高市政権が「超安定多数」で挑む2026年通常国会:積極財政と消費税凍結の行方
ニュース要約: 2026年通常国会が召集され、衆院選で316議席を獲得した高市早苗政権の「超安定多数」による運営が本格始動します。122.3兆円の過去最大予算案や食料品消費税の凍結、経済安全保障を巡る議論が焦点です。圧倒的勢力を背景とした「責任ある積極財政」の断行に対し、再編を迫られる野党側との対峙や外交抑止力の強化など、日本の未来を左右する熾烈な論戦が展開されます。
【解説】2026年通常国会召集へ:高市政権の「超安定多数」と野党の再編、試される「責任ある積極財政」
2026年2月18日、日本の政治情勢は大きな転換点を迎えている。1月23日に召集された通常国会は、2月8日の衆議院総選挙を経て、かつてない緊張感と新秩序の中に置かれている。高市早苗首相率いる自民党が単独で「3分の2」を超える316議席を獲得するという歴史的圧勝を収めたことで、今後の国会運営と政策断行の行方に国内外の注目が集まっている。
執政基盤の確立と通常国会のスケジュール
自民党の梶山弘志国会対策委員長は、立憲民主党の笠浩史委員長に対し、今通常国会の召集日を1月23日とする方針を伝達した。特筆すべきは、党首討論を4月から6月まで月1回定期開催することで与野党が一致した点だ。これは、巨大与党となった自民党が「数の力」だけでなく、野党との対話姿勢を演出することで、審議の透明性を確保する狙いがあると見られる。
現在、最大の焦点は2026年度予算案の審議だ。一般会計総額は122.3兆円と11年連続で過去最大を更新。高市首相が掲げる「責任ある積極財政」に基づき、半導体やAI、防衛費(9.04兆円)への重点配分がなされている。これに対し、立憲民主党などは予算規模の拡大を背景に、徹底審議を要求している。
激変した勢力図:右派の躍進と「中道」の苦境
先の衆院選の結果、国会内の風景は一変した。自民党が316議席、連立を組む日本維新の会が36議席を獲得し、与党連合は352議席という「絶対安定多数」を掌握した。この議席数は、参議院で否決された法案の再可決や、憲法改正の発議を可能にする極めて強力な数字である。
一方で、野党第一党の立憲民主党と公明党による「中道改革連合」は49議席と激減。共産党や令和新選組も退潮し、リベラル・中道勢力はかつてない窮地に立たされている。その一方で、「参政党」が2議席から15議席へと急伸したことは、国会における保守回帰の潮流を象徴している。
2026年の最重要課題:減税と経済安全保障
高市政権が掲げる目玉政策は、食料品にかかる消費税(8%)の2年間凍結という大胆な減税策だ。毎年約5兆円の減収が見込まれるが、政権側はこれを物価高に対する「国民救済」と位置づけている。
これに対し、日本維新の会は「維新八策2026」を掲げ、さらなる規制改革やライドシェアの完全解禁、スタートアップ支援を提言。国会運営の生産性向上を求め、独自の存在感を示している。また、新興勢力である「チームみらい」はデジタルツールを活用した政策提言を加速させており、伝統的な政党政治へのアンチテーゼとして注視されている。
外交・安全保障:高まる緊張と金融抑止
国会の外交・安全保障委員会では、台湾情勢を巡る議論が白熱している。高市首相が昨年、中国による台湾への武力行使が「存亡危機事態」に該当する可能性に言及したことを受け、中国側は猛反発。野党側からも、平和憲法との整合性を問う声が上がっている。
また、米国国会(議会)との連携も重要度を増している。米国では、台湾有事の際に中国をG20などの国際金融組織から排除する法案が衆議院で可決され、現在参議院で審議中だ。日米両国の国会が足並みを揃え、軍事のみならず「金融」の面で対中抑止力を高める動きは、2026年の外交戦略における大きな柱となる。
総括:試される巨大与党の「謙虚さ」
圧倒的な議席を手にした高市政権にとって、今通常国会は、単なる法案通過の場ではない。巨大な権力をどう抑制的に、かつ効果的に行使するかが問われる「試練の場」である。
野党各党が提案する議員立法の成立率向上や、政治資金規正法の再改正を通じた透明性の確保など、山積する課題に対し、自民党がどこまで耳を傾けるのか。また、秋に想定される米国の合衆国国会(議会)中期選挙の結果が、日本の国会論議にどのような波及効果をもたらすのか。
歴史的な「右転換」を遂げた2026年の日本政界。その中心地である永田町・国会議事堂では、日本の未来を左右する熾烈な言論戦がいま、始まろうとしている。