箕面の象徴「もみじ天ぷら」店が全焼:紅葉ピーク直撃、観光客に動揺広がる
ニュース要約: 11月24日深夜、大阪府箕面市の箕面の滝周辺で大規模火災が発生し、約1300年の歴史を持つ名物「もみじの天ぷら」を販売する老舗茶店が全焼した。紅葉のピークを直撃し、滝へのアクセスが制限されるなど観光客に動揺が広がっている。警察と消防は出火原因を慎重に調査中。
【独自】紅葉の箕面を襲った炎:名物「もみじの天ぷら」店全焼、観光客に広がる動揺
2025年11月26日 箕面市
秋の深まりとともに、年間を通じて最も多くの観光客が訪れる大阪府箕面市の「明治の森箕面国定公園」において、11月24日深夜、大規模な火災が発生した。観光名所である箕面の滝の目前に位置する茶店が全焼し、紅葉シーズンの観光に深刻な影響を与えている。警察と消防は現在、出火原因について失火、放火の両面から慎重に調査を進めている。
観光の象徴を焼いた深夜の火災
火災が発生したのは、箕面大滝直下の休憩所エリアにある茶店「みのお滝茶屋 楓来坊」だ。24日午後11時過ぎ、「火が見える」との通行人からの通報を受け、消防車約20台が出動。火は木造の店舗を瞬く間に包み込み、周辺の木々にも延焼したが、約2時間半後にほぼ鎮火した。
幸いにも、店舗は営業時間外で無人であり、この箕面 火事によるけが人は発生していない。しかし、店舗は全焼し、紅葉のピークを迎えていた観光地は騒然となった。
焼失した「楓来坊」は、もみじ天ぷらを販売する老舗として知られ、滝を訪れる多くの人々にとって休憩の場であり、思い出の象徴でもあった。地域経済にとって重要な文化施設が失われたことは、単なる物損以上の打撃として受け止められている。
1300年の歴史を持つ「もみじの天ぷら」の伝統
この火災で失われた店舗が提供していたもみじの天ぷらは、箕面を代表する郷土の味覚である。約1300年前に修験道の開祖とされる役の行者が旅人に供したのが始まりとされ、秋に収穫し塩漬けにしたもみじの葉を、丁寧に衣で包んで揚げるという独特の製法を持つ。
箕面市観光協会関係者は、「もみじの天ぷらは、単なる土産品ではなく、箕面の歴史と文化を伝える生きた証だった。特に滝の目の前で営業していたこの店が失われたことは、観光客の体験価値を大きく損なう」と懸念を示している。
紅葉シーズンのピーク直撃、アクセス制限が長期化
箕面の滝 火事の発生は、ちょうど紅葉が最も見頃を迎える時期と重なった。現在、箕面公園では「明治の森箕面国定公園もみじまつり」が開催されており、例年、この時期は阪急箕面駅から箕面の滝へと続く約2.8kmの散歩道「滝道」が最も賑わう。
しかし、火災の影響により、滝道の一部と滝前のエリアが立ち入り禁止となっている。公園管理事務所は「箕面大滝へは行けません」と案内しており、多くの観光客が滝の手前で引き返す事態となっている。また、火災による設備損傷のため、予定されていたライトアップも12月7日まで中止が決定された。
このアクセス制限は、紅葉目当てに遠方から訪れた観光客に大きな動揺を与えており、地域全体の観光収入への影響も避けられない状況だ。
出火原因の徹底究明と防火対策の課題
現在、警察と消防は現場検証を進め、出火原因の特定を急いでいる。茶店の関係者は、閉店時に火元の確認を済ませていたと証言しており、ストーブなども使用していなかったという。このため、警察は失火だけでなく、放火の可能性も含めたあらゆる角度から捜査を続けている。
今回の火災は、自然公園内の木造建築が密集する観光地における防火対策の脆弱性を改めて浮き彫りにした。箕面公園は豊かな自然に囲まれており、延焼リスクが高く、緊急時の消火活動も困難を伴う。
専門家は、「観光地における防火管理は、個々の店舗の努力だけでなく、自治体や公園管理事務所が連携した厳格なルール作りと定期的な点検が不可欠だ。特に夜間や休業時の安全管理体制の強化が喫緊の課題である」と指摘する。
紅葉の美しさとは裏腹に、地域の名物と歴史的景観を脅かした今回の火災。一刻も早い原因の究明と、失われた観光資源の復旧に向けた取り組みが待たれる。(社会部・山下)