ハマスタが「エンタメの聖地」に進化:ライブと野球が牽引する124億円超の経済効果
ニュース要約: 横浜スタジアム(ハマスタ)は野球場から大規模ライブが開催される「エンタメの聖地」へと変貌を遂げた。ベイスターズの躍進とライブの熱狂が相乗効果を生み、2024年の日本一を契機に124億6,100万円の経済効果を達成。2026年以降も、地域経済を牽引する存在としてさらなる発展が期待される。
【深度レポート】「ハマスタ」は今、球場を超えた「エンタメの聖地」へ
ライブと野球が牽引する124億円超の経済効果と2026年への展望
2025年11月17日
横浜スタジアム、通称「ハマスタ」は、横浜の象徴として長年ベイスターズの本拠地であり続けてきました。しかし近年、このスタジアムは単なる野球場という枠を超え、大規模な音楽ライブや体験型イベントが開催される「エンターテイメントの聖地」へと劇的な変貌を遂げています。
野球の熱狂とライブの興奮が相乗効果を生み出す中、2025年を終えたハマスタが、プロ野球界のみならず、地域経済全体に与える影響は計り知れません。
第一章:熱狂を生むライブエンターテイメント
ハマスタは、屋外スタジアムならではの開放感と大規模な演出が可能な会場として、アーティストやアイドルグループから絶大な信頼を得ています。
2025年は、アイドルの大型ツアーファイナルが相次ぎました。真夏の恒例イベントとなった**「ももクロ夏のバカ騒ぎ2025」**は、台風の影響を乗り越え盛況裏に終了。また、日向坂46が4月に3年連続となる公演を実現し、ファンを熱狂させました。さらに、TUBEの恒例公演も通算36回目を迎え、ハマスタの多目的利用の定着を示しました。
そして、早くも2026年への期待が高まっています。アイドルグループの**=LOVE(イコラブ)**は、4月に8周年ツアーのファイナル公演をハマスタで開催予定です。最大収容人数約32,000人という規模で、屋外ならではの映像、花火、照明を駆使した演出が期待されており、横浜の春の風物詩となる予感に満ちています。
プロ野球のオフシーズンや試合のない日も、ハマスタが提供するエンターテイメント体験は多岐にわたり、リアル脱出ゲームなどの体験型イベントも活発に行われ、「コミュニティボールパーク」構想を着実に進めています。
第二章:ベイスターズ躍進と経済効果の分析
ハマスタの熱狂を語る上で欠かせないのが、横浜DeNAベイスターズの躍進です。特に、2024年の日本一達成は、球場と地域経済に大きなインパクトを与えました。
帝国データバンクの試算によれば、この日本一を契機とした横浜市内の経済効果は、なんと124億6,100万円に達しました。これは、チケット、飲食、物販に加え、日本一記念セールやパレードなど、地域全体を巻き込んだ消費拡大の賜物です。
球団の強さは、2025年度の契約更改にも明確に反映されています。主力選手への評価は大幅にアップし、タイラー・オースティン選手は推定4億9,500万円へ、キャプテンの牧秀悟選手は2億5,000万円へ、守護神の森原康平選手は念願の1億円プレイヤーへと昇格しました。球団が積極的に投資を行う姿勢は、今後のチームのさらなる飛躍を予感させます。
また、ファンとの繋がりを強化する取り組みも進化しています。Zoomを利用した有料のオンラインファン参加型ライブ企画は、遠方に住むファンもスタジアムの熱狂に参加できる新しい応援スタイルを確立しました。
第三章:歴史と未来を繋ぐ場所
ハマスタの魅力は、現在の活況だけでなく、その歴史的深みにもあります。1998年のベイスターズ優勝の瞬間、そしてラグビーワールドカップ決勝戦やFIFAワールドカップ決勝戦といった世界的イベントの舞台となった歴史は、この場所が持つ「特別な波動」を形作っています。
JR関内駅から徒歩1分という抜群のアクセスを誇るハマスタは、周辺の横浜中華街や山下公園といった観光スポットとも強固な連携を見せています。ライブや野球観戦で訪れた人々が、近隣の「太源のカレーラーメン」や馬車道の老舗「勝烈庵」といった名店で食事を楽しむなど、イベントをきっかけとした市内消費が促されています。
この歴史と利便性を基盤に、「コミュニティボールパーク」構想は進行しており、観戦チケットがなくても熱気を感じられる「DREAM GATE STAND」の設置など、多様な人々が野球文化に触れられる環境整備が進んでいます。
結び
横浜スタジアムは今、プロ野球の熱戦と大規模ライブの華やかさ、そして地域経済への貢献という、三位一体の役割を担う「横浜の顔」となっています。2026年以降も、ライブと野球の相乗効果はさらに高まり、ハマスタが日本のエンターテイメントシーンの牽引役となることは間違いないでしょう。