2025年も残すところあとわずかとなりましたが、本日も私たちの生活や文化に深く関わるニュースが届いています。激動の時代を生き抜いた偉大な背中の見送りと、新しい命の息吹、そして急速に変化する社会の歪みやエンターテインメントの話題まで、今日という日を象徴する出来事をまとめました。
まず、戦後日本の平和への願いを体現し続けてきた「林家一門の母」の訃報です。落語家・初代林家三平さんの妻でエッセイストの海老名香葉子さんが、12月24日、老衰のため92歳で息を引き取りました[2]。東京大空襲で家族6人を失うという壮絶な経験を乗り越え、自伝的アニメ映画『うしろの正面だあれ』や、上野公園の「時忘れじの塔」建立などを通じて、一貫して戦争の悲惨さと平和の尊さを訴え続けてきました。林家正蔵さんや二代目三平さんらを育て上げ、江戸っ子気質で一門を支え抜いたその波乱万丈な生涯は、多くの日本人の心に刻まれています。
一方で、新たな命の誕生という明るいニュースも舞い込んでいます。プロ雀士でMリーグの実況としてもおなじみの「京大卒雀士」、松嶋桃さん（41）が第1子の妊娠を発表しました[1]。お相手は京都大学時代の同級生とのことです。来春の出産を控える中、現在は体調も安定しており、2月半ばまで実況や対局を継続する予定です。仕事と出産という新たなライフステージの両立に挑む彼女の姿には、ファンからも多くのエールが送られています。
私たちの身近な生活に目を向けると、避けては通れない「デジタル化の波」が大きな課題を突きつけています。国内の金融機関で急速に進む紙の預金通帳の有料化です[3]。銀行側には印紙税などのコスト削減という事情がありますが、これがデジタル環境に対応しにくい高齢者層との「金融格差」を広げています。特に認知症患者の資産管理や、家族によるサポートの現場では、視覚的な記録として残る紙通帳の役割は依然として大きく、利便性の追求と金融包摂をいかに両立させるか、超高齢社会・日本が直面する新たな壁が浮き彫りとなっています。
最後に、年末の映画界を席巻している話題作にも注目です。俳優の阿部寛さんが主演を務める映画『ショウタイムセブン』が、その圧倒的なリアリティで観客を魅了しています[4]。韓国のヒット映画を原作に、日本のメディア事情を反映させた本作は、生放送中の爆破テロ犯との息詰まる交渉を描くサスペンス。実際のテレビスタッフを起用した映像作りや、共演する錦戸亮さんの怪演が光り、報道倫理のあり方を問う物語は、見る者に強い没入感を与えています。
激動の昭和を生き抜いた先人の死を悼みつつ、新しい命の誕生を祝い、そして変化し続ける令和のシステムや表現に翻弄されながらも立ち向かう。そんな、日本の現在地を強く感じさせる一日となりました。
香りと風味を極める「スティンガーグラス」の魅力―カクテル体験を変える形状の科学
ニュース要約: カクテル文化に新風を吹き込む「スティンガーグラス」が注目を集めています。独特な逆三角形のフォルムが香りを40％変化させ、リキュールの複雑なアロマを最大限に引き出します。プロが認める香りの科学から、2025年のホームバーにおけるインテリアトレンド、クリスマスギフトとしての人気まで、このグラスが演出する至高の飲用体験とその選び方を詳しく解説します。
香りと風味の世界を変える「スティンガーグラス」―カクテル文化に新たな息吹
2025年12月25日
クリスマスの夜、バーカウンターで琥珀色の液体が注がれる逆三角形のグラス。その独特なフォルムが生み出す香りの体験が、今、日本のカクテル愛好家たちの間で静かなブームを呼んでいる。「スティンガーグラス」―この特殊な形状のグラスが、なぜプロのバーテンダーから一般愛好家まで幅広い支持を集めているのか。その秘密は、グラスの形状が織りなす「香りの科学」にあった。
形状が生み出す香りの魔法
スティンガーグラスの最大の特徴は、その逆三角形のボウル構造にある。飲み口が狭く底が広いこの形状は、一見するとワイングラスを彷彿とさせるが、その機能は大きく異なる。グラス内に香り成分を溜め込み、上部で集中させる「香り溜まり効果」により、リキュールの甘美なオレンジやクリームのニュアンスが鼻腔に直接届く仕組みだ。
バーテンダー向けの専門文献によれば、この形状により香りが最大40％も変化するという研究結果も報告されている。東京・銀座のベテランバーテンダーは「初めに華やかなアロマを楽しめ、次第にコアの苦味やアルコール感が口内に広がっていく。この段階的な風味の変化こそが、スティンガーグラスの醍醐味です」と語る。
