【ミラノ五輪】新種目デュアルモーグルで日本女子が黄金期!冨高日向子ら精鋭が表彰台独占へ
ニュース要約: 2026年ミラノ五輪から新採用されるデュアルモーグルにおいて、日本女子代表が圧倒的な強さを見せています。冨高日向子、柳本理乃ら中心選手に加え、藤木日菜、中尾春香ら若手が台頭。ターン重視の新ルールを追い風に、W杯でも上位を独占する日本勢の技術力と、五輪でのメダル独占に向けた期待と課題を詳報します。
【ミラノ発】モーグル新時代の幕開けか――。2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪において、初採用となる新種目「デュアルモーグル」を目前に控え、日本女子勢がかつてない黄金期を迎えている。
現地時間2月14日、イタリアのリヴィニョで開催されているワールドカップ(W杯)は、五輪の前哨戦として異様な熱気に包まれた。今大会、日本女子代表として内定している冨高日向子(多摩大学)、柳本理乃(佐竹食品スキー部)、藤木日菜(チームリステル)の3選手に加え、次世代の旗手として期待される中尾春香が、新ルール下の激戦で世界を圧倒するパフォーマンスを披露している。
■「デュアルモーグル」新ルールの衝撃と日本勢の適応
今大会から独立したメダル種目となるデュアルモーグルは、従来のシングルモーグルとは一線を画す。1対1のノックアウト方式で行われるこの種目は、トーナメント形式の「投票制(Voting System)」を採用。ジャッジはターン、エア、スピードをリアルタイムで比較し、赤と青のコースから勝者を瞬時に決定する。
特筆すべきは、その採点配分だ。ターンが60%という極めて高い比重を占め、エアとスピードがそれぞれ20%となる。この「ターン重視」のデュアルモーグル ルールは、伝統的に緻密なスキー技術を誇る日本勢にとって追い風となっている。
代表争いの筆頭である冨高日向子は、昨年の世界選手権銀メダリストとしての貫禄を見せ、予選を5位で通過。「相手を意識しつつも、自分のターンを刻むことに集中できている」と手応えを語る。一方で、スピードに定評のあるカナダやオーストラリア勢に対し、日本勢がいかに「正確なターンを維持したままハイスピードで滑り降りるか」が、メダルの色を分ける鍵となる。
■若手の台頭と「24歳組」の絆
今シーズンの大きな特徴は、急速に進む世代交代だ。北京五輪を経て、日本女子チームはベテラン依存からの脱却を果たし、24歳の同い年コンビである藤木日菜と中尾春香がチームに新たな活力を与えている。
「スタート台に立てることが奇跡」と涙の予選突破を果たした藤木は、兄・豪心とともに兄妹での五輪内定を勝ち取った不屈のスキーヤーだ。1回戦で親友の中尾春香と直接対決が実現すると、「春香と五輪の舞台(プレ大会)で当たれたことが本当に楽しかった」と笑顔を見せた。対する中尾も、ターンの吸収精度の高さでは定評があり、デュアル特有の心理戦においても冷静なライン取りを見せている。
この若手2人の台頭は、エースの冨高や実力者の柳本理乃に刺激を与え、チーム全体のボトムアップに繋がっている。柳本もまた、安定したエアと攻めの滑りで決勝進出を常連化させており、日本女子4人が決勝に名を連ねる光景は、もはや世界のスタンダードになりつつある。
■表彰台独占への期待と課題
データが示す日本女子の支配力は圧倒的だ。今シーズンのW杯総合ランキングでは、日本人選手がトップ5のうち4枠を占める場面も見られる。特にデュアル種目において、冨高・柳本らが表彰台を独占する確率は、専門家の分析によれば「60〜70%」という驚異的な数値に達している。
しかし、懸念材料がないわけではない。新ルールでスピードの配分が20%に設定されているとはいえ、並走する相手のスピードに呑まれてターンの精度を乱されれば、一気に形勢は逆転する。カナダの強豪勢が見せる、ターンの減点を恐れない「暴力的なまでの加速」に対し、日本の精緻な技術がどこまで耐えうるか。
2月14日、リヴィニョの夜空の下で行われた決勝トーナメント。雪煙を上げて並走する2人の影は、4年間の集大成へと続く一本のラインを描いていた。冨高、柳本、藤木、そして中尾。彼女たちが刻むシュプールは、ミラノの地で日本モーグル史に新たな1ページを刻もうとしている。
(経済部・スポーツ担当記者)
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