【CL深層分析】新興アタランタ、伝統のチェルシーを撃破!デ・ケテラーレの劇的弾でラウンド16へ王手
ニュース要約: UEFAチャンピオンズリーグ第6節、アタランタがホームで強豪チェルシーに2-1で劇的な逆転勝利を収めた。前半に先制を許すも、後半にスカマッカが同点弾を決め、終盤にはMOM級の活躍を見せたデ・ケテラーレが決勝ゴールを突き刺した。この勝利でアタランタはCL3連勝を飾り、ラウンド16進出へ大きく前進。一方、チェルシーは今季CL2敗目でグループ突破へ厳しい状況に追い込まれた。
【CL深層分析】新興アタランタ、伝統のチェルシーを撃破——デ・ケテラーレの劇的弾でラウンド16へ王手
欧州の舞台で新たな潮流:勢い止まらぬアタランタ、伝統強豪を凌駕
【ベルガモ共同】2025年12月9日(日本時間10日)、欧州サッカーの最高峰、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)リーグフェーズ第6節が行われ、イタリアのアタランタ(アタランタBC)がホームのゲヴィス・スタジアムでイングランドの強豪チェルシーFCを迎え撃ち、2対1で劇的な逆転勝利を収めた。この結果、アタランタはCLで3連勝を飾り、暫定3位に浮上。次ラウンドとなるラウンド16(決勝トーナメント)へのストレートインが現実味を帯びてきた。一方、チェルシーは今季CLで2敗目を喫し、グループ突破に向けて厳しい状況に追い込まれている。
今回のアタランタ 対 チェルシー戦は、近年の欧州舞台で台頭する新興勢力と、長年タイトルを争ってきた伝統的強豪との激突として注目を集めていた。試合は、両チームの戦術的特徴が色濃く出た白熱の攻防となった。
前半の堅守速攻、後半の猛攻:戦術の明暗
試合の主導権を握ったのは、前半のチェルシーだった。組織的な守備でアタランタの攻撃を封じ込めつつ、サイドからの効果的な攻撃を展開。前半25分、DFリース・ジェイムズからの精度の高いクロスにFWジョアン・ペドロが合わせて先制点を奪取。チェルシーは前半をリードして折り返し、堅実な試合運びを見せた。
しかし、後半に入ると展開は一変する。アタランタはホームの大声援を背に攻撃のテンポを上げ、サイドと中央を絡めた連動性の高いプレーでチェルシー守備陣に圧力をかけ始めた。そして後半10分(55分)、アタランタの猛攻が実を結ぶ。MFシャルル・デ・ケテラーレが右サイドから上げたクロスをFWジャンルカ・スカマッカが頭で押し込み、ついに同点に追いついた。
同点弾で勢いづいたアタランタに対し、チェルシーは前半の集中力が続かず、守備に綻びが見え始める。特に、アタランタの個人技と連動した攻撃に対応できず、後手に回る場面が目立ち始めた。
逆転の立役者、デ・ケテラーレの輝き
勝敗を分けたのは、アタランタの若きエース、シャルル・デ・ケテラーレの卓越した個の力だった。
試合終盤の後半38分(83分)、デ・ケテラーレはペナルティエリア手前でボールを受けると、巧みなドリブルでチェルシーのマークを外し、豪快なシュートをゴールネットに突き刺した。この劇的な逆転ゴールは、チームを勝利へ導く決定的な一撃となった。デ・ケテラーレは同点ゴールのアシストに加え、逆転弾も決めるというM.O.M(マン・オブ・ザ・マッチ)級の活躍で、その決定力と攻撃センスを欧州全土に示した。
一方、チェルシーはジョアン・ペドロの先制点以降、攻撃が息切れし、後半の守備の緩みが致命傷となった形だ。特に、アタランタのデ・ケテラーレやスカマッカといった個の能力溢れる選手への対応が遅れ、勝ち点獲得の機会を逸した。
CLラウンド16進出争いの行方
このアタランタ 対 チェルシーの試合結果は、CLリーグフェーズの順位争いに大きな影響を与えている。
勝利したアタランタは勝ち点を積み上げ、暫定3位に浮上。次のラウンド16進出に向けて大きく前進した。アタランタは近年CLに初参戦した「新興勢力」でありながら、伝統的な強豪であるチェルシーに対し、近年の対戦成績で優位に立ちつつある点は、欧州サッカーの勢力図の変化を示すものとして注目されている。
対照的に、敗れたチェルシーはグループ突破のプレッシャーが極度に高まった。次節以降での勝利が絶対条件となり、立て直しが急務である。
次節(2026年1月21日)では、アタランタはアスレティック・ビルバオ(スペイン)と、チェルシーはパフォス(キプロス)とそれぞれ対戦予定だ。アタランタがこの勢いを維持し、次ラウンドへの切符を掴むのか。それともチェルシーが伝統の意地を見せ、巻き返しを図るのか。欧州最高峰の舞台は、年明け以降も目が離せない展開となりそうだ。