愛岐道路が大規模土砂崩れで全面通行止め 復旧未定、岐阜・愛知間の物流大動脈が遮断
ニュース要約: 11月30日、愛岐道路(県道15号)で大規模な土砂崩れが発生し、多治見市内区間が全面通行止めとなり、復旧の目途は立っていない。専門家チームが調査を開始したが、斜面の安定化に時間を要し長期化が懸念される。東濃地方と名古屋圏を結ぶ物流大動脈の遮断は、地場産業や地域経済に深刻な打撃を与えている。
愛岐道路で大規模土砂崩れ、復旧見通し立たず 専門家調査開始 岐阜・愛知間の物流に深刻な打撃
【多治見】 2025年11月30日午後2時30分頃、岐阜県多治見市脇之島町の県道15号名古屋多治見線、通称愛岐道路において、山の斜面が大規模に崩落する土砂崩れが発生した。大量の土砂と巨大な岩塊が道路を完全に塞ぎ、現場に設置されていた落石防止フェンスを破壊。この影響で、多治見市内の市之倉町から平和町にかけての区間が全面通行止めとなり、12月1日現在も復旧の目途は立っていない。幸い、巻き込まれた車両や負傷者は確認されていないが、東濃地方と名古屋圏を結ぶ大動脈が遮断されたことで、地域経済と住民生活への深刻な影響が懸念されている。
■ 12月1日に専門家調査開始 復旧計画策定を急ぐ
愛岐道路土砂崩れが発生した現場は、渓谷沿いの急峻な地形であり、復旧作業の難しさが指摘されている。岐阜県は事態を重く受け止め、崩落翌日の12月1日に地質学および土木工学の専門家チームを現地に派遣し、緊急調査を開始した。
調査の主要な目的は、斜面の安定性を詳細に評価し、さらなる崩落リスクの有無を確認することだ。また、道路を塞ぐ土砂と岩塊の正確な量を見積もり、撤去作業に必要な工法と期間を算定する。この調査結果が、今後の復旧工事の具体的な内容と、愛岐道路 通行止め解除の時期を決定づける鍵となる。しかし、大規模な土砂崩落と、巨大な岩塊の存在から、斜面の安定化には相当な時間を要することが予想され、現時点では長期化も視野に入れた対応が求められている。
■ 複合的な要因が誘発か:気象・地形・インフラ老朽化の課題
今回の岐阜 土砂崩れは、複数の要因が複合的に絡み合って発生したと見られている。
まず、愛岐道路周辺の地形は、岩盤が露出しやすく、地盤が不安定な急傾斜地に位置している。こうした脆弱な地質に加え、直接的な誘因として指摘されているのが気象要因だ。愛岐道路には「連続雨量が150mmを超えた場合に通行止めとする」という独自の通行規制基準が存在するが、直近の降雨により、基準値に至らないまでも斜面の地下水が上昇し、地盤が緩んだ可能性が高い。
さらに、インフラの老朽化と防災設備の限界も課題として浮上した。現場に設置されていた落石防止フェンスが、崩落した巨大な岩塊を食い止められず、破壊された事実は、既存の防護構造物の強度や設置範囲が、近年頻発する異常気象下での大規模崩落に対応できていない可能性を示唆している。
専門家は、気候変動に伴う豪雨の頻発を考慮すれば、従来の降雨基準や防災設備が「想定外」の災害に耐えうるか、抜本的な見直しが必要であると警鐘を鳴らしている。
■ 地域経済の動脈遮断:物流・産業への深刻な影響
愛岐道路は、単なる生活道路に留まらず、岐阜県東濃地方の経済活動を支える重要な幹線ルートだ。特に多治見市は陶磁器産業が盛んな地域であり、製品の輸送や原材料の搬入において、名古屋圏へのアクセスを担う愛岐道路は不可欠である。
長期にわたる愛岐道路 通行止めは、物流コストの増加と輸送リードタイムの延長を招き、既に厳しい経営環境にある地場産業に大きな打撃を与えている。迂回路の利用は避けられないが、主要道路の混雑悪化はさらなる経済活動の停滞を引き起こす。また、観光客のアクセス遮断による地域観光への影響も深刻であり、自治体や商工会議所は、物流業者への情報提供や代替ルートの周知徹底を急いでいる。
■ 長期ビジョンが求められるインフラ強靱化
今回の愛岐道路土砂崩れは、災害リスクの高い山間部の道路インフラにおける、早期警戒体制の強化と防災設備の抜本的改善の必要性を改めて浮き彫りにした。
今後、岐阜県は、斜面安定化工事と並行して、高リスク区間におけるリアルタイム地盤監視システムやAIを活用した予測警報システムの導入を加速させるべきだ。これにより、従来の降雨量頼みの規制ではなく、地盤の微細な変動を検知し、より迅速で的確な通行止め判断が可能となる。
また、国土強靱化計画に基づき、落石防止構造物や擁壁の耐久性を「想定外」の荷重に対応できるよう増強し、災害時にも機能する道路ネットワークの「ダブルネットワーク化」を推進することが、地域社会の安全と経済活動の持続性を守る上で極めて重要となる。
愛岐道路の早期復旧は待たれるが、今回の経験を教訓とし、気候変動時代に対応した強靭なインフラ整備こそが、行政に課せられた喫緊の課題である。