U-17日本、北朝鮮との激闘制し14年ぶりベスト8!勝利に影落とす「暴挙」の波紋
ニュース要約: カタールで開催中のU-17W杯で、U-17日本代表が北朝鮮とのラウンド16をPK戦の末に制し、14年ぶりのベスト8進出を果たした。若きサムライたちの快挙は列島を沸かせたが、試合前、北朝鮮選手が日本の選手に拳で殴りかかるという看過できない「暴挙」が発生。FIFAはこの暴力行為を重く見ており、北朝鮮に対し出場停止を含む厳罰を科す方針とみられている。日本は次戦、準々決勝でオーストリアと対戦する。
U-17日本、北朝鮮との激闘制し14年ぶりベスト8の快挙――勝利に影落とす「暴挙」の波紋とFIFAの対応
カタールで開催中のFIFA U-17ワールドカップ2025において、U-17日本代表が歴史的な一歩を踏み出した。11月18日に行われた決勝トーナメント2回戦、因縁のU-17北朝鮮代表との緊張感あふれる一戦を、PK戦の末に5-4で制し、2011年以来、実に14年ぶりとなるベスト8進出を決めたのだ。日本サッカーの未来を担う若きサムライたちの快挙は、列島に歓喜をもたらしたが、同時に試合前に発生した北朝鮮選手による看過しがたい「暴挙」が、国際的な波紋を広げている。
精神力で掴んだ14年ぶりの快挙
このラウンド16は、まさにサバイバルマッチとなった。日本はグループステージを首位で通過し、ラウンド32では南アフリカを圧倒的な力で破って勝ち上がってきた。対する北朝鮮も、グループ3位ながらベネズエラを下し、勢いに乗っていた。
試合は序盤から激しく動いた。前半4分、MF瀬口大翔からのクロスを、FWマギージェラニー蓮が頭で捉え、華麗な先制ゴールをネットに突き刺す。早々のリードで試合を優位に進めるかと思われたが、後半に入ると北朝鮮の反撃を受け、後半22分に同点に追いつかれる。その後は一進一退の攻防が続き、シュート数では日本が圧倒しながらも、スコアは均衡したまま延長戦へ突入。
そして迎えたPK戦。極限のプレッシャーの中、日本の選手たちは驚異的な集中力を見せつけた。特に、GK村松秀司(ロサンゼルスFC)の冷静な対応と、キャプテンとしての精神的な支柱ぶりが光り、最終的には5-4で勝利を収めた。この勝利により、日本は1993年、2011年と並ぶ過去最高成績に到達。次世代の選手たちが、国際舞台で臆することなく戦い抜き、激しいプレッシャーを乗り越えた事実は、A代表の未来にとっても大きな希望となるだろう。
試合前の「暴挙」が国際的波紋を呼ぶ
しかし、この歴史的な勝利の裏で、スポーツマンシップの根幹を揺るがす重大なインシデントが発生していた。
試合開始前、両チームの選手がピッチ中央で整列し、恒例となっているグータッチでの挨拶を交わす際、なんと北朝鮮代表選手が日本の選手に対し、握手ではなく拳で殴りつけるという暴挙に出たのだ。
この映像は瞬く間に拡散され、日本のファンからは「信じられない」「フェアプレー精神の欠如だ」と強い不安と批判の声が上がった。国際的なジャーナリストもこの行為に即座に反応し、テニスのジョコビッチ選手が示した「スポーツマンシップ」とは対極にあるものとして厳しく糾弾されている。
サッカーは、国境を越えて互いの尊重を築くための手段であるはずだ。試合中の激しい競り合いとは異なり、挨拶という形式的な場で意図的に暴力行為に及んだことは、単なる反則行為を超えた、国際大会の品位を貶める行為と言わざるを得ない。
現在、FIFA(国際サッカー連盟)はこの暴力行為を重く見ており、北朝鮮に対して国際大会への出場停止を含む何らかの厳罰を科すものとみられている。困難な状況下でも冷静さを保ち、ピッチ上で実力と精神力で勝利を掴み取った日本代表の対応こそ、真のスポーツマンシップを体現していると言えよう。
A代表への期待と将来の展望
今回のU-17代表の躍進は、森保ジャパンが目指す「選手層の拡大」に直結する重要な成果だ。マギージェラニー蓮選手のような早期に国際舞台で活躍するFWや、村松秀司選手のような超人的な反応を見せるGKの出現は、将来のA代表の競争を激化させ、全体のレベルを引き上げる。
U-17世代が経験したこの国際舞台での緊張感、特に北朝鮮戦のような極度のプレッシャー下での勝利は、彼らがA代表へ昇格した際の国際適応力を大きく高めるだろう。
日本代表は11月21日、準々決勝でオーストリアと対戦する。今回の勝利は過去最高成績に並んだに過ぎない。若きサムライブルーには、この快挙をさらなる飛躍の糧とし、スポーツにおける「フェアプレー」の精神を世界に示しながら、歴史を塗り替える戦いを期待したい。(了)