浅倉カンナ、電撃復帰の真相：母となり挑む大晦日RIZIN「一本勝ち」への執念

浅倉カンナ、電撃復帰の真相に迫る：大晦日RIZINへの道筋と「一本勝ち」への執念

【特報】引退から一年、家庭を経てリングへ。浅倉カンナが目指す「いい勝ち方」

総合格闘技界を驚かせたニュースから約一ヶ月、元RIZIN女子スーパーアトム級ワールドグランプリ王者の浅倉カンナ選手（28）が、2025年大晦日に開催される「RIZIN師走の超強者祭り」で電撃的に現役復帰を果たす。2024年9月の伊澤星花戦をもって一度はグローブを置き、結婚、出産という人生の大きな節目を迎えた浅倉選手が、なぜ再び過酷なリングに上がる決断をしたのか。復帰戦に向けた最新のトレーニング状況と戦略、そしてその胸中に迫る。

引退と「新婚生活」を経て、再び照準を定めたリング

浅倉カンナ選手は、RIZIN女子スーパーアトム級において常にトップ戦線で活躍し、特に2017年のグランプリではRENA選手を破って優勝を飾った実績を持つ。しかし、2024年に現役引退を発表。その後、2025年7月に結婚を報告し、第一子を授かるなど、格闘家とは異なる「第二の人生」を歩み始めていた。SNSでは、三軒茶屋のセレクトショップでの勤務や、充実した新婚生活の様子がシェアされ、ファンもその幸せな日常を見守っていた。

それだけに、今回の復帰劇は極めて異例だ。関係者によると、彼女の再起の動機は「格闘技には夢がある」という、引退前と変わらない純粋な思いに加え、家庭を持ったことで生まれた「強さ」への新たな探求心にあるという。

復帰戦に向けた万全の調整：公開練習で披露した進化

大晦日を控え、浅倉選手はすでにコンディションをピークに近づけている。12月25日には、神奈川県内のRISINGSUNジムで公開練習が実施され、多くの報道陣とファンがその様子を注視した。

公開されたトレーニングでは、ブランクを感じさせないキレのある動きが目立った。特に重点が置かれているのは、対戦相手である「あい」選手の「打撃スピード」への対応だ。浅倉選手は、過去の試合で度々見せてきた「打撃への臆さないタックル」をさらに進化させ、相手の攻撃を誘い出してからのカウンタータックル成功率を高める練習に時間を割いている。

フィジカル面では、週3回の実戦形式の練習に加え、週2回のメディカルチェックを実施。体調は万全で、精神面でも「ラストマッチ」ではなく「新たな挑戦」と位置づけ、前向きな姿勢を保っている。

戦略の鍵は「一本勝ち」：過去の敗戦を糧に

今回の復帰戦における浅倉選手の戦略は明確だ。それは「判定勝ち」ではなく、「一本勝ち」で試合を終わらせること。

過去、浅倉選手は2025年3月の浜崎朱加戦や、引退試合となった伊澤星花戦など、トップファイターとの激戦でスプリット判定や判定負けを喫してきた。この経験から、「いい勝ち方をしてベルトを取りたい」という強い願望を抱いている。

対戦相手「あい」選手が打撃戦に持ち込みたい傾向があるのに対し、浅倉選手は「距離を詰め、タックルで試合をコントロール」するグラウンド戦略を徹底する構えだ。得意とするバックチョークや腕十字を狙うタイミングは、相手のスタミナが落ちる後半と見定めている。

アトム級トップ戦線への再挑戦と、母としての強さ

浅倉カンナ選手は、常にRIZIN女子アトム級トップ戦線を牽引してきた存在だ。引退からわずか一年での復帰は、再び国内最高峰のベルトを狙うという強い意志の表れに他ならない。

彼女の復帰は、単なる格闘家としての再出発ではない。母となり、妻となった女性が、再び厳しいプロの舞台に挑むというドラマ性を含んでいる。公開練習後のインタビューで浅倉選手は「家庭の支えが、私をより強くしてくれた」と語った。

大晦日のリングは、彼女にとってブランクを埋める場ではなく、新たな強さを証明する場となる。2025年の師走、浅倉カンナがどのような「いい勝ち方」で格闘技界に再び旋風を巻き起こすのか、ファンならずともその一挙手一投足から目が離せない。