【速報】千葉百音、GPシリーズ全体トップでGPFへ！日本女子が2018年以来の「3枠快挙」達成

【速報】フィギュアスケート グランプリシリーズ2025：千葉百音、シーズン全体トップでファイナルへ。日本女子、3枠獲得の快挙

2025年11月23日、フィギュアスケート グランプリシリーズの最終戦となるフィンランド大会（フィンランディア・トロフィー）がヘルシンキで閉幕し、女子シングルでは日本の千葉百音選手（20、木下グループ）がショートプログラム（SP）2位からの逆転で優勝を果たした。先に制した第3戦カナダ大会に続き、GPシリーズ2連勝という圧倒的な強さを見せ、シリーズ全体トップの成績で12月のグランプリファイナル（GPF、愛知・名古屋）進出を決めた。

男子シングルでも鍵山優真選手（オリエンタルバイオ・中京大）が逆転優勝を飾り、日本勢は男女ともに最終戦で躍動。特に女子は、千葉選手に加え、坂本花織選手（シスメックス）、渡辺倫果選手（TOKIOインカラミ）の3名がGPファイナルへの出場権を獲得。日本女子が同大会で3枠を確保するのは2018年以来の快挙となり、2026年ミラノ・コルティナ五輪を見据えた今季、日本の国際的な競争力の高さを示す結果となった。

安定感際立つ演技で217点台を記録

フィギュアスケート速報によると、千葉百音選手はフィンランド大会のフリースケーティング（FS）で144.33点をマークし、総合217.22点で頂点に立った。この点数は、今季の自己ベストに迫る高得点であり、ジャンプ7本をしっかりと成功させるなど、ミスの少ない安定した演技が光った。

今季のFSプログラムは『ロミオとジュリエット』。演技後半、わずかな回転不足が2つ見受けられたものの、表現面での成熟度が増し、観客を惹きつける力強さがあった。GPシリーズでの安定した戦いぶりは、2025年世界選手権銅メダル、2024年四大陸選手権優勝といった過去の実績を裏付けるものであり、名実ともに日本女子の次世代エースとしての地位を確立しつつある。

また、同大会では、松生美空選手（中京大）が3位に入り、表彰台に日本選手が2名登る結果となった。男子では、鍵山優真選手がSP3位から意地の逆転劇を演じ、日本勢の好調ぶりを印象づけた。

GPファイナル3枠獲得が持つ意味

千葉百音選手が全体トップで牽引する形で実現した日本女子のGPファイナル3枠獲得は、単なる結果以上の大きな意味を持つ。

第一に、国際的な層の厚さの証明である。五輪シーズンを翌年に控えた今季、世界的な強豪がひしめく中で3名がファイナルへ進出したことは、日本女子フィギュアスケートの選手層の充実ぶりと、国際舞台で常にメダル争いに絡む競争力の高さを如実に示すものだ。

第二に、五輪代表選考への影響である。GPファイナルの結果は、五輪代表選考において極めて重要な要素となる。坂本選手、渡辺選手、そして勢いに乗る千葉選手が、地元開催という地の利を活かし、世界のトップスケーターを相手にどのような演技を見せるかによって、今後の選考レースの行方が大きく左右されることになる。

地元名古屋での初優勝へ、残された課題

千葉百音選手の今季のプログラムは、SPに「Last Dance」、FSに『ロミオとジュリエット』を採用し、技術点と演技構成点（PCS）の両面での完成度を高めている。本人は「五輪シーズンに向けて、ジャンプの安定性と精神面の強化が課題」と語るように、完璧な演技構成を目指す上での細かな修正は依然として求められている。特に、トップ争いでは回転不足のわずかなミスが順位を分けるだけに、GPファイナルまでの調整期間で、より確実なジャンプの成功率向上が急務となる。

2連勝という最高の形でGPシリーズを終えた千葉選手。次なる舞台は、12月4日から7日にかけて愛知・IGアリーナで開催されるグランプリファイナル2025だ。

日本開催となるこの大舞台で、勢いそのままに初のGPファイナル優勝を飾ることができるのか。そして、日本女子フィギュアスケート勢が表彰台を独占する快挙を成し遂げられるのか。五輪イヤーを前に、日本中がその戦いに熱い視線を送っている。