JLPGA最終戦リコーカップ開幕！地元・永峰咲希が岩井明愛と首位タイ発進

JLPGAツアー最終決戦、宮崎で火蓋を切る──新女王の重圧と地元勢の躍進

【宮崎】 2025年シーズンの国内女子ゴルフツアーを締めくくる最終戦、「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 2025」が11月27日、宮崎カントリークラブ（宮崎CC）で開幕した。年間女王争いはすでに佐久間朱莉選手が制しているものの、高額な優勝賞金（3000万円）と、来季シード権の明暗を分ける年間賞金ランキングの最終決定戦として、40人の精鋭が難コースに挑んでいる。

初日は地元宮崎出身の永峰咲希選手と、今季安定した活躍を見せる岩井明愛選手が「67」（5アンダー）をマークし、首位タイに並ぶ白熱の展開となった。1打差の3位には、4つのパー3を全て制覇するという離れ業を見せた古江彩佳選手がつけており、最終戦にふさわしい、実力伯仲の幕開けとなった。

地元・永峰、生涯ベストで魅せる宮崎の熱狂

今大会の最大の注目点の一つは、難攻不落の宮崎CCが選手たちに要求する戦略性だ。1960年開場の歴史あるシーサイドコースは、海風の影響を強く受け、一打のミスが命取りとなる。

その難コースで躍動したのは、地元宮崎県出身の永峰咲希選手だった。今季3勝を挙げている永峰選手は、この最終戦で「多分、生涯ベスト」と語る会心のゴルフを展開。地元ファンの熱烈な声援を背に、難関ホールを次々と攻略し、リーダーボードの最上段に名を連ねた。

もう一人の首位、岩井明愛選手もまた、シーズンを通して培ってきた高い技術と勝負強さを発揮。永峰選手との熾烈な優勝争いを予感させる好発進となった。

そして、1打差で追いかける古江彩佳選手のゴルフは特に印象的だ。彼女はパー3全てでバーディを奪取するという驚異的な集中力を見せつけ、最終日の混戦を予期させる。

新女王・佐久間の重圧と賞金ランキングの行方

今年のリコーカップは、年間女王の座がすでに確定しているという点で、例年とは異なる様相を呈している。前週に初の年間女王戴冠を決めた佐久間朱莉選手が、賞金ランキングトップの座を確固たるものにするべく出場している。

しかし、初日はイーブンパーの18位タイと、女王としてのプレッシャーか、やや伸び悩むスタートとなった。佐久間選手は、女王の座を最後まで争った神谷そら選手（今季2勝）と同組でプレーし、多くのギャラリーの視線を集めた。

佐久間選手が賞金ランキングを維持できるか、あるいは後続が最終戦の高額賞金で逆転を狙うのか。特に、年間賞金ランキングは来季のシード権にも直結するため、40人の出場選手にとって、一打一打が未来を左右する重い意味を持つ。

また、前年の優勝者である桑木志帆選手は初日を28位タイと苦しいスタートとなり、連覇への道のりは険しい。対照的に、同じく地元出身の柏原明日架選手は首位と3打差の8位タイにつけており、週末の巻き返しが期待される。

週末への展望とリコーカップの意義

リコーカップ 2025は、予選落ちがない4日間72ホールのストロークプレー形式で行われるため、全選手が最後まで競い合い、ドラマを生み出す機会が担保されている。宮崎CCには、この最終決戦を見届けようと多くのギャラリーが詰めかけており、選手たちの好プレーへの熱狂的な声援が、大会全体の熱気を高めている。

特に、永峰選手のような地元勢の活躍は、宮崎のゴルフファンにとって大きな喜びであり、大会の盛り上がりを一層加速させている。チケットは一部完売するほどの盛況ぶりで、国内女子ゴルフへの関心の高さを裏付けている。

この最終戦は単なるタイトル争いに留まらない。来季の勢力図を占う重要な舞台であり、若手ルーキーやベテラン勢が、新しいシーズンへの弾みをつけるべく全力を尽くす。岩井明愛選手や古江彩佳選手といった若手注目株が上位を占める展開は、来季のツアーがさらに世代交代の波に洗われることを示唆している。

週末に向け、宮崎の難コースで繰り広げられる賞金ランキングの最終決着と、栄えあるリコーカップのタイトル争いから、一瞬たりとも目が離せない。大会の最終的な優勝者速報と、白熱の最終ラウンドのハイライトは、今後の情報更新を待ちたい。