アビスパ福岡2025総括:堅守で残留も深刻な得点力不足、金監督続投で問われる「攻め勝つ」変革
ニュース要約: アビスパ福岡は2025年シーズンを12位で終え、J1残留を果たした。金明輝監督体制下で堅守は維持されたが、総得点33点の深刻な得点力不足が上位進出を阻む形となった。クラブは金監督との契約を延長し、守備の基盤を維持しつつ、見木・名古らを補強。来季は「攻め勝つ」チームへの変革と攻撃の多様化が急務となる。
堅守アビスパ福岡、J1残留も上位定着への課題露呈 2025年シーズン総括:金体制継続で問われる攻撃の多様性
【福岡・2025年11月30日 共同通信】
アビスパ福岡は30日、ホームのベスコスタジアムでJ1リーグ最終戦となる第36節に臨み、ガンバ大阪に0-1で惜敗した。今季の最終順位は12位(11勝13敗12分、勝ち点45)となり、目標であった4年連続のJ1残留は達成したものの、シーズンを通じて深刻化した得点力不足の課題を解消できぬまま幕を閉じた。クラブは既に金明輝監督との契約を2026年まで延長しており、来季は安定した守備組織を土台にしつつ、上位進出(ACL圏内)を目指すための攻撃力強化が急務となる。
堅守で掴んだ残留、代償は「引き分け」の多さ
最終戦となったG大阪戦は、前半から互角の展開を見せたが、終盤に失点を喫し、ホーム最終戦を勝利で飾ることはできなかった。この試合で露呈したのは、今シーズンを象徴するアビスパ福岡のジレンマだ。
2025年シーズンの成績を見ると、総失点は37とリーグ全体で見ても上位に位置する堅守を誇った。これは金明輝監督体制下で構築された強固な守備組織と、主将の奈良竜樹選手らを中心とした高い集中力の賜物と言える。しかし、一方で総得点はわずか33点とリーグ下位クラスに留まり、得失点差はマイナス4となった。
この得点力の低さは、勝ち点に直結する課題となった。今季は12引き分けを記録しており、これはリーグで最も多い部類に入る。粘り強く勝ち点を拾う「粘り強さ」は評価できるものの、あと一歩のところで勝ち点3を逃す試合が頻発した結果、最終的な順位は中位圏の12位に落ち着いた。クラブが掲げた「上位進出」の目標は未達成に終わり、堅守の代償として攻撃の停滞が浮き彫りとなった形だ。
金監督続投の背景と来季への布石
クラブはシーズン終盤の11月21日、金明輝監督の2026年シーズンまでの契約更新を発表した。これは、4年連続J1残留という安定した成績と、若手育成への取り組みを評価した結果である。監督は続投により、守備の継続性と、若手主体のチームへの移行を加速させることが期待される。
しかし、来季上位進出を果たすためには、守備の安定だけでは不十分だ。特にFW陣の奮起、そして攻撃の多様化が求められる。今季はシャハブ・ザヘディ選手やウェリントン選手らが攻撃を牽引したが、得点源が限定的であった感は否めない。
移籍市場の動向:主力流出と攻撃陣のテコ入れ
シーズン終了に伴い、チームの陣容にも変化が見られる。守備の要であったドウグラス・グローリ選手、ベテランの柏好文選手(現役引退)や茨田陽生選手らが契約満了でチームを離れることが確定している。特にグローリ選手の穴埋めは急務だ。
一方で、中盤の核である紺野和也選手、DFの奈良竜樹選手らは契約を更新し、チームの骨格は維持される見込みだ。さらに、来季を見据えた補強として、見木友哉選手(MF)や名古新太郎選手(MF)ら、攻撃にアクセントを加えられる選手の加入が既に発表されており、アビスパ福岡が攻撃陣のテコ入れに注力していることが窺える。
2026年シーズンに向けた展望
アビスパ福岡が2026年シーズン、真にACL出場圏内(上位6位以内)を視野に入れるためには、得点力を現行の33点から40点台に乗せることが最低条件となる。
金明輝監督体制の継続は、守備の基盤を揺るがさないという点で大きなメリットがある。しかし、その安定性を攻撃の爆発力へと転化できるか否かが、来季の成功の鍵を握る。若手の台頭を促しつつ、新加入選手をいかに組織的な攻撃パターンに組み込むか。2025年シーズンの堅守を土台に、アビスパ福岡は「守り勝つ」から「攻め勝つ」チームへの変革を迫られている。クラブはオフシーズンを通じて、課題解決に向けた戦略的な補強とチーム再編を進めることになるだろう。