異色タッグ!森田望智×バカリズム『巡るスワン』が描く「日常」の価値と新朝ドラ像
ニュース要約: 2027年度前期のNHK朝ドラ『巡るスワン』は、主演・森田望智と脚本・バカリズムという異色の組み合わせで注目を集めている。物語は生活安全課が舞台。「事件を未然に防ぐ」地道な日常の中に潜む価値をユーモアと温かい視線で描くヒューマンコメディー。従来の朝ドラ像を覆し、平穏な日常の尊さを問いかける新時代の作品として期待が高まっている。
異色タッグが挑む「何も起こらない日常」の価値:森田望智主演、バカリズム脚本『巡るスワン』が示す新時代の朝ドラ像
2027年度前期のNHK連続テレビ小説『巡るスワン』(まわるスワン)の制作発表が、芸能界のみならず社会全体に新たな波紋を広げている。主演に実力派女優の森田望智(もりたみさと)を迎え、脚本を天才的な観察眼を持つバカリズムが手掛けるという異色の組み合わせは、従来の「朝ドラ」の常識を覆す挑戦として、早くも大きな話題を集めている。
特に注目されるのは、物語の舞台が、これまでドラマの題材としては極めて珍しい「生活安全課」である点だ。事件を解決する刑事課ではなく、「事件を未然に防ぐ」ことを使命とする生活安全課を軸に、「何も起こらない日常を守る」ことの尊さを描くヒューマンコメディーだという。
繊細な日常を描く「憑依型」女優、朝ドラヒロインへ
主演を務める森田望智は、近年、その卓越した演技力で着実に評価を高めてきた。2021年度前期『おかえりモネ』や『虎に翼』など、過去の朝ドラにおいても脇役ながら強烈な存在感を放ち、視聴者からは「憑依型」と称されるほど、役柄の心の機微を繊細に表現する手腕が評価されてきた。
彼女が今回のヒロインに抜擢された背景には、まさにその「繊細さ」にある。『巡るスワン』の主人公は、刑事に憧れ警察官になったものの、配属された生活安全課で、地味で地道な業務に葛藤しながらも、日常の中に潜む小さな違和感やほころびを見つけ出し、市民の安全を守る道を見出していく女性だ。
制作側は、森田望智の演技について、「大げさな演出がなくとも、その違和感をそっとすくい上げ、視聴者の心に静かに届けていく力がある」と高く評価している。派手な成功や劇的な展開ではなく、「日常に溶け込むような朝ドラ」(朝ドラ森田望智)を目指す本作において、彼女の自然体でありながら深い表現力は不可欠な要素となる。
バカリズムがNHK朝ドラ脚本に初挑戦
そして、今回の最大の驚きは、脚本をバカリズムが担当することだろう。お笑い芸人としてだけでなく、『架空OL日記』や社会現象を巻き起こした『ブラッシュアップライフ』など、日常の些細な出来事や会話の”ズレ”をコミカルかつ哲学的に描き出す脚本家として、既に高い評価を確立している。
バカリズムがNHKの朝ドラ脚本を手掛けるのは今回が初となる(バカリズム 朝ドラ)。彼が生活安全課という題材を選んだ理由もまた、彼の独自の視点を反映している。
「生活安全課は、事件が起こらないことが成果。だからこそ、ドラマの題材になりにくい」という従来の定説に対し、バカリズムはそこにこそ魅力を感じたという。従来の朝ドラが描いてきたような、主人公が大きな夢や目標に向かって突き進み、成功を掴む物語とは一線を画し、地道な仕事の中に人生の価値を見出す過程を、ユーモアと温かい眼差しで描くことが期待されている。
バカリズム ドラマの特徴である、視聴者が共感できる「あるある」ネタや、軽妙な会話劇が、毎朝のルーティンに笑いと明るさをもたらすだろうという予測から、視聴者の期待は非常に高い。彼は「毎朝笑って明るくなれるドラマがいい」と意気込みを語っており、長期間にわたる物語を通じて、日常の風景を深く掘り下げていく。
「まわるスワン」が問いかける現代社会の価値観
『巡るスワン』のテーマである「何も起こらない日常を守る」というメッセージは、激動の現代社会において、改めて日常の平穏がどれほど貴重かを問いかける。主人公が佐和湖に浮かぶ白鳥号(スワン)を見つめながら、「今日も何も起こらなかったな」と安堵するシーンは、この物語の核を表している。
森田望智の繊細な「静」の演技と、バカリズムの緻密な「動」の脚本が融合することで、視聴者は、自分自身の日常のルーティンや、身近な人々の存在の価値を再認識させられるに違いない。
2027年春の放送開始に向けて、この異色のタッグが、伝統ある朝ドラというフォーマットの中で、どのような革新を生み出すのか。朝ドラ バカリズムという新しい組み合わせは、日本のドラマ界に新たな風を吹き込む試金石として、今後も大きな注目を集め続けるだろう。