ジャンポケ斎藤
2025年11月13日

転落の果てにバームクーヘン:元ジャンポケ斉藤慎二の現在地と残されたトリオの葛藤

ニュース要約: かつて人気お笑いトリオ「ジャングルポケット」のムードメーカーだった斉藤慎二氏が、相次ぐ不倫報道と性的暴行疑惑による在宅起訴を経て、芸能界から事実上追放された。彼は現在、群馬でバウムクーヘン専門店を営む実業家として再出発を図るが、金銭トラブルなど新たな火種に直面し、厳しい社会監視下に置かれている。一方、残されたジャンポケのメンバーは2人体制での活動を継続。斉藤氏の再起とトリオの絆の再生は、法廷の審判と世間の許容度に委ねられている。

奈落の底に見た「バームクーヘン」の光—元ジャンポケ斉藤慎二の現在と、トリオの葛藤

2025年11月13日。かつて人気お笑いトリオ「ジャングルポケット」のムードメーカーとしてテレビを賑わせた斉藤慎二氏(42)は、今、芸人としての看板を下ろし、人生の大きな岐路に立っている。

相次ぐ不倫報道に加え、女性への不同意性交等の罪で在宅起訴され、2024年10月には所属事務所である吉本興業との契約を解除された斉藤氏。華やかな芸能界から一転、現在は群馬県高崎市を中心にキッチンカーでバウムクーヘン専門店「バームSAITOU」を営む「実業家」として、静かに、しかし世間の耳目を集めながら再出発を図っている。

芸人失格の烙印と「第二の人生」

斉藤氏の転落は、2023年夏の不倫報道を皮切りに加速した。特に深刻だったのは、2025年4月に東京地検から在宅起訴された性的暴行疑惑である。これにより、彼は長年出演していた朝の情報番組『ZIP!』など全てのレギュラー番組を失い、芸能界から事実上追放された。

妻であるタレントの瀬戸サオリとの関係も冷え切っていると報じられており、「離婚はしていないものの別居状態にある可能性が高い」というのが現在のメディア報道の共通認識だ。家族もまた、斉藤氏の起こした騒動の代償を払っている。

そんな中、斉藤氏が選んだのは、地方での移動販売という道だった。バウムクーヘン店「バームSAITOU」の運営は、芸能活動が一切できない彼にとって、現在の主要な生活基盤となっている。

興味深いことに、彼の店は人気を博し、初営業では数百人もの行列ができたという。しかし、この活動自体が「反省が見えない」として批判の的となっているのも事実だ。さらに、最新の報道(2025年11月13日付)では、事業を支援する企業との間で約160万円に上る金銭トラブルが報じられ、斉藤氏自身がSNSで釈明に追われるなど、新たな火種も生まれている。彼の再起の道は、法的な審判だけでなく、社会的な不信感という高い壁に阻まれ続けている。

残された「ジャンポケ」の苦闘

一方、斉藤氏の離脱によって、ジャングルポケットは太田博久と武山浩三(おたけ)の2人組として再始動を強いられた。

トリオ結成から長年の時を経て、ようやく確立した地位を失う危機に直面しながらも、太田と武山は活動を停滞させなかった。2024年10月以降、彼らは2人体制でのコントや漫才に注力し、単独ライブ開催など、新生ジャンポケとして歩を進めている。

残されたメンバーの心境は複雑だ。太田はメディアのインタビューで「ジャングルポケットは解散していない」と強調しつつも、「世の中が(斉藤の復帰を)OKにしたら」という条件付きの含みを持たせた。おたけもまた、個人的な友情は残しつつも、今の状況では「距離を置くしかない」という苦渋の選択を強いられている。

トリオの絆は確かに存在しているのかもしれない。しかし、一人の過ちが背負った代償はあまりにも大きく、その絆の再生は、裁判の結果と、何よりも世間の許容度に委ねられている。

複雑な日本の「再起」の倫理

元ジャンポケ斉藤氏の騒動は、単なる芸能ゴシップに留まらず、日本社会における「罪を犯した者の社会復帰」の難しさを象徴している。彼は現在、バウムクーヘンを焼きながら、金銭トラブルやSNSでの発言一つ一つが批判に晒されるという、厳しい監視下に置かれている。

かつての笑いの提供者が、今や社会的な議論の対象となっている。ジャングルポケットという名前は、太田と武山が懸命に活動を続ける限り存続するが、その未来は、法廷とキッチンカー、そして世論という三つの要素に絡め取られ、極めて不透明な状態にあると言えよう。ファンが望む「3人の絆」が再び結ばれる日は、まだ遥か遠い道のりの先にあるようだ。

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