ECLリーグフェーズ大混戦！守備の要・渡辺剛が躍動、鎌田大地は勝負所へ

混戦極めるECLリーグフェーズ、渡辺剛が守備の要　鎌田大地は勝負所での起用待つ

【フランクフルト共同】 2025-26シーズンのサッカー、**UEFAヨーロッパカンファレンスリーグ（ECL）**は、新方式である「リーグフェーズ（スイス方式）」が終盤を迎え、決勝トーナメント進出をかけた熾烈な争いが繰り広げられている。特に、欧州の舞台で奮闘する日本人選手たちの活躍は目覚ましく、彼らが所属するチームの動向が連日注目を集めている。

11月28日現在、リーグフェーズは佳境に入り、上位8チームが決勝トーナメント（ラウンド16）に直行し、9位から24位のチームがプレーオフに進出するという新たな制度の下、各クラブは文字通り一戦必勝の戦いを強いられている。

緊迫の直行圏争いと新方式の難しさ

今季から導入されたスイス方式は、従来のグループステージとは異なり、全36チームが一つのランキングボードで順位を競うため、一試合の重みが格段に増している。11月27日時点の暫定順位では、サムスンスポル（トルコ）、ツェリエ（スロベニア）、マインツ（ドイツ）などが上位を占め、決勝トーナメント直行圏を確保しつつある。

注目すべきは、8位のフィオレンティーナ（イタリア）から9位以下のプレーオフ圏チームとの差がわずかである点だ。特に、7位ストラスブール（フランス）と9位クリスタル・パレス（イングランド）の順位を巡る攻防は、最終節まで目が離せない状況となっている。この両チームの直接対決は、直行圏とプレーオフ圏の境界線を決定づける重要なカードとして位置づけられており、その結果が今後のトーナメントの道筋を大きく左右する。

このヨーロッパカンファレンスリーグのリーグフェーズを勝ち抜いた24チームは、年明けの2026年2月からプレーオフに突入し、最終的に5月27日にドイツ・ライプツィヒで開催される決勝を目指すことになる。

渡辺剛、ヘントの「壁」として躍動

今季のECLで最も安定したパフォーマンスを発揮し、チームの基盤を支えている日本人選手は、ヘント（ベルギー）に所属するDF渡辺剛選手だ。渡辺はリーグフェーズの全6試合で先発出場を続け、出場時間は540分に迫る。堅実な守備に加え、セットプレーから貴重な1得点を記録するなど、攻守両面でヘントの勝ち点獲得に大きく貢献している。

ヘントは現在、上位グループに位置しており、渡辺の安定した守備力がグループステージ突破、さらには上位8チーム入りを目指す上での最大の武器となっている。同じくヘントでプレーするMF伊藤敦樹選手も中盤のバランス役として複数試合に出場しており、ベルギーの古豪を日本人コンビが牽引している構図だ。

鎌田大地、限られた時間で創造性を発揮できるか

一方、イングランドのクリスタル・パレスでプレーするMF鎌田大地選手は、チームが9位とプレーオフ圏内で奮闘する中、出場機会を模索している。鎌田選手はここまでリーグフェーズの試合でベンチスタートが続き、第4節のストラスブール戦でも後半途中からの出場に留まった。

クリスタル・パレスは2勝1敗（勝ち点6）と好調を維持しているものの、鎌田選手の本来持つ攻撃的な創造性が完全に発揮されているとは言い難い状況だ。しかし、チームが直行圏入りを目指す上で、経験豊富な鎌田選手のパスセンスやゲームメイク能力は不可欠であり、トーナメントが近づくにつれて、勝負どころでの起用が増加することが期待される。

多様な欧州リーグで奮闘する若手たち

渡辺、鎌田の両選手以外にも、今季のヨーロッパカンファレンスリーグには多くの日本人選手が名を連ねている。

スコットランドのハーツではFW小田裕太郎選手が前線で攻撃の起点となり、デンマークのブレンビーIFではMF福田翔生選手と内野航太郎選手が、中盤の連携プレーに貢献。さらに、ポーランドのヤギエロニアではDF小林友希選手とMF広澤灯喜選手がチームの守備と攻撃のバランスを保ち、アルメニアのFCノアではMF大島拓登選手が奮闘するなど、欧州全土の多様なリーグで日本人選手たちがECLという舞台で経験を積んでいる。

これらの選手たちの活躍は、それぞれのチームがプレーオフ進出、そしてその先のラウンド16を目指す上での鍵となる。リーグフェーズの最終局面を迎え、日本人選手の所属チームがどの位置でトーナメントに進むのか、その動向から目が離せない。欧州の舞台で躍動する「サムライたち」の挑戦は、これからが本番だ。