AIストーム(3719)株価暴騰:20期ぶり復配と業績上方修正で市場の調整局面を突破
ニュース要約: AIストーム(3719)の株価が、20期ぶりの復配発表と大幅な業績上方修正を背景に急騰。主力の「AI&モルタル」事業が牽引し、売上高は前年比47.7%増を見込む。市場調整局面で異彩を放ち、NISA資金の流入も加速する中、来週の動向が注目される。
AIストーム(株)(3719)株価暴騰の深層:20期ぶり復配と「AI&モルタル」事業が牽引、市場の調整局面で異彩
— NISA資金流入も加速、来週の株価見通しを占う —
2025年11月下旬、東京株式市場において、AI関連の中小型グロース銘柄であるAIストーム(株)(銘柄コード3719)の株価が急激な暴騰を見せ、投資家の注目を集めている。同社株価は11月21日に年初来高値となる529円を記録し、終値も前日比+10.39%の510円で引けた。出来高は620万株超と極めて活発な取引が展開された。
この急騰は、単なるAIブームの再燃ではなく、確かな業績の裏付けと、20期ぶりとなる異例の復配発表が複合的に作用した結果だ。特に、米国市場の影響を受け、他のハイテク・AI関連stocksが調整局面を迎える中で、同社の強さが際立っており、次世代テクノロジー銘柄に対する市場の評価軸の変化を示唆している。
暴騰の背景:業績上方修正と20期ぶり復配のインパクト
AIストーム(株) 株価が急伸した最大の要因は、11月14日に発表された2025年12月期業績予想の大幅な上方修正と、それに続く期末一括配当3円の発表である。
同社は、2025年12月期の単体業績予想について、売上高を従来の16億円から21億円へ(前年比47.7%増)、営業利益を1.7億円から2.6億円へ(同74.5%増)と大きく引き上げた。これは、第3四半期累計で既に売上高17.61億円(前年同期比133.4%増)、営業利益2.28億円(同554.9%増)と大幅な増収増益を達成したことに基づく。
さらに特筆すべきは、従来無配予想であった配当が、実に20期ぶりに再開された点だ。これは、長年の業績改善努力が実を結び、株主還元への強い姿勢を市場に示した形となる。このサプライズは、特に企業の安定性と還元性を重視する投資家層に強く響き、信頼感を一気に高めた。
「AI&モルタル」事業の好調と成長戦略
同社の主軸である「AI&モルタル事業」は、トラックファンドの販売好調に支えられ、過去12四半期にわたり業績改善傾向が続いている。純利益率やEPS(一株当たり利益)の増加、そして安定した自己資本比率も、財務的な健全性を裏付けている。AIストームは、単なる技術開発に留まらず、「AI技術を実需に結びつける」ビジネスモデルが市場で評価された結果と言えよう。
また、新規AIニュービジネスの開始も今後の成長ドライバーとして期待されている。AIアドバイザリー事業も順調に推移しており、同社が提唱するAIと実業を融合させる戦略が、調整局面における「業績の裏付け」として機能している。
NISA資金流入と個人投資家の関心
AI関連株の投資環境は流動的であり、11月21日には、半導体関連株が大幅安となる場面も見られた。しかし、3719のような内需系中小型グロース株、特に業績で裏付けられた銘柄には、リスク回避的な資金が集中した。
また、個人投資家の動向も無視できない。NISA(少額投資非課税制度)枠の拡大とAI関連銘柄への関心の高まりが相まって、AIストーム(株)への投資が増加している。同社は「プレミアム優待倶楽部ポイント」や「QUOカード」など、個人投資家に人気の株主優待も充実させており、成長期待と安定した還元姿勢が、NISAを利用した長期保有戦略に合致しているためだ。配当再開のニュースは、非課税メリットを最大限に享受したいNISA投資家にとって、追い風となっている。
週末の株価振り返りと来週の株価見通し
週末の株価振り返りとして、11月21日の取引を詳細に見ると、AIストームの株価は終値510円で引け、出来高は620万株超と、市場の関心の高さを示した。この活況は、機関投資家による買いと、個人投資家の参入が交錯した結果であると分析される。
しかし、急激な暴騰は過熱感も生んでいる。現在のPER(株価収益率)は83.74倍、PBR(株価純資産倍率)は12.13倍と高水準にあり、短期的な調整リスクも否定できない。
来週の株価見通しについては、短期的には上方修正と復配による勢いが持続する可能性が高い。特に、新規AIビジネスの具体的な進展に関する情報や、アナリストによる目標株価の引き上げが材料視される可能性がある。投資家は、短期間での利益確定売りによる一時的な下落を警戒しつつも、成長戦略の実現性を見極める必要がある。
AI技術の社会実装が進む中、AIストーム(株)の動向は、今後の日本市場における中小型グロースstocksの試金石となりそうだ。