レアル・マドリード、ジローナの堅守に阻まれ痛恨ドロー!バルセロナに首位明け渡し
ニュース要約: ラ・リーガ第14節、レアル・マドリードは降格圏のジローナと1-1で引き分け、バルセロナに首位の座を明け渡した。ジローナの組織的な守備に苦しみ、エンバペのPKで同点に追いつくも勝ち越しはならず。直近5試合で1勝と不振が続くレアルは、ベリンガムの負傷や審判判定への不満も噴出し、今後のタイトルレースに大きな影響を及ぼす痛手となった。
ラ・リーガ首位攻防戦:レアル・マドリード、ジローナの堅守に阻まれ痛恨のドロー—バルセロナに首位明け渡す
【マドリード発:2025年12月1日 共同】
スペインのサッカーリーグ、ラ・リーガは1日、2025/26シーズンの第14節を迎え、王者レアル・マドリード(愛称:レアル)がエスタディ・モンティリビでジローナと激突した。降格圏に沈むジローナの組織的な粘り強い守備の前に苦戦を強いられたレアル・マドリードは、1-1の引き分けに終わった。この結果、前日に勝利を収めていた宿敵バルセロナに勝ち点1差で抜き去られ、首位の座を明け渡す形となった。常勝軍団「白い巨人」の足元が揺らぎ始めている。
激戦の末の引き分け:ジローナの守備戦術が奏功
試合は序盤からレアル・マドリードがボールを支配し、ヴィニシウス・ジュニオールやキリアン・エンバペら攻撃陣が積極的にチャンスを創出した。しかし、ジローナは4-2-3-1のコンパクトな守備ブロックを敷き、ゴール前を固めた。特に前半はジローナの守備が効果的に機能し、レアルの攻撃を寸断。逆に前半終了間際の45分、ジローナはビクトル・ツィガンコフのアシストからアゼディン・ウナヒが先制点を挙げ、1-0でリードしてハーフタイムを迎えた。
後半に入り、アンチェロッティ監督率いるレアルマドリードは攻勢を強める。守護神ティボー・クルトワが数々のビッグセーブで追加点を許さない中、攻撃の糸口を探り続けた。そして67分、ヴィニシウスがペナルティエリア内で倒されてPKを獲得。これをエンバペが冷静に決め、待望の同点ゴールを挙げた。
その後もレアルは猛攻を仕掛けたが、ジローナの懸命な守備は最後まで崩れず、試合は1-1で終了。ジローナ 対 rマドリードのこの一戦は、勝ち点33に留まったレアルにとって、首位争いにおいて決定的な痛手となった。
揺らぐ王者の威厳とアンチェロッティの戦術的適応
レアル・マドリードはこれで直近5試合でわずか1勝と、シーズン序盤の勢いを完全に失っている。チームの不振の背景には、相手チームが徹底した守備ブロックを敷いてくることへの対応の遅れが指摘されている。
アンチェロッティ監督は、このジローナ戦を含む最近の試合で、戦術的な微調整を行っている。具体的には、非保持時には緻密で組織的な守備を徹底させつつ、ボール保持時にはヴィニシウスや中盤のベリンガムといった選手の創造性を活かすため、自由なプレーを許容するバランス重視のスタイルを採用している。これは、来たるチャンピオンズリーグを見据えた、戦術的柔軟性を高めるための長期的な戦略の一環と見られる。
しかし、この試合では中盤の要であるジュード・ベリンガムが負傷交代するというアクシデントが発生。攻撃のスイッチ役を担う彼の離脱は、チームにとって大きなマイナス材料となった。
審判判定への波紋と今後のラ・リーガ展望
試合後、レアル・マドリードの公式TVは、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)や主審の判定に対し、「腐敗している」とまで発言する厳しい批判を展開した。接戦が続くラ・リーガでは、僅かな判定の差が順位に直結するため、審判団への不満が公の場で噴出する異例の事態となった。
降格圏からの脱出を目指すジローナが示した粘り強さは、今季のラ・リーガが如何に予測不能であるかを物語っている。一方、首位奪還を目指すレアルは、次節以降、不振を払拭し、勝ち点を確実に積み重ねることが急務となる。
レアル・マドリードのスター選手たちは個々の能力で局面を打開しようと試みたものの、ジローナの献身的な組織守備を崩しきれなかった。アンチェロッティ監督の戦術調整が、短期的な結果に結びつくか、それとも長期的な成功への布石となるのか。今後のレアルの動向は、ラ・リーガのタイトルレースの行方を大きく左右するだろう。