【5年ぶり日本一】ホークス優勝パレード、28万人が沸いた福岡の熱狂と313億円の経済効果

【独自】5年ぶり歓喜、福岡を染めた「鷹の祭典」— 28万人が沸いたホークス優勝パレード、ペイペイドームから街へ

（福岡発 2025年11月23日 共同通信）

福岡ソフトバンクホークスがパ・リーグ優勝、そして5年ぶりの日本シリーズ制覇という快挙を達成したことを祝い、福岡市中心部では24日（月・祝）、壮大なスケールで「2025年ホークス優勝祝賀パレード」が開催された。土居通り交差点付近から平和台交差点までの約2.3km、明治通り一帯を舞台にしたこのホークス パレードには、推定28万人ものファンが沿道を埋め尽くし、街全体が歓喜の「ホークスカラー」に染まった。福岡の熱狂は、単なるスポーツイベントを超え、地域経済に数十億円規模の波及効果をもたらす一大消費イベントとしての側面も強く示している。

5年間の空白を埋めた熱狂の渦

午前11時、パレードは多くのファンが待ちわびる中、小雨が降る予報をものともせずスタートした。小久保裕紀監督を先頭に、主砲の柳田悠岐選手、近藤健介選手、そして今季活躍を見せた山川穂高選手らがオープンカーやオープントップバスに分乗し、沿道のファンに満面の笑みで手を振った。

5年ぶりとなる「日本一」の栄冠。その喜びを直接分かち合おうと、早朝から場所取りをするファンの姿が目立った。福岡市中心部の主要道路である明治通りは、規制時間（午前9時～12時半頃）前からオレンジ色のグッズを身に着けた市民で埋め尽くされ、選手の名前を呼ぶ歓声が響き渡った。

沿道で声援を送った30代の女性ファンは「子供の頃から応援しているが、こんな熱気は初めて。5年分の感動が一気に押し寄せてきて涙が出た」と語り、また別の20代の学生は「選手たちが笑顔で手を振ってくれた。街全体の一体感が、福岡の誇りだと改めて感じさせてくれた」と興奮冷めやらぬ様子で語った。

ペイペイドームと一体化した祝祭空間

今回のホークス優勝パレードのルートは、チームの本拠地であるペイペイドーム（みずほPayPayドーム福岡）からやや離れた明治通りが中心となったが、イベント全体はドームを核として構成されている。パレードの熱狂が冷めやらぬ中、選手や監督はパレード終了後、速やかにペイペイドームへと移動し、「ファンフェスティバル2025」を開催。ドーム内でも、改めてファンへの感謝のスピーチが行われ、球場と街が一体となった祝祭空間が演出された。

ドームでの祝賀会では、選手たちが「ファンの声援が力になった」「福岡の熱気が背中を押してくれた」と感謝を述べた。特に、日本一決定の瞬間をドームのパブリックビューイングで共有したファンからは、「ドームで見た感動が、街に広がっていくのを感じた」という声が多く聞かれ、ホームグラウンドであるpaypayドームが、喜びの源泉であることを再認識させた。

経済効果300億円超、地域活性化の起爆剤

このホークス パレードの成功は、単にファンとチームの絆を深めるだけでなく、福岡地域の経済に多大な貢献を果たしている。

福岡県が発表した最新の試算によると、2025年のホークス優勝に伴う経済波及効果は、優勝記念セールやポストシーズン（クライマックスシリーズ・日本シリーズ）のドーム開催消費、そして今回のパレード観客消費を合わせて、総額で約313億円に達すると見込まれている。

特にパレード単体で見ても、沿道に集まった約32万2千人の観客による交通費、飲食費、土産代などの直接消費額は約45.8億円と試算されている。この消費は、規制が行われた福岡市内中心部の商店街や交通機関の売上増に直結し、地域経済の活性化に大きく貢献した。

ホークスの快挙は、paypayドームでの試合開催がもたらす年間を通じた経済効果に加え、優勝という非日常的なイベントによって、県外からの観光客誘致と消費を促す起爆剤となっている。

福岡の誇りを胸に

5年ぶりの日本一パレードは、福岡市に住む人々にとって、単なる野球の勝利以上の意味を持った。それは、地元球団への愛と、地域全体が一体となって成功を祝う「福岡の誇り」の再確認であった。

ペイペイドームを拠点に、熱狂を街全体に広げた選手たちの笑顔と、それに呼応するファンの歓声は、来季への期待感を高めるとともに、ホークスが地域社会にとって不可欠な存在であることを改めて示した。（了）