アトレティコ、インテルのCL連勝を阻止！ヒメネス劇的決勝弾で2-1勝利

欧州最高峰の舞台で再び火花：アトレティコ、インテルの連勝を阻止

シメオネ采配が堅守を凌駕、ヒメネスが劇的決勝弾

【マドリード発：2025年11月27日 共同】

UEFAチャンピオンズリーグ（CL）2025-26シーズン、リーグフェーズ第5節において、アトレティコ・マドリード（アトレティコ）は本拠地ワンダ・メトロポリターノでインテル・ミラノ（インテル）を迎え撃ち、2-1で劇的な勝利を収めた。この結果、インテルがリーグフェーズで続けていた連勝記録は「4」でストップし、アトレティコが欧州の舞台で存在感を改めて示した形となった。

この一戦は、昨季CLファイナリストであるインテルと、戦術家ディエゴ・シメオネ監督率いるアトレティコという、欧州最高峰の舞台における屈指の好カードとして、戦前から大きな注目を集めていた。

堅守インテルを崩したアトレティコのハイブリッド戦術

試合は序盤からダイナミックな展開となった。アトレティコは前半9分、FWフリアン・アルバレスがゴール前のこぼれ球を押し込み、早々に先制点を奪取。シメオネ監督が採用する4-4-2を基本としつつ、ポゼッションによって3-5-2へと柔軟に移行するハイブリッド戦術が、インテルの堅固な守備ブロックに対し、効果的な揺さぶりをかけた。

対するインテルは、今季もリーグ戦で近12試合無敗を維持するなど、その守備の安定性には定評がある。しかし、この日はアトレティコの積極的なプレースタイルに押され、前半は主導権を握りきれなかった。

後半に入ると、インテルが猛攻を開始。54分にはポーランド代表MFピオトル・ジエリンスキが同点ゴールを決め、試合は1-1の振り出しに戻った。インテルはキャプテンのラウタロ・マルティネスを中心に攻撃を活性化させ、一時は試合の流れを完全に掌握した。

しかし、勝負を決めたのはセットプレーだった。同点とされた直後、アトレティコは左コーナーキックを獲得。元フランス代表FWアントワーヌ・グリーズマンが蹴り込んだアウトスイングのボールに、DFホセ・マリア・ヒメネスが頭で合わせ、勝ち越しゴールを奪った。ヒメネスの今季初ゴールは、チームに公式戦6連勝をもたらす貴重な決勝弾となった。

エース対決の明暗：グリーズマンの貢献度とラウタロの焦燥

この「アトレティコ 対 インテル」の対決は、両チームのエースストライカー、グリーズマンとラウタロ・マルティネスの調子を測る試金石でもあった。

グリーズマンは、今季CLでは得点数こそ1ゴールと伸び悩んでいるものの、この試合では決勝点のアシスト役を務めるなど、攻撃の起点としての貢献度は極めて高い。ラ・リーガでも得点感覚を回復させており、シメオネ監督の戦術における不可欠な存在であることを改めて証明した。

一方、インテルの主将ラウタロ・マルティネスは、チームが同点に追いついた後も決定機を逃す場面が目立ち、無得点に終わった。欧州で最も得点力のあるチームの一つと称されるインテルにおいて、ラウタロの直近の調子の不安定さは、今後のCL戦線における課題として残る。

なお、今季CLの得点ランキングでは、アトレティコのマルコス・ジョレンテとフリアン・アルバレスが3ゴールでチームを牽引しており、層の厚さもアトレティコの強みとなっている。

因縁の再戦：2024年R16の激闘を乗り越えて

今回の勝利は、アトレティコにとって単なる勝ち点3以上の意味を持つ。両チームは2024年3月にもCLラウンド16で激突しており、その際は延長戦を経てPK戦までもつれ込む歴史的な激闘を繰り広げた。

2024年の激闘では、アトレティコの守護神ヤン・オブラクがPKを2本ストップし、インテルのラウタロが最終キッカーとしてまさかの枠外へ外すという劇的な幕切れだった。ラウタロはその時のPK失敗を乗り越える強い意欲を持って今節に臨んだとされるが、今回もアトレティコ守備陣の組織性の前に沈黙を強いられた。

シメオネ監督は、この因縁深い「アトレティコ 対 インテル」の再戦を制したことで、戦術的な優位性と、チームの精神的な強さを再び証明したと言える。公式戦6連勝を記録したアトレティコは、リーグフェーズ突破に向け、勢いを加速させている。（了）