岐路に立つ韓国:尹政権の難局と世界を席巻する半導体・K-POPの躍進
ニュース要約: 2025年末、韓国は尹政権の支持率低迷と内政の難局に直面する一方、半導体とK-POPが世界市場を牽引し、グローバルな影響力を拡大している。日韓国交正常化60周年を控え、政権が内憂と外需のバランスをいかに取るかが東アジアの安定の鍵となる。
【深度分析】2025年年末、岐路に立つ「韓国」:尹政権の難路と世界を席巻する半導体・K-POPの躍進
2025年11月25日
I. 導入:国内の難局とグローバルな存在感の二律背反
北東アジアの安全保障環境が複雑化する中、韓国は現在、国内政治の難局と、世界経済・文化における影響力の拡大という二律背反の状況に直面している。尹錫悦政権は、日韓関係改善を外交の基軸に据える一方で、国内では支持率の低迷と野党からの厳しい批判に晒されている。しかし、経済面では半導体産業が世界市場を牽引し、文化面ではK-POPが絶大な影響力を持ち続けている。年末から2026年にかけて、韓国がどのような舵取りを行うのか、その動向は日本を含む国際社会にとって極めて重要である。
II. 政治・外交:日韓関係改善の期待と国内世論の壁
尹錫悦大統領の支持率は2025年11月時点で約34%前後と低迷しており、特に元徴用工問題の解決策発表を巡る国内の反発が影響しているとみられる。与党「国民の力」も支持率が24%と野党との差が開き、政権運営は困難を極めている状況だ。
このような内政の不安定さにも関わらず、尹政権は日米韓の安全保障連携強化と対日融和路線を堅持している。2025年は日韓国交正常化60周年という節目の年であり、両国間の関係深化への期待は高まっている。尹大統領自身も協調姿勢を明確に示しており、経済や安全保障面でのプラス効果を追求している。
しかし、外交戦略の核心的な課題は、国内世論とのバランス調整である。韓国内の対日感情は依然として厳しく、歴史認識をめぐる問題については野党の反発が根強い。尹政権は、日米韓三国安全保障協力を強化し、北朝鮮問題への対応を優先課題としつつも、日韓関係改善の成果を国民に示し、国内の分断を乗り越える政治手腕が問われている。
III. 経済の牽引役:半導体の圧倒的競争力とウォン安の波紋
韓国経済の屋台骨である半導体産業は、世界のサプライチェーンにおいて比類なき競争力を維持している。特にDRAMやHBM(高帯域幅メモリ)分野では、サムスン電子とSKハイニックスがグローバル市場の大部分を掌握している。2025年時点で、両社合計でDRAM市場の75%以上を占め、AI需要に不可欠なHBM分野ではSKハイニックスが世界トップシェア62%を誇る。
この半導体を中心とする輸出主導型経済の競争力をさらに高めているのが、近年のウォン安傾向である。ウォン安は、半導体製品の価格競争力を強化し、輸出企業にとっては追い風となっている。しかし、その一方で、輸入コストの増加や国内の物価上昇圧力を招いており、国民生活には複雑な影響を及ぼしている。
米中対立が激化する経済安全保障の文脈において、韓国の半導体技術は戦略的な重要性を増しており、世界的な技術覇権争いの鍵を握っていると言える。韓国政府は、この優位性を維持しつつ、為替変動による国内経済への悪影響を最小限に抑えるための政策運営を迫られている。
IV. K-POPと観光:文化の波及力と日本の関心の高まり
韓国発の文化コンテンツは、2025年年末にかけてもその勢いを加速させている。K-POP界では、BTS(完全体でのカムバック予定)やBLACKPINK、TWICEなどの大型グループが新曲を立て続けにリリースする「カムバック合戦」が過熱。音楽と映像が統合された総合芸術として、グローバルOTTプラットフォームを通じて世界的なファンダムを拡大している。韓国ドラマ(K-Drama)とのシナジー効果も相まって、「韓流」の波は引き続き世界的な文化トレンドの最前線を走っている。
また、ウィンターシーズンの韓国旅行も注目を集めている。12月の韓国は厳しい寒さとなるが、ソウルウィンターフェスティバル(12月開催)などのイベントや、ハイシーズンに比べて航空券や宿泊費が安くなるコストパフォーマンスの優位性から、観光客が集中しすぎない時期を狙う旅行者が増えている。
興味深いのは、韓国人旅行客の海外旅行トレンドの変化である。2026年に向けて海外旅行計画を持つ韓国人が増える中、最も人気の旅行先は引き続き日本であり、特に旭川や宮古島といった小都市への関心が急増している。彼らは単なる観光地巡りではなく、個性や好みに合わせたオーダーメード型の旅行や、現地人との交流を重視する「経験消費」へのシフトを見せており、日韓間の新たな形の文化交流が期待される。
V. 結論:グローバルな影響力を高める「韓国」の未来
2025年の年末を迎え、韓国は政治的には内憂を抱えながらも、経済と文化においては揺るぎないグローバルな存在感を放っている。特に日韓国交正常化60周年という節目において、尹政権が国内の歴史認識問題と国際的な安全保障要求との間でいかにバランスを取り、日韓関係を安定的に深化させられるかが、東アジアの平和と繁栄に直結する。世界をリードする韓国の産業と文化の躍進は、今後も日本の政治・経済・社会に大きな影響を与え続けるだろう。