F1戦略家・角田裕毅の進化:2025年安定獲得から2026年新規定での飛躍へ
ニュース要約: 2025年F1で角田裕毅は不安定さを克服し、冷静な戦略遂行能力と安定感で33ポイントを獲得。チームのコンストラクターズ争いに大きく貢献した。この成長を糧に、マシン規定が一新される2026年シーズンは、トップ争いへの食い込みと、日本人ドライバー初の表彰台獲得が強く期待されている。
F1、歴史的混戦の中で光る「戦略家」角田裕毅の進化 2025年シーズン終盤戦を分析、2026年新規定への挑戦
2025年12月1日
2025年のF1世界選手権は、最終戦アブダビGPを目前に控え、ドライバーズ選手権、コンストラクターズ選手権ともに、近年稀に見る大接戦の様相を呈している。ランド・ノリス(マクラーレン)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)の三つ巴のタイトル争いが繰り広げられる中、日本人ドライバーの角田裕毅(レッドブル)は、中団グループにおいて確かな存在感を放ち、自身の成長を証明してみせた。
終盤戦のハイライトとなった第23戦カタールGP(ルサイル・インターナショナル・サーキット)での走りは、角田裕毅の進化を象徴するものだった。予選15番手と後方に沈んだ角田だったが、決勝では冷静な状況判断とチームの的確なF1ピット戦略が完璧に噛み合い、見事10位でチェッカーフラッグを受け、貴重なF1 ポイント(1ポイント)を獲得した。
安定感で掴んだ15位、チーム貢献度が高まる
F1 ポイントランキングにおいて、角田は2025年シーズン終了時点で33ポイントを獲得し、ドライバーズランキング15位を確保した。これは、シーズン序盤の不安定さから脱却し、コンスタントにポイント圏内に食い込める「安定した中堅ドライバー」としての地位を確立したことを意味する。
特に評価されるのは、レース中の戦略遂行能力だ。過去には感情的な無線交信が目立つこともあったが、2025年シーズンは「精神的な安定」が大きく向上し、カタールGPのようなセーフティカー出動時など、刻一刻と状況が変わる中で、チームの指示に柔軟に対応し、与えられたマシン(レッドブルRB21)のポテンシャルを最大限に引き出した。
レッドブルにとっては、フェルスタッペンのタイトル争いと並行して、コンストラクターズランキング(3位)でメルセデス(2位)を追う上で、角田がf1 ポイントを積み重ねた意義は大きい。トップ集団が激しく争う中、中団でのポイント争いを制する能力は、チーム全体の戦略的厚みを増す結果となった。
2026年F1新規定と「角田」への期待
2025年シーズンが歴史的な接戦で幕を閉じようとしている一方で、モータースポーツ界の関心はすでにF1 2026年シーズンへと移っている。2026年は、パワーユニットの変更、アクティブ・エアロダイナミクスの導入など、マシンレギュレーションが大幅に刷新されるため、全チームが新たな開発競争に挑むことになる。
この「リセット」は、角田裕毅にとって大きなチャンスとなる。新世代マシンへの適応力と、2025年シーズンで培った安定性が、トップ争いに食い込むための鍵となるからだ。メディアや専門家からは、「2026年はトップ10常連となり、ポディウム(表彰台)争いも視野に入る」との期待が寄せられている。
すでに暫定的に発表されているF1 日程、F1 スケジュールも注目に値する。全24戦で構成される2026年シーズンにおいて、日本GP(鈴鹿)は3月27日~29日の第3戦として、シーズン序盤に組み込まれることとなった。地元開催での早期ポイント獲得は、角田のシーズン全体の勢いを左右する重要な要素となるだろう。
また、F1 スケジュールでは、スペインのバルセロナに加え、新たにマドリードGPが9月に加わるなど、開催地にも変化が見られる。カタールGPは11月末に開催され、シーズン終盤の重要なポイント獲得レースとして位置づけられる予定だ。
安定から攻撃へ、次なる飛躍の鍵
角田裕毅は2025年シーズンで「安定」という武器を手に入れた。しかし、新規定が導入される2026年シーズンでさらなる飛躍を遂げるためには、中団争いだけでなく、トップドライバーたちと渡り合える「より攻撃的な走り」が求められる。
角田の成長は、日本モータースポーツ界の悲願である「日本人F1ドライバーのポディウム獲得」に最も近い位置にある。2025年の激戦を糧に、新規定マシンで臨む2026年、角田裕毅が世界のトップF1 ランキングを脅かす存在となるか。その挑戦に、日本中のファンが熱い視線を送っている。