Snow Man「ON」ツアー札幌で始動!100億円超の経済効果と都市の「受け入れ限界」
ニュース要約: Snow Manのドームツアー「ON」が札幌で開幕。熱狂的なファンが集結し、地域経済に100億円超の巨大な経済効果をもたらした。一方で、宿泊施設や交通インフラが限界に達し、札幌市長も認める「受け入れ限界」の課題が浮き彫りとなった。
Snow Man、北の大地を揺るがす!「ON」ツアー始動と100億円超の巨大経済効果:札幌が直面する「受け入れ限界」の課題
2025年11月15日・16日、人気アイドルグループSnow Manによる5大ドームツアー「Snow Man Dome Tour 2025-2026 ON」が、北海道札幌市の大和ハウス プレミストドーム(旧札幌ドーム)を皮切りに幕を開けた。日本最北の全天候型ドームで初日を迎えたこの大規模公演は、ファン(スノ担)の熱狂はもちろん、地域経済に100億円を超える波及効果をもたらしたと試算されている。一方で、都市の宿泊・交通インフラが悲鳴を上げる事態も発生しており、今後の大規模イベント誘致に向けた教訓を残した。
プレミストドームを包んだ熱狂とサプライズ
札幌公演は、全国5大ドームを巡る全17公演のツアーの記念すべきスタート地点となった。最大収容人数5万人を超える巨大空間、プレミストドームは、遠方からのファンで埋め尽くされ、開場前から会場周辺や地下鉄福住駅は身動きが取れないほどの大混雑となった。ANAの臨時便やJR北海道の臨時特急列車が運行されるなど、アクセス環境の整備が進められたものの、ファンの熱意はそれを上回る勢いだった。
ライブ構成は、最新アルバム『音故知新』を軸に、過去のヒット曲やダンスナンバーを織り交ぜた約30曲以上の壮大なセットリストで展開された。特に、初日公演でサプライズ披露された新曲「Dear」は、会場のボルテージを一気に最高潮に引き上げた。広大なドームのスケールを活かした映像演出や、メンバー個々の魅力を最大限に引き出すソロパフォーマンスは、Snow Manがドームアーティストとしてさらなる高みへ到達したことを証明したと言えるだろう。
宿泊施設が悲鳴、広範囲に及ぶ経済波及
今回の札幌公演が地域経済にもたらした影響は計り知れない。公演前後、札幌市内のホテルはほぼ満室状態となり、「ホテル争奪戦」が激化した。札幌エクセルホテル東急などの主要ホテルでは、稼働率が通常の80%台後半に達しただけでなく、客単価も通常の1.5倍に跳ね上がった。
ファンからは「ホテルが取れず、カラオケボックスに泊まるしかなかった」「札幌市内の宿泊費が10万円近くに高騰した」といった悲痛な声も聞かれ、宿泊需要は札幌市内にとどまらず、遠く芦別や旭川など100km以上離れた都市にまで波及した。
ライブ終了後も、熱気は冷めない。札幌名物のジンギスカンやラーメン店には長蛇の列ができ、飲食店や商業施設が軒並み潤った。この短期間に集中した消費行動により、今回のドームツアーによる札幌市の経済効果は、100億円を超えるとの試算も出ている。
課題としての「受け入れ態勢の限界」
しかし、この巨大な経済効果は、都市インフラのキャパシティという課題を浮き彫りにした。札幌市長も、大型イベントの集中とそれに伴う宿泊料金の高騰に対し、「受け入れ態勢の限界」を課題として挙げている。
ファンが分散して宿泊先を探さざるを得なかった状況は、札幌市として今後、イベントの日程調整や、宿泊施設の価格平準化、そしてさらなる交通アクセスの改善が急務であることを示している。
Snow Manの公演は、エンターテインメントの力を通じて地域を活性化させる、現代における「祭り」の役割を果たした。彼らの圧倒的な集客力と消費波及効果は、札幌市に大きな利益をもたらした一方で、この熱狂を持続可能にするための都市側の体制強化が、今まさに求められている。北の大地から始まった彼らのツアー「ON」は、文化と経済の両面にわたる、重要な問いを投げかけたと言えるだろう。