森保ジャパン2-0ガーナ完勝!佐野海舟が中盤を制圧、W杯へ加速する「守備的進化」
ニュース要約: 森保ジャパンが難敵ガーナに2-0で完封勝利。中盤の核として佐野海舟が躍動し、高い位置でのプレッシングを体現した。久保・堂安の連動による追加点に加え、守備陣も安定しクリーンシートを達成。W杯を見据え、チームの「守備的進化」と若手の台頭を印象づけた。
森保ジャパン、難敵ガーナに堂々2-0完勝! 佐野海舟が中盤を制圧、W杯へ加速する「守備的進化」と若手の台頭
2025年11月14日、豊田スタジアムで開催されたサッカーキリンチャレンジカップ2025、日本代表対ガーナ代表の一戦は、終盤まで集中力を保った森保一監督率いる日本代表が2-0で完封勝利を収める結果となった。フィジカルに優れ、FIFAランキングでも日本と拮抗するアフリカの雄を相手に、課題であった守備の安定を取り戻し、新たな中盤の核となり得る佐野海舟(さの・かいしゅう)の台頭が際立つ、まさに「収穫の多い」一戦となった。
佐野海舟が体現した「前からの守備」
この日の森保ジャパンは、試合開始直後から高い位置でのプレッシングを徹底し、中盤の主導権を完全に掌握した。その中心にいたのが、佐野海舟である。
先制点となった前半16分のシーンは、佐野が体現する新時代の森保ジャパンの戦術を象徴していた。佐野が敵陣で積極的にボールを奪取し、そこから久保建英、そしてペナルティエリアに進入した南野拓実へとパスが繋がれ、南野が冷静にゴールを射抜いた。
佐野は試合後、メディアから「MVP級のパフォーマンス」と評された通り、中盤におけるボール奪取能力と危機察知能力で、攻撃陣が躍動するための土台を作り上げた。これまで、中盤の構成は常に森保監督の頭を悩ませる種であったが、佐野のダイナミズムは、チームに不可欠な強度と安定性をもたらしたと言える。
久保・堂安ラインの躍動と守備の修正
後半に入っても日本の勢いは衰えない。後半15分には、久保建英が相手守備陣の隙を突く鋭いパスを供給し、これを受けた堂安律が得意の左足でニアサイドを射抜き、貴重な追加点をマーク。久保と堂安という、現在の日本代表の攻撃を牽引する両輪の連動性が機能したことで、攻撃の多様性が証明された。
さらに特筆すべきは、直近の試合で複数失点を喫していた守備陣が、この難敵ガーナを相手に見事に修正し、クリーンシートを達成した点だ。ガーナは強力な攻撃陣を擁しているが、この日は終始危険な場面をほとんど作らせず、GK早川友基を含む守備ブロック全体が連動。無失点での勝利は、ワールドカップ本戦を見据えた上で、チームにとって最大の成果であり、森保監督の戦術が浸透し始めた証左と言えるだろう。
若手起用の余裕と残された課題
森保監督は、試合終盤に田中碧、藤田譲瑠チマに加え、北野颯太や後藤啓介ら多くの若手・新戦力を投入した。初招集組をデビューさせる余裕すら見せたこの柔軟な采配は、「次世代の育成」と「戦術の多様化」を意識したものであり、チーム全体の層の厚みを測る機会となった。
しかし、課題も明確に残された。先発した田中碧は、佐野の躍動の陰に隠れ、状況判断の遅さが目立ち、アピールには物足りない内容に終わった。中盤のポジション争いが激化する中、田中にとっては危機感を感じる結果となったはずだ。また、チャンスの数に対して決定力が不足している点や、若手選手のさらなる即戦力化も求められる。
森保監督も試合後、「ガーナのような組織的に守備を固めてくる相手をどう崩すか、W杯に向けて良い準備になった」と述べ、課題克服への意欲を示している。
W杯に向けた確かな手応え
今回のガーナ戦勝利は、単なる親善試合の勝利に留まらない。佐野海舟という新たな「中盤の制圧者」の台頭と、守備の安定という土台を固めたことで、森保ジャパンはW杯に向けた確かな手応えを得た。次なる強豪国との対戦を通じ、さらに攻撃の精度と決定力を高められるか。日本代表の進化から、今後も目が離せない。