フュージョン(3977)株価暴騰:AI連携期待とNISA資金流入が牽引する市場の熱狂
ニュース要約: 札A上場のフュージョン(3977)株価がAI連携期待とNISA資金流入によりストップ高水準まで暴騰。調和技研とのAI推進パッケージ連携の可能性に加え、業績改善見通しが買い材料となった。中小型株への個人マネー流入を象徴する動きであり、今後の具体的なAI連携の進展が注目される。
フュージョン(3977)株価暴騰の深層:AI連携期待とNISAマネー流入で市場の関心集中
週末の株価振り返り:札A上場銘柄に異変、ストップ高水準で終える
2025年11月22日。週末を迎えた国内株式市場において、札幌証券取引所アンビシャス(札A)に上場するフュージョン株式会社(証券コード:3977)の株価動向が、機関投資家及び個人投資家の間で大きな話題を呼んでいる。同社株は21日(金)の取引で、前日比+98円(+18.74%)の621円で取引を終え、一時高値623円をつけるなど、ストップ高水準で引けた。出来高は9,600株と急増し、時価総額約8億円の中小型銘柄としては異例の活況を呈した。この週末の動きは、単なる個別銘柄の急騰に留まらず、市場の新たなテーマと個人マネーの動向を映し出している。
長らく低位で推移していたフュージョン(株) 株価が、なぜ突如としてこの度の大幅な暴騰を見せたのか。その背景には、複合的な材料と、市場の構造的な変化が複雑に絡み合っている。
AI連携報道が発火点:期待先行の買いが集中
今回のフュージョン(株)の株価急騰の最大の引き金となったのは、AI技術を提供する調和技研との連携可能性に関する報道であった。11月20日、調和技研がAI推進パッケージの開発を発表したことを受け、顧客関係管理(CRM)領域のマーケティング支援を主軸とするフュージョンが、そのAI技術と連携するのではないかとの期待が市場で急速に高まった。
同社は、企業が保有する顧客データを分析し、システム構築から運用までを一気通貫で支援するDX(デジタルトランスフォーメーション)関連事業を展開している。AI技術の導入は、CRM分野における競争優位性を確立する上で不可欠であり、市場は、この連携が同社の成長軌道を大きく押し上げると判断したようだ。インターネット上の投資掲示板では「調和技研関連銘柄」「AI連携のダークホース」として注目が集まり、短期的な投機資金の流入を招いた。
しかし、一部報道では、未上場の核融合関連企業EX-Fusionと**フュージョン(株)**を誤認した買いも含まれていた可能性が指摘されており、純粋なファンダメンタルズに基づく評価だけでなく、需給逼迫による一時的な高騰である可能性も否定できない。
業績見通しの改善とNISAマネーの動向
AI連携の期待に加え、同社が発表した2026年2月期通期業績見通しのポジティブサプライズも、買い安心感を提供した。直近の第2四半期決算は、大型案件の減少と積極的な人材投資により営業損失を計上し、収益性の不安定さが懸念されていた。しかし、通期では売上高16億円(前期比6.4%増)、営業利益2,400万円(同43.8%増)と大幅な改善を見込んでおり、市場は一時的赤字を乗り越えた来期以降の成長期待を評価した形だ。
さらに、2024年より拡大されたNISA(少額投資非課税制度)枠の影響も無視できない。リスク許容度を上げた個人投資家は、成長性が見込める中小型株や地方上場株にも積極的に資金を投じる傾向にある。フュージョン(株)は単元株数が100株(最低購入代金約6万円)と手軽であり、NISA枠を利用した個人投資家によるstocksの買いも、今回の需給を支える一因となったとみられる。
来週の株価見通しと中長期の課題
今回の暴騰劇を受け、来週の株価は、短期的な利益確定売りによる調整局面を迎える可能性が高い。しかし、調和技研との具体的な連携内容や進捗状況に関する適時開示があれば、再び強い買い材料として機能し、株価の下値を支えることになるだろう。
中長期的な視点で見ると、同社は中期経営計画で「売上20億円突破」を目標に掲げており、CRM分野におけるDX化の波に乗れるかが鍵となる。現状、業績の安定性や純利益率の低さが課題として残るため、期待先行の相場から脱却し、持続的な成長を実現するためには、AI連携をテコにした収益力の確実な改善が求められる。
フュージョン(株)(3977)の今後の動向は、単なるIT関連株の値動きとしてではなく、AI技術の社会実装の進展、そしてNISA拡大後の個人投資家の投資戦略を占う試金石として、今後も注視されることになろう。投資家は、高騰後のボラティリティの高さに留意し、業績の裏付けを慎重に見極める必要がある。(2025年11月22日付)