天理大が全勝連覇達成!試練を乗り越えた関西大学ラグビーAリーグの激闘と組織統治の課題
ニュース要約: 2025年関西大学ラグビーAリーグは天理大が京産大を47-15で破り、不祥事による活動停止処分という試練を乗り越え全勝連覇を達成した。上位3チームが全国大学選手権へ進出。今季は優勝校を含め、リーグ全体で「ラグビー以前」の組織統治と人間教育の重要性が問われるシーズンとなった。
【関西大学ラグビー】天理大、不祥事乗り越え全勝連覇達成 混迷のAリーグ、問われる「ラグビー以前」の組織統治
2025年11月30日、東大阪市花園ラグビー場にて、関西大学ラグビーAリーグの最終節が行われ、天理大学が京都産業大学を47対15で圧倒し、2年連続14回目の優勝を果たした。今季はシーズンの途中で部員の不祥事による活動停止処分という大きな試練に直面したが、それを乗り越えての全勝優勝は、関西大学ラグビー界に大きな衝撃と感動を与えた。
試練を糧に掴んだ栄冠:天理大の圧倒的な強さ
最終節の優勝決定戦は、リーグ戦を牽引してきた天理大と京都産業大の激突となった。天理大は、SH朝倉達弥(4年)やHO稲嶺翔太(4年)といった上級生が安定したプレーを見せる一方、WTBフコフカ・ルカス(1年)ら若手が躍動。攻撃・防御両面で京産大を凌駕し、47対15という大差をつけて連覇を達成した。
特筆すべきは、天理大が6月に発生した大麻所持事件による活動停止処分から、リーグ開幕直前に復帰し、そのままの勢いで全勝を駆け抜けた点だ。チームは逆境を団結力に変え、前節の近畿大学戦での54対5の大勝を含め、圧倒的な地力を見せつけた。
これにより、天理大学、京都産業大学、関西学院大学の3チームが全国大学選手権への出場権を確定させた。
激化する中位争いと伝統校の明暗
今年の関西大学ラグビーAリーグは、上位3強と、近畿大学、同志社大学、立命館大学、関西大学が僅差の勝ち点差で競い合う大混戦となった。
特に、全国大学選手権の出場枠を巡る争いは熾烈を極めた。関西大学は近畿大学に30-27で勝利するなど健闘を見せたものの、関西学院大学との「伝統の一戦」では大敗を喫するなど、上位進出にはあと一歩届かなかった。各チームとも、世代交代とチーム力の底上げが急務であり、来季も激しい競争が予想される。
一方、最下位となった摂南大学はBリーグとの入れ替え戦出場が決定。来季のAリーグ残留に向け、厳しい戦いに挑むことになる。
「ラグビー以前」の徹底:問われる組織統治と若手育成
今季の関西大学ラグビー界全体が直面した最大のテーマは、「ラグビー以前」の組織運営と選手教育の徹底である。
天理大は不祥事を乗り越えたものの、来季は多くの主力を失うため、若手の育成とチーム再構築が最重要課題となる。優勝校ですら、学生スポーツとしての品格維持と規律の徹底が求められている。
この流れは伝統校にも波及している。関西大学ラグビー部では、永山宜泉監督(就任1年目)が戦術転換よりも、まずは「ラグビー以前の生活や姿勢の改善」に注力。主将のSO大島泰信選手も、複雑な戦術に頼らず、人間としての基礎を鍛え直したことが成長に繋がったと語っている。同志社大学など他の伝統校も、コアバリュー(品位・情熱・結束・規律・尊重)を徹底し、チーム文化の立て直しを図っている。
全国大学選手権での勝利を目指すには、技術や戦術の向上はもちろん、こうした人間性の基盤強化が不可欠という認識が、リーグ全体に広がりつつある。
来季への展望:卒業生は社会人ラグビーへ
関西大学ラグビーAリーグの優秀な主力選手は、卒業後、クボタスピアーズや近鉄ライナーズなど、日本の社会人ラグビー企業チームに進む例が多い。プロリーグであるリーグワンへの直接のプロ入りも期待されるが、多くの選手がまずは企業チームでキャリアを築く。
来季は、不祥事からの立て直しを果たした天理大が若手育成を成功させるか、それとも京都産業大学や関西学院大学が覇権を奪い返すのか。そして、伝統校である同志社大学や関西大学が、今季築いた「人間力」の土台を武器に、全国大学選手権出場争いに絡んでいけるのか。
2026年シーズンも、関西大学ラグビーリーグは激動の展開が予想される。各チームの組織統治と若手育成の成果が、来季の関西大学ラグビーの未来を左右することになるだろう。