【香港火災】なぜ炎は垂直に走ったか? 改修工事の盲点「発泡スチロール」規制へ
ニュース要約: 2025年11月下旬に香港で発生した高層マンション火災は、改修工事で使用された発泡スチロールが「煙突効果」を生み出し、炎を垂直に加速させたことが原因と特定された。この大惨事は、密集都市における防火対策の脆弱性を露呈。香港当局は可燃性素材の使用規制と監督体制の強化を急いでいる。
香港高層マンション大規模火災、改修工事の「盲点」露呈— 発泡スチロールが招いた垂直延焼の恐怖
【香港=共同】 2025年11月下旬、世界有数の高層建築物密集地帯である香港で発生した大規模な高層マンション火災は、都市の安全管理体制に深刻な課題を突きつけた。初期調査の結果、火災の急速な拡大は、低層階に設置されていた工事用の保護ネットから燃え移り、窓やドアの養生材として使用されていた発泡スチロールが「煙突効果」を生み出し、炎を垂直方向に加速させたことが主因であると特定された。この事態を受け、香港当局は改修工事における可燃性素材の使用規制に乗り出している。
〇 火災原因の核心:可燃性素材による垂直延焼
今回の香港高層マンション火災 原因は、改修工事中の防火対策の不備に集約される。香港当局の発表によれば、火災はまず外壁を覆っていた防護ネットに引火し、その後、窓枠や開口部に貼られていた発泡スチロールへと燃え移った。
発泡スチロールは極めて燃焼性が高く、熱を帯びた炎は外壁に沿って一気に上層階へと伝播。熱で窓ガラスが次々と割れたことで、炎は室内に侵入し、結果的に8棟中7棟に延焼するという未曾有の大惨事となった。また、外壁を覆う工事用シートや足場に使われた竹なども、延焼を促進した要因として指摘されている。
元東京消防庁特別救助隊の田中章氏は、「高層建築物の外壁に可燃性の養生材が大量に使用されることは、建物全体を垂直に炎が走る導火線にしてしまう。特に香港高層マンション火災 原因の鍵となった発泡スチロールは、火災発生時のリスクを劇的に高める」と分析し、工事中の防火基準の徹底がいかに重要かを強調した。
〇 密集都市特有の構造的脆弱性
香港は高層ビルがひしめき合い、老朽化した建物の維持・改修工事が日常的に行われている。今回の火災は、こうした密集都市ならではの構造的な脆弱性を露呈した形だ。
特に問題視されたのは、避難経路の確保の難しさである。報道によると、被災したマンションの住民の約36%が65歳以上の高齢者であり、エレベーターが停止する火災時において、狭い階段での避難は極めて困難を極めた。住民からは、工事作業中の喫煙など、日常的な管理の不備に対する懸念の声も上がっており、改修工事における監督体制の強化が急務となっている。
香港当局は、工事を担当した業者の取締役3人を過失致死容疑で逮捕するなど、責任追及を進めるとともに、工事中の可燃性素材使用の厳格な禁止、および耐火・防炎性能を持つシートの義務化を速やかに検討している。
〇 日本の報道と社会の関心
この香港での悲劇は、日本国内でも大きな注目を集めている。読売新聞をはじめとする日本の主要メディアは、火災の原因と香港当局の対応を詳細に報じており、特に日本国内でも高層建築物の改修が増加する中、今回の教訓をいかに活かすかが問われている。
高層建築物の防火対策と避難経路の確保は、アジアの主要都市共通の課題であり、香港の今後の対策はモデルケースとして注視される。
〇 炎上の陰で動く香港社会
大規模火災という非常事態が発生する一方で、香港社会の日常の営みも続いている。エンターテインメント分野では、世界的な人気を誇る韓国のアイドルグループ、**スキズ(Stray Kids)の今後の活動や、香港映画界のレジェンドであり、慈善活動に熱心な俳優チョウユンファ(周潤發)**の動向などが市民の関心を集めている。
しかし、こうした華やかな話題の背後で、人命と財産を守るための安全対策の脆弱性が今回露呈した事実は重い。香港当局は、既存の高層マンションに対する防火設備点検を強化し、特に高齢者が多い集合住宅での避難訓練と情報提供体制の改善を急ぐ方針だ。密集都市香港が、真に安全な居住環境を取り戻すための道のりは、まだ遠いと言えるだろう。