【速報】上尾市長選、現職・畠山氏が3選果たす:子育て支援と老朽化インフラ整備が最重要課題
ニュース要約: 任期満了に伴う上尾市長選挙は現職の畠山稔氏(76)が新人2氏を破り、3選を果たした。激戦の争点は、転入超過が続く中での子育て支援策の充実と、老朽化する公共インフラの整備。有権者は現職の安定感を評価したが、低投票率が示す市民の無関心層への対応が、3期目の市政運営の課題となる。
上尾市長選挙、現職・畠山氏が3選果たす 23万都市の課題、子育て支援とインフラ整備が焦点
【上尾】 任期満了に伴う上尾市長選挙は30日投開票され、無所属で立候補した現職の畠山稔氏(76)が、新人2氏との激しい選挙戦を制し、3期連続の当選を果たした。23万都市である上尾市の舵取りを巡る今回の選挙戦は、老朽化する公共施設の適切な対応や、転入超過が続く中での喫緊の課題である子育て支援策の充実が主要な争点となった。畠山氏は、これまでの8年間の実績と豊富な政治経験を強調し、安定した市政運営の継続を訴え、幅広い層からの支持を獲得したとみられる。
現職の安定感に新人2氏が挑む構図
当選した畠山氏は岩手県陸前高田市出身。会社員を経て1995年から上尾市議会議員を3期、その後埼玉県議会議員を3期務めた後、2017年の上尾市長選挙で初当選を果たした。今回、70代後半での挑戦となったが、長年の地方政治における実績と行政手腕に対する期待が、有権者の判断を左右した形だ。
今回の上尾市長選挙には、畠山氏を含め3名が無所属で立候補した。対立候補には、自由民主党の推薦を受けた新人、元市議の田島純氏(54)と、同じく新人の弁護士、小内克浩氏(40)が挑んだ。
田島氏は、市議2期の実績に加え、明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科で学んだ知見を背景に、現市政からの刷新を強く主張。一方、小内氏も若い世代の声を代弁し、新しい視点からの市政運営を訴え、現職批判票の取り込みを図った。しかし、現職が築いた組織力と知名度の壁は厚く、新人2氏の挑戦は実を結ばなかった。
焦点となった子育て支援と老朽化インフラ
今回の上尾市長選挙の最大の争点は、市の持続可能性に関わる政策課題であった。特に、転入者が転出者を上回る状況が続く上尾市において、若い世代の定住を促すための「子育て支援策の充実」は、選挙戦を通じて中心的なテーマとなった。各候補者は、定住促進と関係人口の拡大を視野に入れた具体的な施策を競い合った。
また、老朽化した学校などの公共施設への対応も重要な論点として浮上した。候補者らは、施設の更新・集約化・多機能化といった、市の財政状況を考慮した適切なタイミングでのインフラ整備の必要性を訴えた。市民の生活環境の質を維持するため、3期目を迎える畠山市政にとって、これらの課題への対応は最重要課題となる。
さらに、市民の可処分所得を増やすための市独自の税制優遇措置(減税・控除)の検討や、交通の便を活かした企業誘致と産業集積強化、ふるさと納税返礼品の発掘・魅力強化といった経済政策も、有権者の関心を集めた。畠山氏には、これらの多岐にわたる政策課題に対し、これまでの経験を活かした具体的な成果が求められる。
低調な投票率が示す市民の意識
今回の上尾市長選挙の投票率は、過去の傾向と同様に30%台前半で推移すると見られている。2021年の前回選挙の投票率31.2%や、その前の選挙の35.19%といった水準から見ても、全国的な地方自治体首長選挙における投票率の低迷傾向から上尾市も例外ではない。
有権者の関心が低調な中で、畠山氏が3選を果たした事実は、現職の安定感を評価し、大きな変化よりも継続性を望む層が一定数存在したことを示唆する。しかし、投票率が低迷している現状は、市政への無関心層や、現市政に不満を持ちながらも投票行動を起こさなかった層が存在することを意味しており、市民と政策対話ができる開かれた市政運営の在り方が、3期目の畠山氏に改めて問われることになる。
畠山新市長は、今後4年間、少子高齢化が進む日本社会において、財政規律を維持しつつ、子育て世代が魅力を感じる「住み続けたい上尾」を実現できるか。その手腕が試されることになる。
(日本経済新聞 上尾支局 2025年11月30日)