創価学会、池田名誉会長三回忌追善:世界広布の「誓い」と「不在の時代」の継承
ニュース要約: 創価学会は池田大作名誉会長の三回忌法要を厳粛に執り行い、「広宣流布」の誓いを再確認した。名誉会長の不在が続く中、組織の求心力維持と次世代への継承が最大の課題。2029年の七回忌を指標に、世界広布達成へ向けた新たな出発点となる。
創価学会、池田名誉会長三回忌で「広宣流布」の誓いを再確認—「不在の時代」における求心力と次世代への継承
2025年11月16日
去る11月15日、創価学会の第3代会長であり、世界的な宗教指導者として知られた池田大作名誉会長の三回忌追善勤行法要が、東京・信濃町の広宣流布大誓堂で厳粛に執り行われた。2023年11月15日の逝去から丸二年。この節目の法要には、現会長の原田稔氏、長谷川理事長ら創価学会の執行部をはじめ、創価学会インタナショナル(SGI)の世界75カ国・地域からの代表が参列し、池田名誉会長への報恩の誓いと、その遺志を継ぐ「世界広宣流布」への決意を新たにした。
三回忌は、単なる追悼の儀式以上の意味を持つ。宗教学者の間では、池田名誉会長の不在が続く中で、創価学会が「師弟不二」の精神をいかに次世代へ継承し、組織の求心力を維持できるかという試金石として注目されている。
継承の誓い:七回忌を次なる指標に
法要の場で、原田会長は、池田名誉会長が「妙法に説く不老不死のままに、永遠に広宣流布の指揮をとる」と記した精神に触れ、弟子の勝利こそが師への最大の報恩であると強調した。特に、2029年の七回忌を次なる目標として掲げ、それまで世界広布の団結を強固にしていく決意を表明したことは、今後の学会活動の具体的な指標を示すものとなった。
また、世界各国から集まった代表団の存在は、創価学会が池田名誉会長の下で築き上げた国際的なネットワークの強靭さを示す。アフリカ、南アジア、北南米など各地で研修会や祝賀会が開催されるなど、三回忌を機に世界的な広布活動の勢いが加速している様子が見て取れる。全国、全世界の会員が各家庭で追善勤行を行うという形式も、池田名誉会長の指導を個人の「己の心」に刻み、活動の原点に立ち返るという在家仏教としての実践を象徴している。
「ポスト池田」時代の組織的課題
一方で、池田名誉会長の三回忌は、創価学会が直面する組織的な課題を浮き彫りにする側面も持つ。宗教学者の山折哲雄氏は、創価学会の追悼行事は「組織全体の精神的再生の契機」であり、「池田先生の人格と行動」をどのように次世代に伝えるかが問われていると指摘する。
池田名誉会長は、創価学会の精神的支柱であり、国内外の信徒にとって絶対的な存在であった。そのカリスマ的指導者が不在となった後、組織の求心力を維持し続けるためには、指導層のリーダーシップと、末端会員の活力を高めることが不可欠となる。創価学会は2025年が会長就任65周年の節目であることも踏まえ、「人材の裾野を拡大する活動」を本年にわたり展開してきた。これは、「学会は永遠に折伏の団体であり、永遠に青年学会である」という池田名誉会長の指導を再強調し、組織の高齢化や活力維持への懸念に対応する狙いがあると見られる。
政治的な側面も無視できない。創価学会を支持母体とする公明党の選挙活動において、池田名誉会長の死による直接的な影響は、すでにシステム化された選挙活動によって限定的とされている。しかし、高齢化に伴う「フレンド票」の固定化など、票の動員に関する課題は依然として存在し、三回忌を迎えたことで、創価学会が今後どのように社会的な影響力や政治的な役割を維持していくのか、その動向が注視されている。
創立100周年へ向けた新たな出発点
三回忌は、2025年11月18日の創立95周年とも近接しており、創価学会にとっては創立100周年(2030年)へ向けた新たな出発点となる。池田名誉会長が築いた平和・教育・文化の理念を、いかに国際社会に発信し続けるか。そして、世界広布という壮大な宗教的使命を、いかに次世代の若者たちに託していくのか。
今回の三回忌法要は、創価学会が「永遠の師」の遺志を胸に、組織的な課題を乗り越え、国際的な宗教団体としてさらなる飛躍を目指すための、重要な転換点として歴史に刻まれるだろう。「弟子の勝利が報恩の証し」を合言葉に、創価学会の今後の大前進に、社会は引き続き注目していく。