細長いシルエットも重要な役割を果たす。コリンズグラスに似た縦長の形状が、液体と空気の接触を最適化し、揮発性の香気成分を保持する。炭酸を含まないカクテルでは泡立ちの必要はないが、この形状により温度低下を抑え、風味の劣化を防ぐことができる。
科学が解き明かす風味の秘密
グラスの形状が飲料体験を変える原理は、空気接触面積と液体対流によるものだ。窄まった口元が蒸発した香気を閉じ込め、ワイングラスと同様にテイスティングを向上させる。リキュールカクテルの複雑なハーブやフルーツのノート―たとえばミントやコアントロー由来の香り―が強調され、ソムリエたちは「香りのレイヤリングが明確化される」と評価している。
底が広い設計により、液体が空気に触れて酸化が促進され、まろやかさが増す一方で、狭い口元が一気飲みを防ぎ、スワリング（グラスを回す動作）を誘導する。これにより、甘味から酸味、そしてフィニッシュへとバランスの取れた風味変化を楽しむことができる。カクテル専門家の比較実験では、標準的なタンブラーと比べて20～30％も香気の持続性が向上することが確認されている。
ホームバーの新トレンド
2025年のホームバー文化において、スティンガーグラスは単なる酒器を超えた存在となっている。「手軽さとデザイン性の両立」を求める消費者たちが、このグラスを空間演出の主役に据えているのだ。
間接照明を活用したディスプレイが人気だ。クリアなスティンガーグラスを高さを変えて並べ、背後に暖色の間接照明（色温度2700～3000K）を配置すると、ガラスの縁が美しく際立つ。黒やスレートグレーのカウンターとの組み合わせは、モダンミニマルな空間を演出する。
一方で、アンバーや深緑など色付きのスティンガーグラスをオープンシェルフに並べるヴィンテージモダンスタイルも注目されている。木材（ウォルナット等）やメタル（ブラス、黒金属）との組み合わせが、洗練されながらも温かみのある雰囲気を作り出す。
クリスマスギフトとしての人気
年末年始のギフト市場でも、グラス製品は根強い人気を誇る。Sghrが開催した「Winter Fair 2025」（11月15日～12月25日）では、トナカイやツリーのオブジェ、ブーツ型グラスといったクリスマス限定デザインが登場し、プレゼントアイテムとして推奨された。
小田急百貨店や高島屋のクリスマスギフトカテゴリーでは、耐熱グラスやタンブラーが人気ランキング入りを果たしている。実用性と高級感を兼ね備え、そのまま贈れる上品さが、誕生日や応援ギフト、自分へのご褒美として選ばれる理由だ。
フェアトレード風のパッケージや限定販売、特別価格設定が購買意欲を後押しし、SNSでもクリスマスケーキ関連の投稿と共にグラス製品への関心が高まっている。2026年の干支「午」関連アイテムと連動した新年ギフトとしても注目されており、温かみのある冬ギフトとしての需要は今後も続くと見られる。
バーテンダーが語る選び方
プロのバーテンダーたちは、スティンガーグラスの選び方について明確な基準を持っている。「薄張り」「耐久性」「手吹き」といったキーワードが重要だという。
Libbey Signature Stinger Glassは、クラシックなメタリックシルバー仕上げと高い耐久性で、プロの間で定番となっている。一方、JoyJolt Disco Stinger Glassesは、ディスコ調のメタリックデザインでSNS映えを狙うホームカクテル派に人気だ。Viskiのステンレス製高級モデルは、保温性と耐久性に優れ、ギフトとしても選ばれている。
縦長のラインを活かすため、クラフトビール、ハイボール、ロングトニック、ジンフィズ系のカクテルが推奨される。色のレイヤーが美しく見えるオレンジ系と深色のレイヤードカクテルは、スティンガーグラスの魅力を最大限に引き出す。
文化としてのグラス
グラスの形状は、単なる容器以上の意味を持つ。それは、飲み物と人との対話を深める媒介であり、香りと風味を通じて記憶を刻む装置でもある。スティンガーグラスが示すのは、道具の細部へのこだわりが、いかに豊かな体験を生み出すかという真実だ。
2025年のクリスマス、バーカウンターで、あるいは自宅のホームバーで、スティンガーグラスに注がれたカクテルを手に取る人々が増えている。その逆三角形のフォルムの中で、香りと風味が織りなす物語は、新しいカクテル文化の幕開けを告げているのかもしれない。