【J3終幕】鹿児島ユナイテッド、劇的ドローも昇格叶わず 4位でシーズン終了、相馬体制に幕
ニュース要約: J3リーグ最終節、鹿児島ユナイテッドは琉球と1-1で引き分け、勝ち点66の4位でシーズンを終え、J2昇格を逃した。武星弥の劇的同点弾で粘りを見せたものの、昇格圏には届かず。相馬体制は終焉を迎え、来季の再構築、特にGK補強が急務となる。
【J3激戦の終幕】鹿児島ユナイテッド、劇的ドローも昇格の夢叶わず 4位でシーズン終了、相馬体制に幕
2025年11月23日
明治安田J3リーグは23日、各地で第37節が行われ、J2昇格を目指す鹿児島ユナイテッドFCは白波スタジアムでFC琉球OKINAWAと対戦し、1-1で引き分けた。この結果、鹿児島は今季を4位で終えることが確定し、悲願のJ2昇格は叶わなかった。試合は、後半アディショナルタイムに武星弥選手が劇的な同点ゴールを叩き込み、スタジアムに集まった10,036人の大観衆を熱狂させたものの、勝ち点「66」でのJ3残留となった。
最終盤の粘りを見せるも、昇格圏には届かず
白波スタジアムで行われた今節は、J2昇格への望みを繋ぐための重要なj3 試合となった。序盤から激しい攻防が繰り広げられたが、鹿児島は前半3分に琉球の浅川隼人選手に先制を許し、苦しい展開となる。
相馬直樹監督は、相手のハイプレスに対応するため、後半に入り戦術的な修正を施した。特に中盤のポジショニングを見直し、ボールの保持と展開を意識したことで、攻撃のリズムを取り戻し始めた。右サイドの間渡谷選手や左サイドの山本竜平選手を起点としたサイド攻撃でチャンスを創出するも、琉球の堅守を崩しきれない時間が続く。
しかし、スタジアムの熱気が最高潮に達した後半アディショナルタイム(90+2分)、土壇場でドラマが待っていた。コーナーキックからのクロスを、途中出場の武星弥選手が頭で押し込み、土壇場で同点に追いつく。試合はそのまま1-1で終了。劇的な結末は、今シーズンのj3速報の中でも特筆すべき粘り強さを示すものだったが、最終的な勝ち点差を覆すには至らなかった。
相馬監督は試合後、「最後に追いつかれたのは残念だが、選手たちは最後まで勝利を目指して戦った」とコメントし、今季の成長の一端として「セットプレーの精度が上がった」点を挙げた。
勝ち点66、4位に終わった今季の課題
鹿児島ユナイテッドは今季、18勝12分7敗、勝ち点66という成績を収めた。これは十分にJ2昇格を争える水準ではあったものの、上位3チームの壁は厚く、惜しくも4位でのフィニッシュとなった。特に引き分けの多さ(12)が、終盤の昇格争いにおいて響いた形だ。
情報筋によると、今季の戦術的な変化として、前半の失点を減らすための守備の組織化、そして後半の逆転力を高めるための攻撃の多様化を試みてきた。特に、中盤の連携強化とセットプレーの精度向上は大きな成果として表れたが、監督が課題として挙げる「試合の流れを読む力」や、決定機での精度の向上が、最終的な目標達成には不可欠であったと言える。
この日の観客動員数10,036人は、クラブに対する地域の期待の大きさを物語っている。サポーターの熱い声援が、選手たちの粘り強い戦いを支えたことは疑いようがない。
相馬体制の終焉と来季の再構築:GK補強が急務
今季の終了は、クラブにとって大きな転換点となる。すでに相馬直樹監督兼GMの退任が発表されており、クラブは来季に向けて新体制で臨むことになる。J2昇格を逃した今、クラブはより競争力のあるチーム編成を急務としている。
特に補強戦略において重要視されているのが、ゴールキーパー(GK)の強化だ。現在のGK陣の年齢構成や契約状況を鑑み、J2昇格を見据えた上で、主力と競い合える経験豊富なGKの獲得が最重要課題とされている。
また、J3で活躍した主力選手の引き抜きリスクへの対応も喫緊の課題だ。期限付き移籍中の選手の残留交渉や、若手選手の育成と流出防止策を同時に進める必要があり、クラブのフロントは難しいかじ取りを迫られる。シーズン最終戦のセレモニーでは、クラブと選手が共に進化を目指す姿勢が強調されたが、来季の競争力を高めるためには、新監督の下で戦術の再構築と、的確な補強が不可欠となる。
鹿児島ユナイテッドは、J3リーグの激戦を経験し、着実に成長を遂げてきた。悔しいシーズン終了となったが、この経験を糧に、2026年シーズンこそは悲願のJ2昇格を果たすべく、クラブ一丸となって再出発を図る。(了)