ココス、冬を制す「本格化」戦略:イタリア栗の贅沢デザートとデジタル連携で客層拡大へ
ニュース要約: ココスは冬商戦に向け、イタリア栗を使った「マロンフェア」など本格スイーツで客層拡大を図る。同時に、ネット注文優遇や福袋によるデジタル連携でリピーターを確保。定番メニューの進化と合わせ、単なる価格競争ではない「本格化」戦略で冬の需要を最大限に取り込む構えだ。
ココス、冬商戦を制す「本格化」戦略:イタリア栗デザートとデジタル連携で顧客接点多様化へ
2025年11月28日
ファミリーレストランチェーンの競争が激化する中、ココスジャパン(本社・東京都)が、この冬の需要期に向け、単なる価格訴求に留まらない「メニューの本格化」と「デジタルチャネルの強化」を両輪とする戦略を鮮明に打ち出している。特に12月2日から始まる冬季限定の「マロンフェア」では、イタリア栗を贅沢に使用した本格スイーツを展開し、ファミリーレストランの枠を超えた顧客体験の提供を目指す。
1.「本格スイーツ」で客層拡大:マロンフェアの狙い
ココスが2025年冬の主力として据えるのが、全国507店舗(一部店舗除く)で展開する「ココス 冬季限定マロンフェア」(2026年1月中旬まで)。近年、外食産業全体で「季節限定スイーツ」や「素材へのこだわり」が主要な集客トレンドとなる中、ココスはこのフェアで「本格志向」を追求している。
目玉となるのは、イタリア栗と砂糖のみで作られたマロンペーストをふんだんに使用したデザート群だ。中でも「マロンとショコラのパフェ」(税込1,265円)は、渋皮栗アイスやキャラメルホワイトチョコピーカンナッツを組み合わせ、複雑で調和の取れた「大人の贅沢感」を演出。また、店内でマロンペーストを絞る「イタリア栗のしぼりたてモンブラン」(税込759円)は、フレッシュな風味をアピールし、本格的な味わいを求める消費者ニーズに対応する。
さらに注目すべきは、「マロンと紅茶ゼリーのグラスデザート」(税込429円)にフェアトレード茶葉を使用している点だ。これは、単に味の良さを追求するだけでなく、環境や社会貢献意識の高い顧客層、特に若年層のサステナブル志向を取り込む狙いが透ける。ココスは、こうした質の高い限定メニューを通じて、既存のファミリー層に加え、若者や女性の来店頻度向上を図る構えだ。
2.価格改定を回避し「お得感」でリピーターを確保
足元の経営戦略では、原材料費や人件費の高騰による価格改定ではなく、「チャネル別価格戦略」と「リピート促進策」が中心となっている。
まず、年末年始の繁忙期に向け、11月18日より予約販売が開始された「ココス 冬の福袋2026」は、食事券4,400円分相当を4,840円(税込)で提供し、実質的な「お得感」を強調。この食事券の有効期間は2026年6月30日までと長期に設定されており、年末年始の利用だけでなく、翌年上半期の来店頻度向上を促す強力な施策となっている。
同時に、クリスマスセットや定番メニューにおいて、ネット注文価格を店頭価格より10〜15%割安に設定する「ネット注文優遇」を徹底。これは、コロナ禍以降定着したデリバリー・テイクアウト強化の流れを汲むもので、店舗の混雑緩和と売上拡大を両立させる狙いがある。ココスは、来店客と自宅需要の両方をカバーすることで、冬の需要を最大限に取り込もうとしている。
3.SNSで話題沸騰、定番メニューの「進化」が客層を広げる
こうした季節限定や販売戦略の裏付けとなるのは、通年のグランドメニューの質的向上だ。2025年春のメニュー改定では、看板メニューである「包み焼きハンバーグ」にグラナパダーノチーズを組み合わせた新アレンジを投入。これがSNS上で「#ココス包み焼きハンバーグ」として話題沸騰し、高い満足度からリピーターが増加した。
また、鰆や菜の花など旬の食材を使った「和膳」や「健康的プレート」も「隠れた定番メニュー」として人気が急上昇。健康志向やヘルシーな食事を求める層の支持を集めており、従来のファミリー層だけでなく、幅広い顧客層の取り込みに成功している。
ココスは、限定メニューの「本格化」で話題性を創出しつつ、デジタルを活用した「顧客接点の多様化」と、定番メニューの「進化」による顧客満足度の向上を追求することで、外食産業の厳しい競争環境下においても、持続的な成長を目指す姿勢を明確にしている。今後、季節限定メニューに「地域限定素材」や「コラボレーション商品」の展開がさらに進む可能性が高く、その動向が注目される。