ぼる塾「ゆるバリ」哲学が示す新潮流:コンテスト敗退を力に変える“肯定の笑い”
ニュース要約: お笑いカルテットぼる塾は、2025年の『THE W』準決勝敗退などコンテストで苦戦を強いられた。しかし、健康を優先する「ゆるバリLady」哲学を確立。田辺智加の「まぁね~」に象徴される、否定しない“肯定の笑い”が現代社会に心地よさをもたらし、お笑い界に新たな潮流を生み出している。
ぼる塾が提示する「ゆるバリ」時代の笑い:コンテストの挫折を乗り越え、個性の調和が生む新たな魅力
【東京】 お笑い界に独自のポジションを築くお笑いカルテット、ぼる塾が、2025年を終えようとしている。年末の風物詩である『女芸人No.1決定戦 THE W 2025』では、2年連続の決勝進出は叶わず準決勝で敗退。また、体調不良を理由に『キングオブコント 2025』の出場も辞退するなど、コンテストシーンにおいては苦戦を強いられた一年となった。しかし、その裏側で彼女たちが追求する「心地よい笑い」と、メンバーの多様性を尊重する「ゆるバリLady」的な活動方針は、現代社会が求める新たな価値観を反映しており、お笑い界に深い影響を与えている。(2025年11月27日)
逆境に見る「ゆるバリ」の哲学
2025年のぼる塾の活動を総括する上で特筆すべきは、チームとしての成長課題と同時に、メンバーの健康とプライベートを重視する姿勢が鮮明になった点だ。
リーダーの酒寄希望氏は、ネタ作りのブレインとしてグループを牽引しつつ、子育てと両立を図る中で、活動の目標を「ゆるバリLady」(ゆるく、バリバリ働く)と掲げた。これは、過度な競争や自己犠牲を是とせず、持続可能な活動を目指す現代的な働き方を体現している。
特に、田辺智加氏の体調面の異変がきっかけとなり、「週1休み」を導入するなど、グループ全体で健康管理を優先する方針が決定された。あんり氏ら中心メンバーが調整役を担い、このルールを確立。コンテストでの結果よりも、チームとして長く、楽しく活動を続けることを優先する姿勢は、従来のストイックな芸人像とは一線を画す。
この結果、技術力の向上が今後の課題として認識されているものの、来年以降は、この「ゆるバリ」哲学を維持しつつ、再びコンテストでの栄冠を目指すものと推察される。
肯定の笑いを生むカルテットの多角性
ぼる塾の漫才が視聴者に支持される最大の理由は、その「心地よさ」にある。彼女たちの漫才は、従来のボケとツッコミという二項対立的な構造を超え、あんり氏の鋭いツッコミ、きりやはるか氏の毒舌、そして田辺智加氏の象徴的なフレーズ「まぁね~」が複雑に絡み合う多角的な関係性を持つ。
特に、田辺智加氏の「まぁね~」は、褒められたことや指摘されたことを否定せずに受け入れる、肯定的な姿勢の表れだ。このスタンスが、視聴者に対して安心感と温かみをもたらし、ストレスフルな現代社会において「見る者に自信を与えて笑顔にしている」と評されている。
メンバー個々の活動も、グループの魅力を多方面から支えている。田辺智加氏は、スイーツ愛好家として「田辺のお茶会」を開催するなど、芸人活動の枠を超えて活躍。きりやはるか氏は、写真集『#大好き』を出版し、アーティスティックな表現でグループの魅力を発信している。メディア出演を控えながらも、ライブやネタ作りを担う酒寄希望氏を含め、メンバー全員が独自の個性を持ち寄り、調和することで、ぼる塾の独自の笑いの世界観を構築している。
メディア戦略と広がる影響力
コンテストでの苦戦とは対照的に、メディアにおけるぼる塾の存在感は盤石だ。木曜深夜のレギュラー番組『ぼる部屋』では、同時間帯トップクラスの安定した視聴率を獲得。これは、SNS(Instagram)と連携した企画や、個々のキャラクターを深く掘り下げる番組作りが、強固なファン層を築いていることを示している。
また、「ヒルナンデス!」など朝や昼のバラエティ番組にもレギュラーを持つことから、幅広い層への認知度も高い。深夜番組での成功を軸に、YouTubeチャンネルや企画ライブなど、多角的なメディア戦略を展開することで、ファンとの接点を強化している。
ぼる塾が提示する、競争や否定ではなく、肯定と調和を基調とした笑いのスタイルは、現代のお笑い界における新たな潮流を築いている。2026年に向けて技術力の向上という課題に取り組みつつ、メンバーそれぞれの個性を活かした活動が継続されることで、彼女たちの「心地よい笑い」は、今後も社会に肯定的な影響を与え続けるだろう。彼女たちの動向は、お笑い界の未来を占う上で、引き続き注目に値する。