福士蒼汰、30代で迎える「深化の時代」 行定監督作『楓』&社会派ドラマ『東京P.D.』主演で新境地
ニュース要約: 俳優の福士蒼汰が30代を迎え、表現者として新たな「深化」の時代に突入。行定勲監督作『楓』では複雑な内面を持つ難役に挑み、フジテレビ連ドラ『東京P.D.』では社会派ドラマの主演を務める。2022年の転機を経て、爽やかなイメージから実力派へと変貌を遂げた彼の、国内外でのさらなる飛躍に期待が高まる。
俳優・福士蒼汰、30代の「深化」 行定監督作『楓』、社会派ドラマ『東京P.D.』主演で迎える新境地
2025年11月29日
俳優の福士蒼汰(32歳)が、キャリアの新たなフェーズに突入している。年末に公開が控える行定勲監督作品の映画『楓』、そして年明けにはフジテレビ火9ドラマ『東京P.D. 警視庁広報2係』で主演を務めるなど、話題作への出演が相次ぐ。デビューから約15年。「爽やかなヒーロー」のイメージを纏っていた彼が、近年は複雑な内面を持つ役柄にも果敢に挑み、表現者としての深みを増している。その変化の背景には、30代を迎えるにあたって経験した数々の「ターニングポイント」があった。
繊細な感情表現に挑む主演作ラッシュ
福士の2025年冬から2026年春にかけての動向は、彼の現在の立ち位置を象徴している。
まず、12月19日に公開される映画『楓』では、女優の福原遥とW主演を務める。行定勲監督が描く本作は、大切な人を失う運命に向き合う心の機微をテーマとしており、福士は双子の兄・涼(弟のフリをする設定)という、極めて繊細で複雑な内面を持つ難役に挑んだ。初期の青春ラブストーリーで培った感情表現の技術が、円熟期に入った監督の作品でどのように昇華されるのか、映画ファンからの期待は高い。
そして、2026年1月期に放送開始となるフジテレビ火9ドラマ『東京P.D. 警視庁広報2係』では、約10年ぶりとなるフジテレビの連続ドラマ主演を飾る。福士演じる今泉麟太郎は、捜査一課を目指すも広報課に異動させられた若手警察官。社会派のテーマを扱う同作で、彼は組織の論理と個人の正義の間で葛藤する姿をリアルに描くことが求められる。緒形直人との初共演も話題となっており、久々の地上波連ドラ主演となる福士蒼汰の演技に、視聴者の注目が集まっている。
ヒーローから実力派へ、演技の変遷
福士のキャリアを振り返ると、その変遷は日本のエンターテイメント界のトレンドと重なる。2011年のデビュー後、『仮面ライダーフォーゼ』のヒーロー役で一躍注目を集め、2013年のNHK連続テレビ小説『あまちゃん』で国民的な人気を確立。その後も『好きっていいなよ。』や『ストロボ・エッジ』といった青春ラブストーリーで若者の感情の機微を表現し、人気を不動のものにした。
しかし、近年は主演作『アイのない恋人たち』(2024年)や、映画『湖の女たち』(2024年公開予定)など、単なる爽やかなイメージを超えた、深みのある役柄に挑んでいる。これは、彼自身が「表現者」としての新たなステージを模索してきた結果と言えるだろう。
2022年、俳優人生を変えた「転機」
福士 蒼汰が自己分析する最大のターニングポイントは、20代後半から30代を迎える過渡期、特に2022年の経験にある。
この年、彼は海外合作ドラマ『THE HEAD』に挑戦し、国際的な現場で胆力を試された。その直後、映画『湖の女たち』で大森立嗣監督と出会ったことが、彼の俳優観を根底から変えたという。「自分の考えがガラッと変わった」と語るこの経験が、続く『大奥<3代・徳川家光×万里小路有功 編>』での高い評価につながり、自己成長を明確に認識するきっかけとなった。
福士はかつて「俳優をやめたい」と葛藤した時期もあったことを明かしながらも、現在は「俳優という職業に無限の可能性がある」と捉え直している。彼は「チャンスを掴む準備を怠らない」という哲学のもと、サスペンスやアクション、そして複雑な人間ドラマへと活動の幅を拡げ、常に新しい挑戦を求めている。
海外を見据える視点と洗練された私生活
現在30代を迎えた福士蒼汰の視線は、既に国内に留まらない。将来的には海外作品への挑戦をさらに深めたいという明確な目標を掲げており、そのための準備を怠っていない。
また、公の場における彼の洗練された姿も、俳優としての魅力を高めている。2024年6月のGUCCI 2025年春夏メンズコレクション発表会では、ビーズのフリンジトリムが施されたユーティリティシャツを着こなし、国際的なファッションセンスを披露。プライベートでは映画や音楽、特にクラシックやジャズを好み、家族や友人との時間を大切にするなど、自然体で豊かな生活を送っている。こうした公私にわたる充実ぶりが、彼の演技にさらなる奥行きを与えていることは間違いない。
『楓』で心の機微を探求し、『東京P.D.』で社会のリアリティに挑む福士蒼汰。彼のキャリアは今、新たな「深化」の時代を迎えており、国内外でのさらなる飛躍が期待される。(1150字)