ジュビロ磐田、劇的勝利でPO進出！1万人超が走ったジュビロマラソンが示す地域熱狂

磐田の熱狂、スポーツが繋ぐ地域一体感：ジュビロマラソン成功とJ1復帰への道

劇的勝利と市民の汗、感動に包まれた11月最終週

2025年11月最終週、静岡県磐田市はスポーツの熱狂に包まれた。サッカーJ2のジュビロ磐田が前日のリーグ最終戦で劇的勝利を収め、J1昇格プレーオフ（PO）への切符を手繰り寄せると同時に、翌30日には地域最大の市民参加型イベント「第28回ジュビロ磐田メモリアルマラソン」が盛大に開催された。クラブの躍進と、それを支える地域コミュニティの活力が連動し、スポーツを通じた磐田市のブランド力向上が顕著となった週末であった。

第1章：歓喜の終幕、ジュビロ磐田 試合がもたらした昇格PO進出

ジュビロ磐田は11月29日、アウェイでのサガン鳥栖とのJ2最終節に臨み、緊迫した展開の末、2対1で勝利を収めた。この試合は終盤にドラマが待っていた。後半88分に同点に追いつかれたものの、アディショナルタイムの90分＋5分、マテウス・ペイショットからのスルーパスを受けたリカルド・グラッサ選手が冷静に決勝弾を決め、土壇場で勝ち点3を獲得。この勝利により、磐田は順位を7位から5位に押し上げ、辛くもJ1昇格プレーオフ出場圏内に滑り込んだ。

1年でのJ1復帰を目指すジュビロにとって、この勝利は単なる勝ち点以上の意味を持つ。終盤まで諦めない姿勢は、チームの士気を高めるとともに、ファン・サポーターに大きな希望を与えた。12月7日に控える4位徳島ヴォルティスとのPO準決勝に向け、チームはさらなる集中力と安定したパフォーマンスが求められる。

第2章：地域を駆け抜けた1万人超の熱気、ジュビロマラソン2025の成功

クラブが劇的な勝利を収めた翌日、11月30日には、ホームスタジアムであるヤマハスタジアムを発着会場とする「ジュビロマラソン」（正式名称：ジュビロ磐田メモリアルマラソン）が開催された。

第28回を迎えた本大会には、ハーフマラソン、5km、3km、そして仮装部門など多彩な種目に総勢9,449組、10,301人が参加。これは地域の一大イベントとしての定着ぶりを示す数字となった。リアルタイムで順位が更新される中、ランナーたちは沿道の熱い声援を受けながらゴールを目指した。

特に注目されたのは、クラブとランナーとの交流だ。現役のジュビロ磐田トップチーム選手も大会に参加し、ランナーとともに汗を流す姿は、地元ファンにとって大きな喜びとなった。選手たちが地域の一員としてイベントを盛り上げることで、クラブと住民との間に強固な一体感が醸成されている。

完走証は大会終了後すぐにオンラインで発行され、参加者は感動をすぐに共有できる仕組みが整っていた。また、ユニークなコスチュームで会場を沸かせた仮装大賞など、競技性の枠を超えた「ファンラン」の要素も、本大会の魅力となっている。

第3章：スポーツが牽引する地域社会：経済とコミュニティへの波及効果

ジュビロマラソンは、単なるスポーツイベントに留まらず、磐田市の地域経済とコミュニティの活性化に大きく貢献している。

大会期間中、参加者やその家族による宿泊・飲食需要が高まり、磐田市内の宿泊施設や飲食店は賑わいを見せた。また、ヤマハスタジアム周辺には多くの出店が並び、お祭りのような雰囲気を創出。エイドステーションでは、地元のJA遠州中央などが協力し、特産品である「海老芋」や「ライオンメロン」が提供されるなど、地場産品のPRの場としても機能した。

大会運営は、ボランティアや地元企業、自治会役員など地域住民の協力が不可欠であり、地域コミュニティの連携強化に大きく寄与した。クラブは「Jリーグ昇格記念」を契機にこのマラソン大会を継続的に開催しており、健康増進、スポーツ文化の普及、そして地域経済の活性化という多角的な社会貢献を実践している。

展望：J1復帰と継続する地域貢献

11月最後の週末は、ジュビロ磐田 試合の勝利による歓喜と、ジュビロマラソン2025の成功という二つの大きな出来事により、磐田市の活力を全国に発信する機会となった。

クラブは今後、J1昇格プレーオフという正念場を迎える。一方、地域貢献活動としてのマラソン大会は、2026年以降の継続的な開催が期待されている。スポーツの力を核として、クラブと地域が一体となり、さらなる発展を遂げることが、今後の磐田市の大きなテーマとなるだろう。市民の期待を背負ったジュビロ磐田の選手たちが、昇格という最高の形でこの熱狂に応えることができるか、注目が集まる。（了）