に、渡辺を中心とした最終ラインが、攻撃陣の奮闘を活かせる安定感を取り戻せるかが、シーズン後半戦の命運を握るだろう。

日本人選手の活躍が光るエールディヴィジだが、この「フェイエノールト 対 nec」での塩貝の劇的な活躍は、リーグ全体のレベルの高さと、日本人選手の層の厚さを改めて示す結果となった。フェイエノールトは、この挫折を糧に、再びリーグの頂点を目指すことができるのか。その動向に、引き続き注目が集まる。