ホロアースが「次世代ゲームプラットフォーム」へ進化:タレントミラーリングとUGC経済圏拡大で年末商戦を牽引
ニュース要約: VTuberプロダクション「ホロライブ」のメタバース「ホロアース」が大型アップデートを実施。タレントアバターがリアルタイムで出現する「タレントミラーリング機能」を実装し、没入感を飛躍的に向上させた。カバー社はホロアースを「次の収益柱」と位置づけ、UGC経済圏を加速。年末の大型イベントと連動し、「ゲームプラットフォーム化」を目指す戦略を深化させている。
ホロアース、メタバース戦略を深化:タレントミラーリングで高まる没入感、年末商戦に向けUGC経済圏を加速
【東京】 VTuberプロダクション「ホロライブプロダクション」を運営するカバー株式会社が手掛けるメタバースプロジェクト「ホロアース」が、正式リリース(2025年4月)後も大規模なアップデートを重ね、プラットフォームとしての進化を急速に進めている。特に、10月に実施されたVer.1.1.0アップデートでは、タレントとユーザーの交流を飛躍的に高める新機能が実装され、年末年始の大型イベントを控える中で、ホロアースを巡るバーチャル経済圏の活性化が注目されている。
カバー社は、ホロアースを配信、物販、イベントに次ぐ「次の収益柱」と位置づけ、2025年から2027年を基盤構築の初期投資フェーズと見込んでいる。この戦略の下、単なる交流空間に留まらない「ゲームプラットフォーム化」を目指し、ユーザー体験の質的向上に注力している。
交流の「玄関」刷新と没入感の極大化
ホロアースが10月23日に実施した大型アップデート(Ver.1.1.0)の目玉は、新エントランス「フォーカル・スクエア」の公開と、「タレントミラーリング機能」の実装だ。
「フォーカル・スクエア」は、最新ニュースやイベント情報が集約される新たな玄関口として設計され、ユーザー同士や所属タレントとの交流をスムーズにするハブとして機能する。この刷新により、ユーザーがコミュニティやイベントにアクセスする障壁が大幅に引き下げられた。
さらに、VTuberファンから熱い視線が注がれているのが「タレントミラーリング機能」である。これは、ホロライブ所属VTuberのバーチャルアバターが、リアルタイムでホロアース内に出現し、ユーザーと直接交流を可能にするものだ。これにより、従来の配信やイベント参加とは一線を画す「没入感」が実現され、タレントをより身近に感じられる体験がファン層の熱量を高めている。
また、新エリア「セレスティアル・ビーチ」のオープンや、アバターパーツのバリエーション拡充も図られ、ユーザーの「自己表現」の自由度が向上。コミュニティ参加意欲のさらなる底上げに繋がっている。
年末商戦を彩るバーチャルビューイングとUGC経済圏
年の瀬を迎え、ホロアースはホロライブプロダクション全体の大型イベントと連携し、バーチャル経済圏を拡大する。12月31日に全編無料で配信される恒例の「hololive production COUNTDOWN LIVE 2024▷2025」では、ホロアース内に特設シアターエリアが設けられ、ユーザーは自身のアバターで参加し、仲間と共にライブを視聴するバーチャルビューイングが可能となる。
このイベント連携は、単なるライブ視聴体験を超え、ホロアース内での限定グッズやファン参加型企画と連動する。例えば、カウントダウンライブで着用されるTシャツのデザインをユーザーが創作する企画など、ファンがクリエイターとしてコンテンツ制作に参加する流れが加速している。
この活動を支えるのが、UGC(User Generated Content)機能と「ホロアースマーケットプレイス」の強化だ。クリエイターは自ら制作したファッションアイテムや建築物を設計・販売し、収益を得ることが可能となった。カバー社にとって、限定アイテムやプレミアム機能の販売に加え、UGCを通じた収益化パスの確立は、メタバース事業の持続的な成長に向けた重要な戦略的基盤となる。
「ゲームプラットフォーム化」を目指す2026年への展望
カバー社のCTOである福田一行氏は、ホロアースの最終的なゴールについて、「ホロアース自体がゲームプラットフォームになること」を目指すと明言している。現在の交流空間としての機能は、その目標達成への最初の一歩に過ぎない。
今後は、ユーザーが利用可能な3Dモデルアセットや、音楽・ゲームアセットの種類を増やし、ユーザーがこれらを組み合わせて自由にゲーム制作を可能にする環境の構築が進められる見通しだ。これは、既存のホロライブファンだけでなく、クリエイターやゲーム開発者をホロアースのエコシステムに取り込む狙いがある。
ホロアースは現在、Ver.1.1.11へと継続的にアップデートされており、リアルな生活を感じられる空間づくりと、コミュニティ機能の強化が進められている。年末年始の大型イベントをテコに、ホロアースがバーチャルとリアルの融合を加速させ、次世代のカルチャー基盤としてどこまで成長を遂げるのか、国内外の市場関係者から高い関心が寄せられている。