【エリザベス女王杯】レガレイラが女王奪還!戸崎圭太、30度目の挑戦で京都G1初制覇
ニュース要約: 2025年エリザベス女王杯は、1番人気レガレイラが圧巻の末脚で勝利し、昨年の雪辱を果たして女王の座を奪還、G1・3勝目を飾った。鞍上の戸崎圭太騎手は、30度目の挑戦でついに京都G1の「鬼門」を突破する歴史的な勝利となった。9番人気ライラックの健闘もあり、馬券は高配当決着に。
エリザベス女王杯、レガレイラが女王の座奪還! 戸崎圭太、30度目の正直で京都G1の「鬼門」を破る
2025年11月16日、秋の京都競馬場を舞台に行われた第50回エリザベス女王杯(GⅠ、芝2200m)は、1番人気のレガレイラ(牝4、木村哲也厩舎)が堂々の勝利を収めました。昨年の雪辱を果たし、名実ともに現役トップクラスの牝馬であることを証明したこのレースは、鞍上の戸崎圭太騎手にとっても、長年の悲願を達成する歴史的な一戦となりました。
1番人気に応えたレガレイラ、圧巻の末脚
レースは1000m通過59秒9というゆったりとした流れで展開し、先行集団と後続集団の差が詰まるスローからの瞬発力勝負となりました。そんな中、レガレイラは道中中団後方でじっくりと脚を溜め、勝負どころの直線で外に持ち出されると、他馬とは次元の違う豪快な末脚を爆発させました。
一気に先頭を飲み込み、2着パラディレーヌに1と3/4馬身差、3着ライラックに1馬身差をつける力の違いを見せつけての完勝。勝ちタイムは2分11秒0(良)。レガレイラは昨年の有馬記念に続くG1・3勝目を達成し、昨年5着に敗れたこのレースで、見事に女王の座を奪い返しました。
管理する木村哲也調教師にとっても、戸崎圭太騎手にとっても、エリザベス女王杯初制覇という記念すべき勝利となりました。
戸崎圭太騎手、30度目の挑戦で「京都の壁」を打ち破る
この勝利の裏側で、長年にわたる苦闘が報われたのが戸崎圭太騎手です。中央競馬のトップジョッキーとして数々のG1タイトルを手にしてきた戸崎騎手ですが、なぜか京都競馬場でのG1レースでは勝利に恵まれず、「京都G1の壁」として立ちはだかっていました。
今回のエリザベス女王杯は、戸崎騎手にとって実に30度目の京都G1挑戦。その「鬼門」を、圧倒的なパフォーマンスを見せたレガレイラと共に突破した瞬間、スタンドからは大きな拍手が送られました。
ゴール後の勝利インタビューでは、興奮冷めやらぬ様子で、戸崎騎手の代名詞とも言える「ベリーベリーホース」という喜びの言葉が飛び出しました。長年の努力が実を結んだ瞬間であり、彼のキャリアにおける新たな金字塔が打ち立てられたと言えるでしょう。
9番人気ライラックの大健闘、波乱の立役者に
レガレイラが人気に応えた一方で、このレースに大きな波乱をもたらしたのが、9番人気ながら3着に食い込んだライラック(牝6)です。
ライラックはレース序盤をほぼ最後方で進め、スローペースを味方につける形で直線勝負に賭けました。直線では大外から驚異的な追い込みを見せ、ゴール直前で上位人気馬をまとめて差し切り、見事に掲示板を確保。6歳牝馬の底力とタフネスを証明する走りでした。
このライラックの健闘により、馬連、三連単を含む全券種で高配当となる波乱決着に。特に三連単では、単勝1番人気と9番人気の組み合わせとなり、思わぬ高額配当を手にしたファンも多かったことでしょう。藤岡佑介騎手も「馬の力で来てくれました」と、ライラックの爆発的な末脚を称賛しました。
惜敗の人気勢と今後の展望
対照的に、2番人気のリンクスティップは4着、3番人気のココナッツブラウンは5着と、人気上位勢が上位を独占するには至りませんでした。また、昨年のクラシックで活躍したステレンボッシュは10着に敗れ、C.ルメール騎手からは不利があったとのコメントも聞かれました。
今回のレース傾向は、ゆったりとした流れから一気に加速する展開となり、レガレイラやライラックのように、瞬発力と持続性を兼ね備えた末脚を持つ馬が有利となる結果となりました。
レガレイラの陣営は、今後、12月28日に行われる有馬記念への出走も視野に入れていると見られます。もし出走が実現すれば、同馬は史上初の牝馬による有馬記念連覇という偉業に挑むことになります。秋の女王の座を確固たるものとしたレガレイラと戸崎騎手の名コンビが、年末のグランプリでどのような走りを見せるのか、競馬ファンは熱い視線を送っています。