【全日本相撲選手権2025】絶対王者棄権で大波乱!新制度下の「アマチュア横綱」争いを展望
ニュース要約: アマチュア相撲の最高峰「全日本相撲選手権2025」が12月4日に開催。3連覇を目指した絶対王者・池田俊選手が棄権し、タイトル争いは大混戦に。さらに、プロへの道「付け出し資格」制度が厳格化されてから初の大会となり、新時代のアマチュア横綱誕生に期待が高まる。
アマチュア相撲界の頂点に波乱の予感──絶対王者不在の「全日本相撲選手権大会 2025」、新時代の幕開けか
アマチュア相撲の最高峰を決める第74回(仮称)全日本相撲選手権大会が、12月4日に東京・両国国技館で開催される。例年、プロの角界への登竜門としても注目されるこの大会だが、今年は大会直前に最大の波乱要素が持ち上がった。史上2人目の3連覇を狙った絶対王者、池田俊選手(所属未定)が左上腕筋断裂のため、無念の棄権を表明。池田選手の不在により、タイトル争いは一気に混戦模様となり、新たなアマチュア横綱の誕生に期待が高まっている。(2025年11月30日 東京発)
絶対王者の棄権が招く波乱
全日本相撲選手権大会 2025は、アマチュア相撲界の頂点を極める者にとって、最高の栄誉の場である。その大本命と目されていたのが、池田選手だ。彼は今年の世界選手権無差別級で2連覇を達成するなど、その実力はプロ顔負けと評されてきた。長年の目標であった3連覇を目前にしての棄権は、相撲ファンにとって大きな衝撃となっている。
池田選手は大相撲入りを辞退しているものの、そのダイナミックで圧倒的な相撲は、アマチュア界の競技レベルを牽引してきた。彼の不在は、大会全体に大きな波紋を広げている。池田選手は棄権に際し、「来年は必ず出場できるように、怪我を治して頑張りたい」と前向きなコメントを残しており、その復帰が待たれる。
混戦模様のタイトル争いと有望株
池田選手の棄権により、アマチュア横綱の座を巡る争いは激化している。特に注目されるのは、主要3冠制覇を目指す杉選手(苗字のみ報道)ら、学生相撲や実業団で実績を積んできた有力候補者たちだ。彼らにとって、絶対王者の不在は千載一遇のチャンスであり、誰もが虎視眈々と頂点を狙っている。
全日本相撲選手権大会は、社会人、大学生、高校生など、幅広い世代の強豪が集うトーナメント形式で行われ、競技レベルの高さは折り紙付きだ。日本相撲連盟の公式発表が待たれる中、各地方予選を勝ち抜いた選手たちの間では、雪辱を期すベテランや、勢いに乗る若手の間で緊張感が高まっている。
学生相撲界からは、ジュニア男子中量級で活躍する永露蓮選手(福岡・希望が丘高3年)や工藤琉誠選手(岩手・平舘高3年)など、将来有望な若手も予選を突破していると見られ、彼らがどこまで上位に食い込めるかも見どころの一つとなる。実業団からも日本通運チームの古川晴貴選手ら、地方の強豪が多数参加しており、異色の挑戦者が台風の目となる可能性も排除できない。
プロへの道、新制度下の厳格化
今大会が注目されるもう一つの理由は、プロの角界への登竜門としての「付け出し資格」制度が大きく変更されてから初めての全日本相撲選手権大会 2025となる点だ。
かつて、大会優勝者は「幕下15枚目格」あるいは複数回優勝で「幕下10枚目格」といった優遇された番付でプロ入りが可能だった。しかし、2023年9月の日本相撲協会理事会での決定により、この大幅な上位付け出し資格は廃止された。
新ルールでは、優勝者を含め、8強以上の成績を収めた選手には一律に「幕下最下位格」付け出し資格が与えられる。また、16強以上であれば「三段目最下位格」の資格が得られる。これにより、優勝者であっても、以前のように大幅な番付優遇はなくなり、プロ入り後は実力勝負がより厳格に求められることとなった。
この制度変更は、アマチュアでの実績を尊重しつつも、プロの世界では一から実力をつけて昇進する形を促す狙いがある。優勝者が得る「幕下最下位格」は、関取(十両以上)を目指す上でのスタートラインであり、プロ入りの資格を得た若手力士には、将来の大関・横綱候補として大きな期待が寄せられる。
国技の伝統継承と競技力向上
全日本相撲選手権大会は、単なる勝敗を競うだけでなく、相撲技能の向上とアマチュアスポーツ精神の高揚を目的とし、国技・相撲の伝統と文化を継承する重要な役割を担っている。アマチュア相撲界の最高峰として、幅広い層への普及と競技力の向上に寄与してきた歴史を持つ。
池田選手の不在という大きな波乱はあるものの、2025年の大会は、新制度下でのプロへの道、そして新たなアマチュア横綱の誕生という、相撲界の未来を占う二つの大きな変革期を迎えた。12月4日、両国国技館の土俵で、誰が栄冠を掴み、相撲界の歴史を塗り替えるのか。その熱戦に、日本中が注目している。