【前橋市長辞職へ】小川晶氏、スキャンダルで信頼崩壊 市政継続の行方
ニュース要約: 前橋市の小川晶市長が、職員との不適切な関係スキャンダルにより辞職へ向かう見通しとなった。報道後、市には約5,000件の苦情が殺到し、市民の信頼は崩壊。しかし、インフラ整備や子育て支援など政策の継続性を求める声も根強く、前橋市政は「リーダーの資質」と「政策の継続性」という重い課題に直面している。
「前橋市長 小川晶」氏、辞職へ向かう見通し 政策実行の渦中に信頼回復の壁
【前橋】 2025年11月25日、戦後最年少の女性市長として期待を集めた前橋市の小川晶市長(42)が、公私にわたる問題により辞職へ向かう見通しであることが、関係者への取材で明らかになった。9月に発覚した既婚男性職員との不適切な関係を巡る報道以降、市民の信頼は大きく損なわれ、市政の停滞が懸念されている。市民からは「一刻も早い辞任」を求める厳しい声が上がる一方、「政策の継続性を担保すべき」という擁護の声も混在しており、前橋市政は極めて複雑な局面に立たされている。(共同通信社・政治部特別取材班)
スキャンダルで揺らぐ市政、5000件に上る苦情
小川晶氏がトップに就任して以来、弁護士資格を持つ知性派として、行政改革や子育て支援に意欲的に取り組む姿勢は評価されてきた。しかし、2025年9月に報道された職員との「密会問題」は、小川市長への期待を一転させた。
市役所には10月2日までに約5,000件に上る苦情や意見が殺到。市民の怒りの深さが浮き彫りとなった。11月中旬には、市長の進退を問う市民との公開対話集会が開催されたが、参加者からは「市民の信頼を裏切った」として辞職を要求する声が相次いだ。
当初、小川晶市長は「市民の声を重く受け止め、対話を通じて今後を決めていきたい」と述べており、27日に提出予定とされていた不信任決議案への対応も注目されていた。しかし、市政の混乱が長期化する中、11月25日現在、辞職に向けた動きが加速している模様だ。
辞職報道の中でも進む2026年度予算案の骨子
公私混同の批判が高まる中でも、前橋市の行政は待ったなしの状況にある。前橋市長として小川市長が掲げてきた「前橋に暮らして良かったと思えるまちづくり」の実現に向け、2026年度予算編成は着々と進められている。
特に注目されるのは、公共工事の早期着手を目的とした「ゼロ市債」方針の継続である。道水路補修改良事業や水道施設改良事業、前橋工科大学改築工事など、市民生活に直結するインフラ整備や教育施設への投資が重点的に盛り込まれた。厳しい財政状況下で、老朽化が進むインフラへの対応は急務であり、小川市長の政策姿勢が予算案に反映された形だ。
また、前橋市が直面する人口減少や高齢化という構造的な課題に対し、小川市長はコンパクトシティ政策の推進を掲げてきた。LRT導入事例などを参考に、無秩序な都市拡大(スプロール現象)を抑制し、地域ネットワークを活かした持続可能な都市構造への転換を目指す方針は、次期「第八次総合計画」の策定支援にも強く示されている。
さらに、市長報酬の半減分(約3000万円)を市民サービスに充てる方針を示すなど、信頼回復と政策実行の両立を図ろうとする姿勢が見て取れる。
市民評価は二分、市政継続への複雑な期待
小川市長を巡る市民の評価は、単なるスキャンダルへの批判だけでは語れない複雑さを持つ。特に、子育て世帯への給付金拡大など、具体的な成果を期待していたママさん世代や、行政のデジタル化、福祉分野の改革に期待を寄せていた層からは、「個人の問題で市政が停滞するのは避けるべきだ」として、政策の継続性を求める声も根強く存在する。
しかし、地方政治において首長の倫理観は市政運営の基盤であり、信頼の欠如は政策実行力そのものを揺るがす。今回の事態は、前橋市民が「リーダーの資質」と「政策の継続性」のどちらを優先すべきか、という重い問いを突きつけた。
仮に前橋市長 小川晶氏が辞職に至った場合、次期市長選までの空白期間の発生は避けられない。人口減少、インフラ老朽化という喫緊の課題を抱える前橋市にとって、政治的混乱は経済活性化政策の推進に重大な影響を及ぼしかねない。
前橋市政は、現職市長の進退決定を受け、信頼回復と、市民が「暮らして良かった」と思える未来像の実現という、二重の試練に直面している。(了)