2026年へ:造幣局の記念貨幣戦略と世界をリードする偽造防止技術の最前線
ニュース要約: 造幣局は2026年に向け、国立公園制度100周年記念貨幣や恒例貨幣セットの準備を進めている。国際的な記念貨幣市場が活況を呈する中、日本の造幣局は「虹色発色」や「異形斜めギザ」などの世界トップレベルの偽造防止技術を駆使し、貨幣の信頼性を支え続けている。
日本の貨幣技術の最前線と2026年への展望:造幣局の記念貨幣戦略と進化する偽造防止技術
【大阪/東京】 2025年11月27日、年の瀬を迎え、日本の造幣局は来たる2026年(令和8年)に向けた記念貨幣の発行準備と、恒例の貨幣セット販売で多忙を極めている。特に、貨幣収集家の間で注目が集まるのは、2026年以降に発行が予定されている「国立公園制度100周年記念貨幣」の詳細、そして造幣局が誇る最先端の偽造防止技術の動向だ。国内の記念貨幣需要が高まる中、造幣局の戦略と、世界に通用する日本の技術力に焦点を当てる。
2026年、国立公園銀貨に高まる期待
日本の造幣局が公表している令和8年以降の発行予定記念貨幣リストによると、次なる大型企画は「国立公園制度100周年記念貨幣」シリーズである。具体的には、日光国立公園と阿蘇くじゅう国立公園を題材とした1,000円銀貨幣が、令和8年(2026年)に発行される見込みだ。
しかし、現時点(2025年11月27日)では、これらの記念貨幣に関する予約受付開始日は未発表であり、収集家は今後の造幣局からの正式な情報公開を待ち望んでいる状況だ。2025年日本国際博覧会記念貨幣(第三次発行)の通信販売受付が終了し、年末の恒例商品である通常プルーフ貨幣セットや記念日貨幣セットの販売が進行する中、2026年の記念貨幣の抽選倍率も高騰することが予想される。
また、既存の記念貨幣に対する需要も極めて旺盛だ。特に「ドラゴンボール40周年記念貨幣セット」は、人気に応える形でプルーフ仕様版、通常版ともに増産が決定しており、造幣局の記念貨幣事業の好調ぶりを裏付けている。
国際市場と造幣局の存在感
目を海外に転じると、世界各国の造幣局も2026年に向けた活発な動きを見せている。英国王立造幣局(ロイヤルミント)は2026年の干支である「午(うま)」をモチーフとしたプルーフ金/銀貨を発売し、既に日本国内の公式代理店を通じて予約販売が開始されている。
さらに、世界的なイベントである「FIFAワールドカップ2026」の公式記念コインの第1次予約販売も始まっており、フランス国立造幣局、王立スペイン造幣局、アルゼンチン造幣局が鋳造を担当している。米国造幣局(United States Mint)は、2026年発行予定の「アメリカン・イノベーション$1コインプログラム」において、カリフォルニア州代表として故スティーブ・ジョブズ氏の肖像を採用するなど、国際的な記念貨幣市場は熱気を帯びている。
信頼を支える先端技術:虹色発色と微細加工
貨幣の信頼性を担保する上で、造幣局の技術力は不可欠である。特に、近年の貨幣製造技術の進化は目覚ましい。2021年11月から流通している新しい500円硬貨には、高度な偽造防止技術が複合的に採用されている。
その中核をなすのが、光の干渉を利用して表面を虹色に発色させる「虹色発色技術」や、切削・微細加工による「微細文字」だ。さらに、貨幣の輪郭に沿って刻まれる「異形斜めギザ」は、視覚と触覚の両面から偽造を困難にしている。素材面では、銅、亜鉛、ニッケルを組み合わせた「バイカラー・クラッド」技術が利用されており、これは造幣局の貨幣製造技術の維持・向上への取り組みを示す好例である。
また、収集家向けに製造される「プルーフ硬貨」は、鏡面仕上げなど特別な加工を施すことで、貨幣の美観と価値を高めている。これらの技術は、通常貨幣のみならず、2025年日本国際博覧会記念貨幣のような記念貨幣にも応用され、日本の造幣局が世界トップレベルの技術力を保持し続けていることを示している。
文化と歴史を伝える造幣博物館
造幣局は、貨幣製造の拠点であると同時に、日本の文化と歴史を伝える役割も担っている。大阪の造幣博物館では、現在「新時代のヴィーナス! 装飾芸術百年展」が開催されており、フランスの高級宝飾ブランドの作品を通じて、造幣局の金属工芸技術の応用範囲を紹介している。
また、造幣さいたま博物館では、太平洋戦争終結80年に関連し、戦時下の貨幣や職員の記録を展示する特別展が開催された。戦時中の金属不足を背景に製造された錫貨幣やアルミニウム貨幣などの「戦時貨幣」は、激動の時代における造幣局の歴史的な役割を物語っている。
毎年春に一般公開される「造幣局の桜」もまた、明治時代から職員の手で育成されてきた歴史的遺産であり、地域社会との結びつきを強めている。
2026年に向け、造幣局は記念貨幣の発行という文化的な側面と、偽造防止技術の進化という社会的な使命を両立させながら、日本の金融インフラの信頼性を支え続けていく。(了)