祝30年！世界最長飼育「ジンタ」と迫力の黒潮の海 美ら海水族館の冬休み特別企画

【深層】世界最長飼育30年「ジンタ」に会う冬休み 美ら海水族館、学術と娯楽を両立する「美ら海スペシャル」

導入：年末年始を彩る「美ら海」の特別企画

沖縄県国頭郡本部町に位置する沖縄美ら海水族館は、年末年始の家族旅行シーズンを控え、2025年12月1日から2026年1月12日にかけて、「海洋博美ら海冬休みスペシャル」と題した特別イベントを実施する。世界最大級の魚類であるジンベエザメの長期飼育記録を更新し続ける同水族館は、単なる観光施設としてだけでなく、海洋生物の研究拠点としての地位も確立しており、この冬休みも教育と娯楽を融合させた多様なプログラムを提供する。

「黒潮の海」の迫力と世界最長記録の更新

美ら海水族館最大の魅力は、やはり7,500m³を誇る「黒潮の海」大水槽だ。ここでは、巨大なジンベエザメやナンヨウマンタが悠々と泳ぐ姿を間近で観察できる。特に注目すべきは、水族館のシンボルであるジンベエザメ「ジンタ」の存在だ。ジンタは、1995年の飼育開始から2025年3月で30年を達成し、世界で最も長く飼育されているジンベエザメとして、現在もその記録を更新中である。

水族館は、ジンタの長期飼育を記念した「旅するジンタプロジェクト」を展開し、長年の飼育を通じて得られた、ジンベエザメの生態や健康維持に関する貴重な学術的知見を来館者に広く共有している。また、同水族館は、国内では数少ないナンヨウマンタの飼育施設であり、世界初の繁殖成功施設としても知られており、その高度な飼育技術は国内外の研究者から高い評価を得ている。

来館者は、水槽を真上から見下ろすことができる「黒潮探検（水上観覧コース）」や、食事をしながら鑑賞できるレストランなど、多様な角度からこの壮大な生態系を体感できる。

家族連れを魅了する冬の特別イベント

冬休み期間中、美ら海水族館では、家族連れを主な対象とした教育的かつ娯楽性の高いイベントが目白押しだ。

オキちゃん劇場では、12月6日より「Winter Show」が開催される。クリスマスやお正月の雰囲気に合わせた音楽と小道具を用い、イルカたちがダイナミックなジャンプや息の合ったパフォーマンスを披露する。このショーは子どもたちに特に人気が高く、美ら海水族館の象徴的なイベントの一つとなっている。

さらに、新年の幕開けとなる2026年1月1日からは、「お正月水槽」が期間限定で登場する。新年にふさわしい華やかな生き物たちが展示され、来館者にお正月気分を盛り上げる演出が施される予定だ。

また、2025年の干支「巳」にちなんだ特別展示として、ウミヘビや爬虫類に焦点を当てた展示も実施され、生物の脱皮や生命力といったテーマを通じて、子どもたちの学習意欲を刺激する。12月20日からは、限定の「美ら海トレーディングカード」のプレゼント企画も実施され、子どもたちの収集欲をくすぐる。

海洋保全とサンゴ研究の最前線

美ら海水族館の活動は、展示やイベントに留まらない。沖縄美ら島財団が運営する同施設は、海洋環境保護に大きく貢献しており、特にサンゴの保全と繁殖技術の開発においては世界をリードしている。2024年には、水槽の照明環境を調整することで、日中に生まれたサンゴが再度日中に産卵するという世界的な成果を挙げ、サンゴの産卵生態の解明と、自然環境への負荷を抑えた生態展示の実現に貢献した。

また、環境省の認定希少種保全動植物園等として、アカウミガメやハクジラ類などの希少海洋生物の保全研究を継続的に実施。海洋ゴミ問題への啓発活動や、ビーチクリーンボランティアの定期開催、地域学校との連携による海洋教育も積極的に推進しており、来館者に対し「ゴミを出さない」「捨てない」といった環境意識の向上を図っている。

広大な海洋博公園の利用と沖縄観光の拠点

美ら海水族館は、広大な国営「海洋博公園」の一部であり、公園全体を活用することで、より充実した沖縄観光が可能となる。園内には、美しいエメラルドビーチや、熱帯ドリームセンター、海洋文化館など多様な施設が点在している。

公園の広大さを考慮し、園内を巡るための電気遊覧車が運行されており、家族連れや高齢者にとって便利な移動手段となっている。水族館と周辺施設を組み合わせることで、「海」「自然」「文化」の三要素をバランスよく体験できるのが、海洋博公園の大きな魅力だ。

この冬休み、美ら海水族館は、世界レベルの研究成果と、心躍るイベントを通じて、訪れる人々に沖縄の豊かな海の魅力を深く伝える拠点となるだろう。