【ミラノ2026】スピードスケート・パシュート日本代表が金メダル奪還へ!新ルールと世代交代で挑む氷上の絆
ニュース要約: 2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪が開幕し、お家芸のスピードスケート・パシュートに注目が集まっています。エース高木美帆選手率いる女子は、距離延長の新ルールに対応した究極の隊列で金メダル奪還を狙い、佐々木翔夢選手を擁する男子もメダル圏内へと躍進。最新スーツと戦略を武器に、2月17日の決勝へ向けた日本代表の挑戦を詳報します。
【ミラノ発】氷上の結集、ふたたび――。2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪がいよいよ幕を開ける。数ある種目の中でも、日本が「お家芸」として最も金メダルを期待し、独自の進化を遂げてきたのがスピードスケートの「パシュート(チームパシュート)」だ。
2月15日、競技開始を目前に控えたイタリア・コラルボのリンクでは、日本代表選手たちが最終調整に励んでいた。今大会、パシュート日本女子代表には、絶対的エースの髙木美帆(31=幕別町出身)を中心に、次代を担う堀川桃香(22=大樹町出身)、野明花菜(長野県出身)らが名を連ねる。北京五輪での銀メダルを経て、世代交代と熟成を両立させた「新生・チームジャパン」の現在地を追った。
■「個」から「組織」へ、ルール改正が促す進化
2026年大会に向けて、パシュートを取り巻く環境は一変した。2025年からのルール改正により、女子の距離が従来の3kmから男子と同じ4kmへと統一されたのだ。距離の延長は、単なる体力の消耗戦を意味しない。空気抵抗を最小限に抑える「一直線のライン形成」と、寸分の狂いもない「先頭交代」の精度が、これまで以上に勝敗を分かつことになった。
日本チームが強みとするのは、タイヤ間わずか10cmとも言われる極限の密集隊列だ。今大会に向けて開発されたミズノ製の最新レーシングスーツは、科学的な空気抵抗低減設計に加え、安全性を高める耐切創素材(カットレジスタンス)を全面に採用。1500メートルや3000メートルといった個人種目でも実績を持つ選手たちが、この最新鋭の「鎧」を纏い、時速50キロを超える高速域で一糸乱れぬ旋回を見せる。
女子代表の柱である髙木美帆は、1000m、1500mとの過密日程の中でパシュートに挑む。「距離が延びた分、戦略的な引き出しが重要になる。若手の力と自分の経験を融合させたい」と、悲願の金メダル奪還へ静かに闘志を燃やす。
■若き才能の台頭、男子も「メダル圏内」へ
一方、男子パシュート陣の躍進も見逃せない。2025年の世界ジュニア選手権で金メダルに輝いた佐々木翔夢は、大会中に20歳を迎える若きエースだ。長距離での安定した滑走能力が評価され、ベテランの蟻戸一永とともに内定を勝ち取った。
男子チームは直近のワールドカップ長野大会において、ディビジョンBで優勝し昇格を決めるなど、着実に地力をつけている。かつては欧米勢の後塵を拝することが多かった男子だが、佐々木を中心とした「高速ローテーション」の確立により、表彰台が現実的な目標として視界に入っている。
■運命の号砲は2月17日
パシュートは、単なるタイムトライアルではない。今大会からは予選タイムによる順位決定に加え、トーナメント形式での「追い抜き(ラップ)」戦略がより強調される。相手を視界に捉えながらの心理戦は、選手たちに柔軟な判断力を要求する。
日本スケート連盟の関係者は「日本の技術は世界屈指。4kmという新距離への対応も、国内選考会から徹底してシミュレーションしてきた」と自信をのぞかせる。
注目のスケジュールは、2月15日に女子準々決勝が行われ、クライマックスとなる準決勝・決勝は17日に予定されている。深夜(日本時間)の号砲とともに、ミラノの氷上に描かれる三つの影。彼らが刻むブレードの跡が、再び黄金色に輝く瞬間を、日本中が待ちわびている。
(経済部・スポーツ担当記者)
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