2026年へ向けアクションRPGは「総合エンタメ」へ進化:多様化する戦闘と没入体験
ニュース要約: 2025年の年末商戦を前に、アクションRPG市場は高精細グラフィックと戦略性を両立させた傑作群で活況を呈している。プラットフォームを超えた多様化が進み、「ソウルライク」はビルドの自由度を増し、「ハクスラ」はストレス解消ツールとして再評価。2026年に向け、UE5採用や期待の新作により、アクションRPGは総合エンタメとして進化を続ける。
進化と多様化を続ける「アクションRPG」市場:2025年年末商戦から2026年への展望
(2025年11月27日 東京発 共同通信)
2025年のゲーム市場は、年末の長期休暇シーズンを前に、多様なプラットフォームで優れたアクションRPG(ロールプレイングゲーム)が百花繚乱の様相を呈している。特に、高精細なグラフィックと戦略性の高いバトルシステムを両立させたタイトルがユーザーの支持を集めており、従来のファン層に加え、新たなゲーマー層の獲得に成功している。最新のゲームエンジン技術の進化を背景に、アクションRPGは今、最高の没入体験を提供する総合エンターテイメントとして、その地位を確固たるものにしている。
プラットフォームの枠を超えた傑作群
今年の注目すべき動向は、プラットフォームの垣根を越えた傑作の登場だ。PC(Steam)向けでは、Sandfall Interactiveのデビュー作『Clair Obscur: Expedition 33』が、謎めいた城とパズル要素を取り入れたゲームプレイで批評家から高い評価を受けた。また、広大なオープンワールドで知られる『エルデンリング』は、2025年の大型アップデートにより新たな鎧や武器、マウントのカスタマイズ要素が追加され、その生命力を更新している。戦闘以外の膨大なサブコンテンツを持つ『ファイナルファンタジー14』も、感動の王道ストーリーと絶妙なバトルバランスで、年末年始の「遊び尽くせない」ボリュームを提供し続けている。
コンソール市場では、アトラスの『メタファー:リファンタジオ』や、新たなストーリー「復讐の女神篇」を追加した『真・女神転生V Vengeance』が、歯ごたえあるバトルと悪魔合体の奥深さで骨太なRPG体験を提供している。中でも、15年ぶりにリマスターされた『テイルズ オブ グレイセス エフ リマスター』は、戦闘のテンポ感とコンボの気持ちよさがシリーズ最高峰と再評価され、アクションRPGの面白さの原点を改めて示した形だ。
スマートフォン向けにおいても、高グラフィックと爽快感を両立させたMMORPG『鳴潮(メイチョウ)』や、ホヨバースの『原神』、『崩壊:スターレイル』が、キャラクターの魅力とストーリーの深さでモバイルアクションRPGの質を引き上げている。これらのタイトルに共通するのは、「ストーリーの質の高さ」「爽快感と戦略性のバランスの取れたバトルシステム」、そして「戦闘以外の遊びの豊富さ」であり、プレイヤーに長時間にわたる没入感を提供している。
高難易度と多様なビルド:進化する「ソウルライク」
昨今のアクションRPGのトレンドを語る上で、「ソウルライク」系の進化は欠かせない。高難易度でプレイヤーの成長を促すこのジャンルにおいて、2025年は特に戦略の多様化が進んだ。
中国の明代末期を舞台にした『明末:ウツロノハネ』は、武器ごとに設定された「武器スキル」と「流派スキル」、そして「法術」を組み合わせることで、プレイヤーが独自の戦法(ビルド)を構築できる自由度の高さが特徴だ。また、PS5向けにパッケージ版が発売された『Enotria: The Last Song』は、倒した敵の仮面を装着することで能力やプレイスタイルを切り替えるシステムを採用し、攻略の幅を広げている。
和風ソウルライクとして注目される『Rise of the Ronin』を含め、これらのタイトルは、従来の硬派な「死にゲー」としての難易度を保ちつつも、装備やスキルの多様な組み合わせによって難易度の緩和や攻略の幅が広がる道筋を提供している。これは、ユーザーの挑戦意欲を刺激しつつ、クリア後の達成感を最大化する、現代のアクションRPGデザインの洗練を示している。
ストレス解消ツールとしての「ハクスラ」の需要
もう一つの重要なトレンドは、「ハクスラ(ハックアンドスラッシュ)」系アクションRPGの再評価だ。大量の敵を爽快に倒すプレイ感覚と、装備収集・強化による確実な成長実感は、日常のストレス解消に極めて効果的であると分析されている。
ハクスラ系アクションRPGは、難敵の攻略や装備強化による達成感だけでなく、美麗なグラフィックや心地よい音楽がもたらすリラクゼーション効果も相まって、没入感が現実のストレスからの一時的な逃避を可能にする。科学的な研究も、目標達成を繰り返すアクションゲームが自己肯定感を高め、ストレス耐性の増加に寄与する可能性を示唆しており、ハクスラ系アクションRPGは単なる娯楽を超え、精神的健康をサポートするツールとしての側面も持ち合わせている。
2026年に向けた技術革新と期待の新作
市場の活況は2026年に向けても継続する見通しだ。最新のAAAタイトルや注目作ではUnreal Engine 5(UE5)の採用が増加しており、高品質なグラフィックスとリアルタイムのライティング技術が、次世代機におけるアクションRPGの映像表現を加速させる。
2026年の注目作としては、スクウェア・エニックスの『冒険家エリオットの千年物語』が挙げられる。同社独自のHD-2D技術とアクションRPGを融合させた初の完全新作であり、ドット絵と3DCGの融合という新たな表現手法に期待が集まる。また、フランス発のJRPG的世界観を持つ『Edge of Memories』や、高難度ソウルライクの続編『Lords of the Fallen II』も、PCおよび次世代コンソール向けに発売が予定されている。
これらの新作は、技術的な進化だけでなく、ゲームシステムにおいても多様な試みが見られる。アクションRPGは、単なる反射神経を試すゲームから、奥深い戦略性、感動的な物語、そしてプレイヤーの精神的な充足感を提供する総合エンターテイメントへと進化を続けている。この勢いは当面衰えることはなく、今後の市場動向が注目される。