若武者・坂井瑠星、BCクラシック制覇で世界へ!JRAリーディング争いを猛追
ニュース要約: 2025年の坂井瑠星騎手は、秋華賞制覇に加え、米国BCクラシックをフォーエバーヤングで勝利し、国際的な評価を確立した。国内では「妥協なき準備」を信条に、戸崎、川田らとのJRAリーディング争いを猛追しており、年末の有馬記念でのさらなる活躍に期待が高まる。
坂井瑠星、世界を駆ける若武者:秋華賞制覇からBCクラシックへ JRAリーディング争いの行方
【京都発 2025年11月24日 共同通信】
2025年のJRA競馬界において、若手トップジョッキーとしての地位を確固たるものにした坂井瑠星騎手(28=栗東)の勢いが止まらない。秋のG1戦線では、牝馬三冠の最終戦である秋華賞(G1)を制覇し、さらに海を渡っては米国のブリーダーズカップ(BC)クラシックをフォーエバーヤングとのコンビで勝利。国内外の主要タイトルを次々と手中に収め、年末の有馬記念(G1)やジャパンカップ(G1)への期待も高まっている。若手ながら「妥協なき準備」を信条とする坂井瑠星騎手は、熾烈なJRAリーディング争いにおいても、戸崎圭太騎手、川田将雅騎手、C.ルメール騎手といったトップランカーたちを猛追している。
巧みな手綱捌きで魅せた秋華賞制覇
坂井瑠星騎手が秋のG1戦線でまず存在感を示したのは、10月19日に京都競馬場で行われた秋華賞だ。騎乗したダノンフェアレディは出走馬中8番人気(オッズ20.9)という低評価であったが、坂井騎手は京都内回りコースの難しさを克服し、見事な位置取りと仕掛けでG1タイトルを獲得した。
この勝利は、2022年のスタニングローズ以来となる坂井瑠星騎手にとって2度目の秋華賞制覇であり、彼の持つ「巧さとセンス」が改めて証明された形となった。続く11月23日のマイルチャンピオンシップ(G1)ではシャンパンカラーに騎乗。想定17番人気という大穴候補ながら、5歳馬のポテンシャルを引き出し、波乱の可能性を予感させた。**スプリンターズS(G1)**での経験も含め、坂井騎手は短距離から中距離まで、あらゆる路線で有力馬の騎乗依頼が絶えない状況にある。
BCクラシック制覇、世界基準で磨かれた技術
坂井瑠星騎手の2025年のハイライトは、国内に留まらない。11月2日(米国時間)に行われたブリーダーズカップ・クラシック(海外G1)において、フォーエバーヤングを勝利に導いた功績は計り知れない。これは、日本の若手騎手が海外の主要G1レースで頂点に立った歴史的な快挙であり、坂井騎手の国際的な評価を一気に押し上げた。
彼の海外遠征は、2017年のオーストラリア自主研修から始まり、UAE、アイルランド、アメリカへと多岐にわたる。2025年のサウジカップデーでの海外G1初制覇、そして今回のBCクラシック制覇は、単なるキャリアアップではなく、「世界基準」の技術を磨き続けた努力の賜物である。
JRAリーディング争い、トップ集団を猛追
国内に目を向けると、坂井瑠星騎手は現在、JRAの年間リーディングジョッキー争いで、トップ集団の一角を占めている(11月20日時点)。戸崎圭太騎手(119勝)が首位を独走する中、坂井瑠星騎手は103勝を挙げ、松山弘平騎手(113勝)、川田将雅騎手(98勝)、C.ルメール騎手(95勝)らと激しい2位以下のポジション争いを展開している。
勝率(17.0%)や連対率(28.8%)では、川田将雅騎手やC.ルメール騎手に一歩譲るものの、坂井騎手の強みは「徹底した準備」と「安定感」にある。彼は「僕は天才ではない」と公言し、ライバル騎手たちとは一線を画すほど、レース映像研究や血統分析に時間を費やす。また、逃げ先行スタイルを得意とし、レース展開の読みの鋭さも若手トップとしての地位を支えている。
年末大レースへの視界と今後の展望
年末に向けて、競馬ファンの最大の関心事は、坂井瑠星騎手がどの有力馬に騎乗するかだ。特に、フォーエバーヤングはBCクラシック制覇後、有馬記念への出走が濃厚視されており、坂井騎手とのコンビ継続が強く期待されている。また、マイルチャンピオンシップに出走したシャンパンカラーも、ジャパンカップや有馬記念への転戦が検討されており、坂井騎手の手綱捌きが注目される。
若くして国内外のG1タイトルを獲得し、JRAリーディング争いでも存在感を示す坂井瑠星騎手。彼の努力と才能は、2025年の日本競馬界に新たな風を吹き込み、年末の大舞台でのさらなる活躍は、もはや必然として期待されている。