SBIホールディングス、純利益3.7倍の好決算:Web3と地域金融を両翼に成長加速
ニュース要約: SBIホールディングスは2026年3月期第2四半期で純利益が前年比3.7倍の1,658億円を達成した。好決算はPE投資事業のV字回復が牽引。同社は、ステーブルコインやRWAトークン化を含むWeb3戦略を加速させるとともに、東北銀行などとの連携で地域金融再編(第4のメガバンク構想)を深化させ、次世代金融インフラの構築を進めている。
SBIホールディングス、好決算とデジタル戦略の深層:Web3と地域金融再編を両翼に
【東京発 2025年11月27日】金融コングロマリットであるSBIホールディングス(以下、SBI)が、伝統的な金融の枠組みを超えた成長軌道を鮮明にしている。先日発表された2026年3月期第2四半期決算では、連結最終利益が前年同期比3.7倍の1,658億円に急拡大し、市場に強いインパクトを与えた。この大幅な増収増益の背景には、主力のインターネット金融事業の安定に加え、デジタルアセットと地域金融連携という、未来志向の二本柱戦略が深く関わっている。
PE投資事業が牽引した過去最高益
SBIホールディングスが10月31日に発表した中間決算は、金融市場の環境改善を追い風に、グループ全体の収益力を劇的に向上させた。特に注目すべきは、業績改善の主要因となったPE投資事業の劇的なV字回復である。前年同期に85億円超の損失を計上していた同事業は、今期1,105億円を超える利益に転じ、グループ全体の税引前利益を押し上げた。
この好業績を受け、市場はポジティブに反応し、SBIホールディングスの株価は決算発表直後に4.52%上昇した。総資産は35.3兆円に拡大、顧客預金も17.89兆円に増加しており、財務基盤の強化も進んでいる。この強固な基盤は、同社が推進する「次世代金融インフラ」構築に向けた大胆な投資戦略を支えるものとなっている。
Web3とAIの融合:次世代金融のフロンティア
SBIグループの中期戦略の柱は、金融とテクノロジーの融合、すなわちWeb3・トークンエコノミーへの全面的な対応である。同社は、日本の金融大手の中で最も早くから仮想通貨市場に参入し、現在では取引・決済・保険を横断する総合的なデジタルアセット戦略を強化している。
その先進性を象徴するのが、ステーブルコインやRWA(現実資産)トークン化への積極的な取り組みだ。2025年3月には国内初の米ドル建てステーブルコインの取り扱いを開始。さらに、現実資産のトークン化を通じた新たな証券市場の創出を目指している。
このデジタル戦略を加速させるため、SBIは外部との連携を深めている。2025年8月には、ブロックチェーン技術の要となるChainlink Labsと戦略的パートナーシップを締結。これにより、伝統的金融システムとWeb3の間のインターオペラビリティ(相互運用性)が強化され、デジタル経済圏の総合金融プラットフォーム化が現実味を帯びてきた。また、9月にはAIソリューション開発のRidge-iとの資本業務提携を通じて、生成AIを活用した業務効率化や顧客サービスの高度化も進めており、AIとWeb3を融合させた新たな金融サービスの姿を提示しつつある。
地域金融再編の旗手:「第4のメガバンク構想」の深化
デジタル金融への傾倒と並行し、SBIホールディングスは日本の地域金融機関との連携を戦略の中核に据えている。これは、地銀のDX支援と経営基盤強化を通じた「地方創生」への貢献、そして広域地域プラットフォーマー化を目指す「第4のメガバンク構想」の実現に向けた動きである。
その具体例として、2025年8月には東北銀行との戦略的資本業務提携契約を締結した。両社は共同店舗の運営を開始し、SBI証券を通じた金融商品仲介サービスの提供や、地域企業の生産性向上を目的とした共同ファンドの設立など、多面的な連携を推進している。
SBIグループは、東北銀行を含む全国10行の地域金融機関と連携し、システム共通化や業務共同化を進めることで、慢性的な地銀のオーバーバンキング問題の是正と地域経済の健全化を目指す。この連携は、単なる資本注入にとどまらず、SBIの持つデジタル技術や資産運用ノウハウを地域に還元するM&A戦略として機能しており、地域金融の構造変革を牽引する役割を果たしている。
総合金融プラットフォームの未来
SBIホールディングスは、Web3と地域連携という両輪を駆使し、既存の金融グループの枠を超えた「総合金融プラットフォーム」への進化を図っている。SMBCグループとの共同事業である総合金融サービス「Olive」についても、2026年春を目途に「Olive Infinite」としてアップグレード提供を予定しており、口座、証券、保険、カード決済を統合したサービスをさらに高度化させる見込みだ。
好調な決算に裏打ちされた強固な財務体力と、仮想通貨・Web3領域における圧倒的な先行者利益は、SBIホールディングスを「トークンエコノミー時代」における日本のデジタル金融を主導する存在へと押し上げている。伝統と革新の橋渡し役として、今後の市場での主導的地位の確立が期待される。